【UFC185】攻撃散らすドスアンジョス×絶対の見極め、ペティス
【写真】攻撃を散らし、混戦に持ちこんでからの一発――そんなドスアンジョスの仕掛けに対し、ペティスがどのような判断能力からディフェンス&攻撃を見せるのか。駆け引きが非常に面白くなりそうな世界ライト級選手権試合だ(C)GONGKAKUTOGI
14日(土・現地時間)、テキサス州ダラスのアメリカンエアラインズ・センターで行われるUFC185「Pettis vs dos Anjos」。メインは大会名にある通り、UFC世界ライト級選手権試合で王者アンソニー・ペティスにハファエル・ドスアンジョス戦が挑む一戦だ。
ペティスは2013年8月の王座奪取後、負傷とTUF撮影で長期のブランクを経験しながらも、昨年12月にギルバート・メレンデスの挑戦を受けると、日本やStrikeforceで長年ライト級トップとして活躍してきたメレンデスをギロチンでキャリア初のタップに追い込んだ。打撃とテイクダウンの融合かつハイペースで対戦相手を削っていくメレンデスの常套手段に対し、ペティスはケージを背にしつつテイクダウンを防ぎ、2Rに入ると逆に打撃を入れ、焦って組んできたメレンデスを絞首刑に捉えた。
メレンデスのハイペース作戦を封じ込んだペティス、もちろん壁際の優れたテイクダウンディフェンスを駆使していたが、虚をつかせなかった要因は目の良さにあると思われる。ジャブの連打、ショートのラッシュからのダブルレッグ、KO能力も持つパンチを織り交ぜるメレンデスだが、ペティスのパンチを受けないディフェンス能力と見切る目、パンチの強弱を見極める判断力により、攻撃を無力化させられた。結果、受け身のファイトに逆に削られることになった。
ジョー・ローゾンを沈めたハイキックやドナルド・セラーニに決めたミドル、さらにはダン・ヘンダーソンを追い込んだ右ミドルの連打に、しっかりとポスチャーを取れない状態に追い込んでから仕掛けた腕十字。豪快なペティスのフィニッシュは、相手の攻撃を見切ったうえで成り立っている。その卓越した目を超える攻撃力をドスアンジョスは持っているのか。カビブ・ヌルマゴメドフの圧力に押されて判定負けを喫し以来、3連勝中のドスアンジョスは、この間にヘンダーソンにKO勝ちを収めている。
昨年12月のネイト・ディアズ戦はネイトが負傷から体重を落とせなかったとはいえ、まるで試合にならないほど一方的に攻め続けた。柔術ベースにムエタイを加え、さらにレスリングの融合を進めてきたドスアンジョスは、組みと打撃の間、スクランブルの攻防のなかで威力のあるパンチを打ち込めるようになっている。スピードだけでなく、タイミングの見極めが重要な攻撃をモノにしたのが、最近のドスアンジョスの強さを支えている。この動きの激しい攻防のなかでの一発を、果たしてペティスは見切ることができるのか。
ドスアンジョスにはメレンデスのようなプレッシャーをかけてのテイクダウン能力はない。その一方で、サウスポーの構えから上・中・下に打ち分ける蹴り技で攻撃を散らすことができる。加えて、両の拳にKOパワーを持つようになった。相手を混乱させ、接近戦ではゴチャゴチャした展開を作るドスアンジョス、その展開をゴチャゴチャと捉えない判断力をチャンピオンが有しているのか。それが成せば、ドスアンジョスの穴を見つけついていけるに違いない。そういう意味でも、注目はやはりペティスの見極めだ。
■ UFC185対戦カード
<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] アンソニー・ペティス(米国)
[挑戦者] ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル/1位)
<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分3R>
[王者] カーラ・エスパルザ(米国)
[挑戦者] ヨアナ・イェンジェチック(ポーランド/1位)
<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国/1位)
マット・ブラウン(米国/5位)
<ヘビー級/5分3R>
ロイ・ネルソン(米国/8位)
アリスター・オーフレイム(オランダ/9位)
<フライ級/5分3R>
クリス・カリアソ(米国/10位)
ヘンリー・セフード(米国)
<ライト級/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
サム・スタウト(カナダ)
<ミドル級/5分3R>
アライアス・セオドロ(カナダ)
ロジャー・ナヴァエス(米国)
<ライト級/5分3R>
ダロン・クルックシャンク(米国)
ベニール・ダリューシュ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ジャレッド・ロショルト(米国)
ライアン・ベノイ(米国)
<ライト級/5分3R>
ジェイク・リンゼイ(米国)
ジョセフ・ダフィー(アイルランド)
<女子バンタム級/5分3R>
ラリッサ・パチェコ(ブラジル)
ジャーメイン・デランダミー(オランダ/15位)