【Pan BJJ】JT・トレスが世界へ視界良好、ロは世界決勝再戦制す。キーナンは……
【写真】怪物ロが、昨年の世界柔術決勝の再戦を制しミドル級で優勝(C)IBJJF
11~15日(水~日・現地時間)からカリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が開催された。世界最高峰の選手達がズラリと顔を揃え、5月の世界選手権の前哨戦というべきこの大会の模様を、アダルト黒帯の中量級の決勝戦を中心にお届けしたい。
<ライト級決勝/10分1R>
JT・トレス(米国)
Def. 10-0
AJアガザーム(米国)
順調に決勝進出した大本命のトレスに対して、もう一つのブロックを勝ち上がったのは、レスリング力とエスケープ力に定評のあるアガザーム。米国勢同士の決勝が実現した。試合開始後、抜群のタイミングでアンクルピックを仕掛けられたトレスは、無理せずそのままクローズドガードに引き込む。名高い握力を活かしてアガザームの両手首を掴むと、デラビーバフックから自らの両足を伸ばして交差させるデラヒーバ・クロスの状態から、アガザームの両手首を前に引きつけてバランスを崩し、そのままスイープして先制した。
その後また同じスイープを決めたトレスは、パスを2回決めて10-0とリード。最後の腕狙いこそエスケープの名手アガザームに逃げられたものの、上からも下からも実力の差を見せつけて完勝した。長年トップに君臨しているものの、まだ世界タイトルは獲れずにいるトレス。5月の本番には多くの超強豪が参戦してくることとなるが、今回のトレスの充実ぶりを見る限り、悲願達成は大いに期待できそうだ。
<ミドル級決勝/10分1R>
レアンドロ・ロ(ブラジル)
Def.
オターヴィオ・ソウザ(ブラジル)
当初エントリーリストに名前のなかった、昨年ミドル級において無敵を誇った世界最強の中量級柔術家、レアンドロ・ロが参加。オターヴィオ・ソウザとの頂上対決が実現した。昨年のパン大会と世界大会の同階級の決勝でも対戦している両者。パンでは動きの少ない攻防、世界大会では限界まで動き回る激闘の末、どちらもロが辛勝。だが、世界大会でソウザがオモプラッタから何度もロの腕を伸ばしかけたのも印象的であった。
今回引き込んだのはロの方。オープンガードから左足で得意のデラヒーバフックを作るが、ソウザはロの左手首を掴んでロにいい体勢を作らせない。それを振りほどきたいロとの熾烈なグリップ争いが続く。やがてロが後転スイープを仕掛けるとソウザの体が宙を舞うも、ソウザはすぐさま立ち上がって点を許さず。改めて引き込んだロは、今度は三角絞めの仕掛けからオモプラッタへ。それをソウザがいやがったところですかさず立ち上がって2点先取。
上になったロは十八番のニースライド・パスを仕掛けるために膝をソウザの股間に入れようとするが、ソウザは右膝でシールドを作ってそれを阻止。やがてソウザはロの裾を引き出してロの膝裏を通して掴むことに成功するが、ロはかまわず再びニースライド・パスの体勢に。盤石のバランスで体重をかけ、ソウザの上体を抑え込んでアドバンテージを追加することに成功した。残り時間が少なくなったところで、なんとかロを押し戻して距離を作り、オープンガードを作り直そうとするソウザ。
ここでロが左に回ってのパス――と思いきや、次の瞬間ロは右に跳び、見事にパスガードに成功。とどめの3点を追加したロが、またしてもソウザに完勝した。接戦だった去年の2試合と比べて、今回は下でも上でもロがソウザを上回っての勝利。その強さはまさに留まることを知らない。
<ミディアムヘビー級決勝/10分1R>
キーナン・コーネリアス(米国)
Def. 試合せず
グットー・カンポス(ブラジル)
大方の予想通り、コーネリアスとカンポスのアトスコンビが2年連続のクローズアウト。昨年優勝を譲られたカンポスが、今年は後輩のコーネリアスに譲った。