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【UFC186】残り1秒のタップアウト負け。堀口恭司、正真正銘の世界最強=DJに敗れる

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
Def.5R4分59秒by 腕十字
堀口恭司(日本/7位)

まずは右ミドルを入れた堀口。もう一度、堀口は右ミドルを入れる。左からもミドルを入れた堀口に対し、DJは左ロー。堀口はワンツーで前に出て、続くDJのローシングルを切る。DJは堀口の右ミドルをキャッチして、そのままケージに押し込む。左腕を深く入れたDJは、堀口はケージを背にして倒れない。左ミドルから前に出るDJは、ワンツーを入れて組み付くとここでテイクダウンに成功する。

ケージを背にした堀口はシッティングから立ち上がろうとし、DJが跨いできたところでスタンドへ。右ローを受けてバランスを崩したDJ。堀口は思い切り右ミドルを蹴り込む。ここで初回が終了した。

2R、スピードが上がったDJは堀口のミドルをよけて、パンチからヒザ蹴り。堀口もパンチでバックステップしたところで組に来たDJにヒザを入れる。そのまま組み付いたDJに対し、体を入れ替えた堀口は足を払ってテイクダウンに成功!! DJが立ち上がるところにバックを取り、後方からパンチを入れて離れた堀口は、しっかりと距離を取り直す。しかし、続く左フックにダブルを合わせられ尻餅をついた堀口は、足を畳まれパンチを一発被弾する。ヒザを入れ、がぶったDJ。

堀口は立ち上がるも、チャンピオンは左ハイから着地後に即テイクダウンに成功する。再び起き上がり際にボディにヒザを入れたDJは、続く局面でも堀口の左フックをかわしてダブルレッグを決める。残り1分、スタンドに戻ってもパンチが大きくなり始めた堀口は、右フックを空振りし3度目のテイクダウンを許す。立ち上がって離れ際に右を入れたDJは、残り10秒でも右フックを入れて組み付き、バックを取るなど攻勢を明らかとした。

3R、DJは左ミドル、シングルは堀口がスプロール。続くテイクダウン狙いもがぶった堀口が距離を取り直す。右ミドルにバックを取られた堀口は、そのまま上四方をとられる。がぶる堀口は、懸命にDJの攻撃を凌ぐが、このままでは確実に削られてしまう。立ち上がり、離れて左を振るった堀口が息を整え直す。蹴りの応酬のあと、シングルを切った堀口だったが、直後にボディロックから完全なテイクダウンをオクタゴン中央で取られる。DJは左へパスし、ボディにエルボーを落とす。サイドで抑え腕を狙う王者に対し、堀口も腰を切って暴れる。クルスフィックに堀口を捉えたDJがパンチを連打し、ここもチャンピオンのラウンドとなった。

「取られているから倒すしかない。力むな」という田村一聖の指示に、大きく頷き4Rに向かった堀口だが、左ミドルから左ローを蹴られる。堀口は右を入れるも、即DJが組みつく。ヒザをボディに入れた堀口に対し、離れたDJがすぐに組み付く。ここでも一旦離れたチャンピオンは、堀口に一呼吸を入れさせずに組んでダックアンダーからバックへ。胸を合わせた堀口、押し込まれる展開にどうしても動きがラフになってくる。投げ狙いにバックを取った王者、胸を合わせて離れた堀口はシングルレッグでケージに押し込まれる。

堀口は体を入れ替えるが、押し返されヒザ蹴りから組み付かれる。頭を押して離れた堀口が左を伸ばす。サウスポーに構えた堀口は左ストレート、組み合いのなかでバックへ。DJの左ミドルをキャッチして倒しにかかるも、すぐに立ち上がった王者が距離を取る。ここで4Rも終わった。過去3戦のチャレンジャーでもっともDJと攻防を繰り広げているが、最後の5分、一発に頼る状況に追い込まれた。

と、そんな堀口の精神状況を読み切ったように、前に出てきたところでスッとテイクダウンに成功したDJは、パスに成功する。ガードに戻し、正対した堀口のバックに回るチャンピオン。堀口は後方にパンチを入れて立ち上がって胸を合わせる。離れた堀口は、直後にダブルレッグを決められるなど、テイクダウンディフェンスで粘れなくなってきた。気持ちは切れていない、キムラを取られそうになっても瞬時に対応し、RNCも許さない。

それでもDJはテイクダウンを決め、堀口をコントロールし続ける。残り90秒、起き上がった堀口を倒し、サイドに回るとバックへ。堀口のボディにヒザを入れたDJは、首相撲。堀口はそれを振り払い、左を見せようとしたが、またもダブルレッグで倒される。クルスフィックからエルボーを受け、パンチを連打され堀口は苦しげな表情を浮かべる。フィニッシュに拘るDJは、このままでも判定で完勝防衛にも、マウントを移行し腕十字へ。残り1秒、堀口の右腕が伸び切り、ついにタップ。恐るべき強さをDJが、堀口を相手に見せつけた。

「試合は早く終えられる方が良いけど、完全に支配していたし、フィニッシュもできた」とフライ級の絶対王者。堀口にとって、これ以上ない完敗ではあったが、恥じることはない完敗。チャンピオンが世界一の強さを見せつけた。この完敗劇を次につなげてほしいばかりだ。

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