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【RFC23】44歳の挑戦、チェ・ムベ 「過去の自分ではなく、成長し続けている姿を見せたい」

Choi Mu-Bae【写真】2年振りの実戦復帰、過去6年で3戦目となるチェ・ムベ (C)MMAPLANET

5月2日(土・現地時間)韓国ソウルのチャンチュン体育館で開催されるRFC23でチェ・ムベが現役復帰を果たす。

近頃、チェ・ホンマンと契約を果たしたRFCだが、チェ・ムベもまた韓国MMA界の黎明期から、レスリング・ベースのスタイルで勝利後の『サタデーナイト・フィーバー』パフォーマンスで高い人気を誇っていた大ベテランだ。

44歳になった今、現役復帰を決めたチェ・ムベに話を訊いた。

──ROAD FC出場が迫ってきました。現在の体調をお教えください。

「良いコーチ陣に恵まれ、自分自身不思議に思うくらい、良い練習が出来ています」

── 2年前にRevolutionで試合をして以来の現役復帰となります。それ以前は09年から試合をしていませんでした。この間、どのような生活を送られていたのでしょうか。

「2年前の試合もたった26秒で終わりましたが……。この間、武神という団体に参加し、忠清大学の教授職を務めていましたが、私を招聘してくれた大学の理事長の身辺で急激な変化が起こり、期待を寄せていた武神自体も活動することなく終わりました。結局またジムをテジョンでやることになりました。安定を取り戻すまで多くの時間と苦労がありましたが、今はとても精神的な面で良い経験が出来たと持っています。

テジョンで初めてクロスフィット、柔術の指導を行っており、『初心者からより高い水準を目指す中上級者までの皆が、世界で最も重要な”己自身”を成長させる』というコンセプトのジムです。先ほど申し上げた2人のコーチも人間工学を深く理解しており、ホン・ジョンミン打撃コーチは国内でもトップクラス、チョ・ソンミン柔術、MMAコーチは国内のみならず海外各地へ直接赴き学んできました。私も含めて、3人でジムを運営しています」

──ではレボリューション出場時にも、もうその体制が築かれていたのですね。

「ハイ。打撃を基本から整え、グラウンドは米国、海外でも十分に通用するレベルに達することが出来たと感触を掴めるほど、良いコーチに恵まれました。コンディション面は自分自身長い間選手生活を行ってきたので、自分の感覚で調整出来ていますが、ホン・ジョンミン、チョ・ソンミン両コーチの存在がとても大きな助けになっています」

──ROAD FC出場を決めるまで、この2年、普段はどのようなトレーニングを行ってきましたか。

「先ほど言ったレボリューション出場時と同じトレーニングを積んできました」

──なるほど。では心身ともに好調であることを期待しています。では、再び戦うことを決めた理由を教えてください。

「事実上、経営者としてテジョンで活動していたので、選手生活のことは頭にはありませんでした。それが、最近俳優のキム・ヨンホ先輩のボクシング指導をするようになって、指導しているうちに『あぁ、あと5試合くらいは続けようかな?』という気持ちになったんです。ちょうど、このタイミングで運よくこの機会に恵まれました」

人は生まれてから地球が近隣恒星の周りを数十周している間に、その生命が終わってしまいます。そんな短い人生だからこそ、何か挑戦できることがあれば、挑戦しなければならないと思いました。皆、私が既に引退していると思っています。そして『その歳になってもまだやるのか』と思っているはずです。そういった思い、考えに対する挑戦です」

──2010年に活動を開始し、この4年半の間で韓国にMMAを普及してきたRFCに対して、どのような印象を持っていますか。

「今回RFCに参加することが出来、とても嬉しいです。継続的に大会を行い、全てTV放映されてきており、とても露出力、アピール力の高いイベントだと思います」

──RFCが定期的に行われるようになり、韓国人ファイターの質は急激に上昇しました。チェ・ムベ選手がMMAを始めた頃と比較して、今の若い選手は何が違うでしょうか。

「簡単にいうなれば、私が試合をしていた頃は『異種格闘技』という、それぞれの得意の技術で戦うモノでした。現在は一つのスポーツのジャンル──『総合格闘技』として確立されています。今と昔の実力に関しての違いは自分の試合で分かると思います」

──44歳でMMA、体力、技術に不安は感じていませんか。

「とても不安で、恐怖心もあり、辛いです。それでも挑戦します」

──対戦相手はルカス谷選手に決まりました。前回大会では腕十字で一本勝ちしています。どのような印象を持っていますか。

「柔術ベースのファイターで、自分より10歳以上若いです。良い試合にするためにも多めに打撃を打っていこうと思っています。少しでも早く試合を終わらせたいです」

──今回の試合を経て、どのようなキャリアを構築したいと考えていますか。

「過去の自分ではなく、成長し続けている姿を見せ続けたいです」

──では現役のMMAファイターとしてのゴールを教えてください。

「一試合、一試合を楽しむことです」

■RFC23対戦カード

<ROAD FCバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] イ・ユンジュン(韓国)
[挑戦者] ムン・ジェフン(韓国)

<ヘビー級/5分3R>
チェ・ムベ(韓国)
ルカス谷(ブラジル)

<女子63キロ契約/5分2R>
キム・ジヨン(韓国)
ハティース・オズヨート(オランダ)

<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵美(日本)
パク・ジョンウン(韓国)

<ライト級/5分3R>
ナンディンエルデン(モンゴル)
キム・スンヨン(韓国)

<80キロ契約/5分3R>
イ・チャンソプ(韓国)
カリム・ボウララッシ(モロッコ)

■ Young Guns 22 対戦カード

<ウェルター級/5分2R>
ソン・ギュソク(韓国)
チャ・インホ(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ソクモ(韓国)
川口雄太朗(日本)

<フェザー級/5分2R>
ジョン・ヨンサム(韓国)
ホン・ソンホ(韓国)

<ライト級/5分2R>
ソン・ジンホ(韓国)
チェ・ジョンチャン(韓国)

<ミドル級/5分2R>
ラ・インジェ(韓国)
キム・ヒョンミン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
ジャン・デヨン(韓国)
チョン・ソクチャン(韓国)

<フライ級/5分2R>
クァク・ジョンヒョン(韓国)
ホン・ジョンテ(韓国)

<バンタム級/5分2R>
ソ・ジンス(韓国)
イ・ユンジン(韓国)

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