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【UFC156】ウェルター級の祭典前哨戦、フィッチ×マイア

Fitch

【写真】デミアン・マイアを相手にバック狙いの組技を、ジョン・フィッチは仕掛けることができるのだろう か(C)PVT

2日(土・現地時間)、UFC156「Aldo vs Edgar」がラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターで行われる。メインのUFC世界フェザー級選手権試合ジョゼ・アルド×フランク・エドガーというメガファイト以外にも、スーパーボウルウィークエンドのビッグショーだけあって、数多くの注目のカードが揃っている。

なかでも3月のUFC157=ウェルター級の祭典を前に、注目度の高い同級のマッチアップが見られる。10月のブラジル大会で、新鋭エリック・シウバにリアネイキドチョークの態勢に入られ、あわや一本負けかというシーンに追い込まれながら、逆転の判定勝ちを収めたフィッチ(※本人はBJ・ペン戦での対策が生き、問題なかったと語っている)。

長らくGSPに次ぎ世界最強の地位にあったフィッチだが、ジョニー・ヘンドリックス戦の秒殺TKO負けでその座を失った。再起を賭けたシウバ戦で、辛くもトップ最前線に踏みとどまることができたのと同時に、変わらぬ強さを見せつけたことは大きい。そんなフィッチの対戦相手は同じブラジル大会でリック・ストーリーを危ないフェイスロックで下し、ウェルター級転向後2連勝をとなったデミアン・マイアだ。

力強いレスリングベースのフィッチに対し、ガードワークも厭わない柔術家のマイア。フィッチもMMAで戦うようになってから、柔術を修得し黒帯を巻いているが、いわゆる競技柔術でいえば実績も技量も圧倒的にマイアだろう。ただし、ノーギ&MMAに必要な柔術の技術という部分では、フィッチも決して後れを取らない。

Maia【写真】えげつない首折りで、リック・ストーリーを破ったマイア。今時珍しい幻想が膨らむタイプのファイターといえる(c)PVT

フィッチのテイクダウン能力と、バック奪取+キープ力に加え、柔術の仕掛けに対する防御力はMMA界でも随一といえる。一方、マイアは打撃の精度を上げる傍らで、判定では不利になるガードワークからの仕掛けをMMAに取りいれ、リバーサルからポジション奪取、そして極めにいくという流れを完全にモノにしている。

両者の対戦の見どころは、マイアが組みつかれてからだ。引き込みからの仕掛けがフィッチに通じるのか。あるいはフィッチのバック・キープ力がマイアにも通用するのかが、最大の焦点になる。

ただし、マイアの得意分野を封じ込むには寝技に移行しないこと――とフィッチ陣営が割り切り、テイクダウンを狙わず当てる打撃で試合を組み立ててくると試合の予想は難しくなる。グラップリングを避けるファイトを展開することも考えられる。同時にマイアにしても、フィッチの最大の長所=テイクダウンを防ぐために、距離のあるところからジャブを繰り返す作戦を選択するかもしれない。

バックの攻防や、リバーサルの仕掛けからのバランス勝負など、見所がたっぷり存在する両者のMMA内組み技、その攻防が見られるのかどうかは、蓋を開けてみるまで分からない。相手の長所を消すことを、自らの持ち味を発揮することよりも優先するのも、MMAというコンバットスポーツだ。そして、この試合の勝者がお祭り前のウェルター級戦線で、まずは大きなアドバンテージを握ることになることは確かだ。

■UFC 156「Aldo vs. Edgar」対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョゼ・アルド(ブラジル)
[挑戦者]フランク・エドガー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ラシャド・エヴァンス(米国)
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
アリスター・オーフレイム(米国)
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・フィッチ(米国)
デミアン・マイア(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
イアン・マッコール(米国)

<ライト級/5分3R>
グレイゾン・チバウ(ブラジル)
エヴァン・ダナム(米国)

<ウェルター級/5分3R>
タイロン・ウッドリー(米国)
ジェイ・ヒエロン(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・ヴォルクマン(米国)
ボビー・グリーン(米国)

<ライト級/5分3R>
イーブス・エドワーズ(米国)
アイザック・ヴァリフラッグ(米国)

<バンタム級/5分3R>
チコ・カムス(米国)
ダスティン・キムラ(米国)

<バンタム級/5分3R>
エドウィン・フィゲロア(米国)
フランシスコ・リベラ(米国)

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