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【Pancrase266】奥野に完勝、久米鷹介「韓国で負けた経験を活かすことができました」

Takasuke Kume【写真】完勝劇にセコンドの日沖発から、ご褒美をもらう──のではなく、マウスピースを取ってもらう久米鷹介 (C)MMAPLANET

26日(日)、東京都江東区のディファ有明で開催されたPANCRASE 266で、久米鷹介が2年10カ月振りの国内復帰戦で奥野‟轟天゛泰舗と対戦した。

1R試合開始直後に思い切り右ローを蹴り込んだ久米は右を振るって組みつくと即、奥野に尻餅をつかせる。ここではすぐに奥野も立ち上がるが、組み付き易しと判断したのか、久米はシングルレッグでケージに押し込むと、テイクダウンからバックへ。一度はマウントまで持ち込むが、バックマウントには固執せず、下に落とされないようにバックコントロール重視の戦い方で初回を10-9で揃えた。

2R2R、左ハイから右を伸ばした久米は、奥野の右を被弾しても落ち着いてダブルレッグからドライブ、テイクダウンに成功。奥野の立ち上がり際にバックを取る。寝技に持ち込んで、バックマウントからRNCを仕掛ける久米だったが、初回と同じようにあくまでも自分が不利にならない位置取りを頭に入れ、奥野の動きに合わせてポジション&トップキープでこのラウンドも支配した。

3R最終回、奥野は打撃戦で熱くならない久米にまたしてもケージに押し込まれ、尻餅→バック→バックグラブ→マウントと攻め続けられる。この後もバックとマウントを繰り返した久米は、奥野が胸を合わせてくるところで、早目の対処を心掛ける。ガードの中からエルボーを見せるなど、韓国ではなかった攻撃も仕掛け、下になることなく戦い切った久米。ジャッジの一人は30-26を付ける判定勝ちを手にした。

<ライト級/5分3R>
久米鷹介(日本)
Def.3-0:30-26,30-27,30-27
奥野‟轟天゛泰舗(日本)

完全にポジションをドミネイトしての完勝は、頂点を掴むことができなかった韓国での経験をしっかりと生かした勝利であった。試合後の久米に話を訊いた。

──おめでとうございます

「ありがとうございます。ホッとしました。そういう想いが一番です」

──試合前から韓国での経験を活かしたいと言っていましたが、その通りの試合になりました。

「最後まで制し続けることができたと思いますし、自分のやりたい試合はできました。バックを取っている時も割と冷静に戦うことができました」

──バックマウント、あるいはバックコントロールすら固執することはなかったように思います。

「それこそ韓国での経験を活かして、早目にポジションを変えるように心掛けていました。バックをキープしないといけないというのではなく、下にならないように戦う。そこは韓国で負けた経験を活かすことができました。もちろん、フィニッシュできた方が良かったのですが、奥野選手からはチョークを狙わせ、半分ぐらい入ったところでエスケープし、上を取りに来るような気配を感じたんです。

戦っている最中も『腕を自由に入れさせているんじゃないか』って思っていました。だから、深追いはしないよう心掛けました。そこで焦って、絶対に一本を取るんだという風にならなかったのも、過去の経験からだと思います。ただ、攻めることはできていたので、極めたかったという気持ちもあります」

──なるほど。もちろん、倒し続けたという結果論ですが、ナム・ウィチョル、クォン・アソルと戦った時よりも、打撃からスムーズにテイクダウンの形に入っていました。

「これは奥野選手云々ではなく、あの2人と向き合って打撃、スクランブルの展開を経験していたことは大きかったです。やはり余裕を持てたというのはありました。ナム・ウィチョルやクォン・アソルとの試合では、絶対に倒さないといけないという感じで力も入っていたし、強引でした。対して、今日の試合は倒し切れなくても、もう1回やり直せると思って戦えたんです。それは練習の段階から思っていたことです」

──スタンドでの圧力も、実際はどうでしたか。

「あの2人とは違う……。テイクダウンには入りやすかったです。今日の試合に関しては、韓国での負けを生かすことはできました。ただ、今の自分がまた彼らのような選手と戦った時に、どうなるのか。今日のような試合ができるのかどうか……まだまだ、自分を磨く必要があると思います」

──2年10カ月振りの日本での試合でした。セントレアにもほど近い東海市在住の久米選手としては、ロードFCのように計量前日に現地入りできる方が、計量当日に東京入りすることが多い国内大会の方がハードにも思えるのですが。

「ROAD FCに関しては海外といっても、移動もそれほど長くはないですし、最後の水抜きなどもしっかりとできていました。今回は計量が朝の11時からだったので、前日から東京入りしていました。そこはピカッとマネーで対応してもらい助かりました(笑)

<この項、続く>

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