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【UFC ESPN51】ルケが粘るドスアンジョスを攻め続けて、約1年ぶりの復帰戦を勝利で飾る

【写真】接近戦上等のストライカーがウェルラウンダー化してきた。現状のMMAに最もマッチアップしてきたルケ(C)Zuffa/UFC

<ウェルター級/5分5R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
Def.3-0:49-46.48-47.48-47
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)

サウスポーのドスアンジョス。ルケは右ミドルを蹴り、右ストレートのダブル、再び右ミドルを蹴る。プレッシャーをかけるドスアンジョスが左ミドル、左ストレートを伸ばして、ダブルレッグで組みつく。ルケの左脇を差してテイクダウンを狙うドスアンジョス。離れ際にヒジを振る。スタンドに戻ると、ルケは左フックと右ミドル。ドスアンジョスも左ストレートから右フック、左ミドルにつなげる。ルケが右ストレートから左ボディ、右ストレートを起点に攻撃を組み立てる。

ドスアンジョスは左のスーパーマンからダブルレッグでルケをケージに押し込む。これを切ったルケが逆にダブルレッグでドスアンジョスをケージに押し込んでテイクダウンを奪う。ドスアンジョスのフロントチョークを外して、バックにつくルケ。立ったドスアンジョスはアームロックを狙い、ルケがシングルレッグで押し込む形でラウンドが終わった。

2R、ドスアンジョスがジャブから左ミドル。ルケもジャブを返して右ミドル・インローを蹴る。距離が詰まるとドスアンジョスが組みつき、ルケをケージへ押し込んで、ダブルレッグに入る。ルケは反応よくそれを切って、逆に左脇を差してドスアンジョスをケージに押し込む。テイクダウンの攻防で劣勢のドスアンジョスはヒジを狙うが、ルケはすぐに離れる。ルケが右ストレート・右ミドル、左フックを狙う。

ドスアンジョスはジャブから左ストレートを返し、ルケの右ストレートを被弾しながらも、左ストレートからダブルレッグでケージに押し込んでテイクダウンを奪う。すぐに立ち上がったルケは正対して逆にドスアンジョスをケージに押し込んで、シングルレッグでテイクダウンを狙う。ドスアンジョスもケージに身体を預けて半身になって立ち上がる。ルケは再びダブルレッグに入ってテイクダウン。ドスアンジョスもバックは許さず立ち上がる。アンジョスは離れ際にヒジ。ルケは右ミドルと前蹴り、ドスアンジョスが右フックからダブルレッグに入る。

3R、ルケがジャブを何度もヒットさせ、右ボディストレートにつなげる。ドスアンジョスは流血しながらも左ミドル、右アッパーから組みつく。逆にルケがドスアンジョスにケージを背負わせ、シングルレッグでテイクダウンを狙い、背中を見せて立ち上がるドスアンジョスのバックを狙う。ルケはこれを繰り返し、ドスアンジョスも凌ぎきって距離を取った。

ドスアンジョスが右を見せて左ストレート。プレッシャーをかけるルケがジャブ、右ストレート、右ミドルと手数を増やす。ドスアンジョスが左ミドルからダブルレッグに入ると、ルケが首を抱えてスクランブルの攻防へ。立ち上がったルケがドスアンジョスのバックについて金網に押し込む。ラウンド終了間際、ルケが正対したドスアンジョスをシングルレッグから尻餅を付けさせる。

4R、ドスアンジョスが左ストレート、ルケは右ミドルと右ストレートを返す。組みついたルケはボディにヒザ蹴り、ドスアンジョスの左脇を差してケージに押し込む。ルケがシングルレッグでテイクダウンを狙い、それを凌ぐドスアンジョスがヒジを打つ。お互いにケージに押し込む展開が続くなか、徐々にルケがドスアンジョスを押し込む時間が長くなり、ボディロック・シングルレッグでテイクダウンを何度も仕掛ける。距離が離れるとドスアンジョスが左ストレートからダブルレッグに入るが、ここもルケがケージに押し込む。ルケがシングルレッグでテイクダウンし、バックについてRNCを狙う。

5R、ルケが的確にジャブを当て右ストレート、右ミドル、右の飛びヒザ蹴りと前に出る。ドスアンジョスもワンツーからダブルレッグに入るが力がない。ルケはドスアンジョスをケージに押し込むと、ボディロックとダブルレッグ・シングルレッグでテイクダウンを狙い続ける。ドスアンジョスは何とか凌ぎ、試合をスタンドへ戻す。ドスアンジョスは逆転を目指して左ハイ、左ミドル、左ストレート、距離を詰めてヒジを振るう。

ドスアンジョスの勢いに押されたルケだったが、ドスアンジョスをケージに押し込み、ダブルレッグでドスアンジョスの足を束ねてテイクダウンを仕掛ける。クリーンテイクダウンこそ許さないドスアンジョスだったが劣勢は変わらない。残り1分を切ったところで、ドスアンジョスが距離を取ることに成功。左右のヒジ、左ハイ、右フックとルケを攻め立て、ダブルレッグを潰してインサイドガードで上になる。身体を起こしてパンチとヒジを落とすがビッグヒットはない。大きな見せ場こそなかったものの、ドスアンジョスをフルラウンド攻め続けたルケが約1年ぶりの復帰戦で判定勝利を収めた。

試合後、ルケは「僕は冷静な人間だけど、今は自分っぽくなくて凄く感傷的になっている。1年前に起こったことを考えると今、ここにいることが奇跡だ。何も考えず、また戦うことだけを想って来た。奇跡を信じていない皆、奇跡は起こると僕が証明してみせた。神が僕を癒し、成長させ、強くしてくれた。5Rの経験が豊富や彼のゲームで、元世界王者を倒した」とコメント。

「ゲームプランは全てをやること。ヘンリー、グレッグ・ジョーンズ、サイード──キルクリフFCの皆が、僕をファイティング・ビーストにしてくれた。全ての準備はできていた。正直に言えば、初回はパンチを貰うのが怖かった。どういう反応をすれば良いか分からなかったんだ。でも、何度かパンチが届き『大丈夫だ。やれる』と思った」と試合を振り返り「フロリダに移り住み、ずっとキルクリフで練習し、家族や近しい仲間と会話を続けた。もっと高いレベルに進化するために必要だったんだ。これから、もっと強くなれる。レオン・エドワーズが誰と戦うのか知らないけど、世界王座を目指す。そのためにトップ5と戦いたい。これからも毎日、成長する」とトップ戦線への浮上を宣言した。


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