【UFC184】拳だけじゃない、驚異の蹴り技を持つボクシング13冠ホルムのオクタゴン初陣
【写真】拳にばかり気を取られていると、怖いが蹴りが待っている。ホーリー・ホルム、待望のUFCデビュー戦だ (C)GONGKAKUTOGI
28日(土・現地時間)、カリフォルニア州ロサンゼルスのステイプル・センターで開催されるUFC184「Rousey vs Zingano」。メインはロンダ・ラウジーの持つUFC世界女子バンタム級王座にキャット・ジンガーノが挑む一戦が組まれている。
豊富なタレントが集結する女子バンタム級。今大会のメインの勝者に絡んでくるビッグネームとして、(バンタム級転向が可能であれば)大会前日にInvicta FCで女子フェザー級王座防衛戦が控えるクリス・サイボーグと並び、今大会で待望のUFCデビューを果たすホーリー・ホルムの名前が真っ先に挙げられる。
本来は昨年12月のUFC181でオクタゴンデビューを果たす予定だったホルムだが、負傷欠場。彼女と戦うはずだったラケル・ペニントンは、代役出場のアシュリー・エヴァンズスミスをブルドックチョークで失神させ、改めてホルムと対戦することとなった。
女子柔道五輪銅メダリストのロンダ、女子レスリング五輪銀メダリストのサラ・マクマンに続き、他競技でワールドクラスの活躍をしてきた第3の女がホルムだ。実に女子ボクシングで世界13冠、MMAでは7戦7勝だがボクシングでは38戦33勝2敗3分というとんでもないレコードを残している。
ただし、MMAにおけるホルムの武器は2つの拳だけではない、ボクシングに転向する前に3試合の実戦経験を持つキックボクシングが、とんでもない威力をケージ内で発揮している。サウスポーの構えから右足のサイドキック、そして右足の前蹴りで距離を取ると、当然のように卓越したボクシングテクニックで対戦相手の顔面を狙う。
ホルムのパンチを意識しすぎ、右ジャブをバックステップで下がろうものなら、その動きの先を行く強烈な左ミドルで蹴り込むことが、ボクシング界の女帝は可能だ。さらにいえば、右フックの威力に負けて、頭を大きく右側にずらそうものなら、旋回してきた左ハイキックの餌食となる。拳の圧力があることで、スピードに乗った蹴りがより有効になる。また、打撃戦を嫌がり組んできた相手のテイクダウンなら余裕を持ってスプロールし、首相撲からヒザで応えることも容易い。
TUFシーズン18出演、ロクサン・モダフェリも勝利しておりオクタゴン2勝1敗の戦績を残すペニントンだが、ホルムと比較するのは気の毒。ただ、前に出るとパンチを被弾してしまう。ただし、下がると続く蹴り技が飛んでくる。打ち勝つ、パンチには下がって、蹴りには前に出て間合いを潰す──、そんな言うは易く行うは難しという表現がピッタリと言い当てはまる動きを見せない限り、ラケルがホルムに勝利するのは本当に難しいだろう。
■ UFC184対戦カード
<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ロンダ・ラウジー(米国)
[挑戦者] キャット・ジンガーノ(米国/1位)
<女子バンタム級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国/12位)
ホーリー・ホルム(米国/13位)
<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・エレンバーガー(米国/11位)
ジョシュ・コスチェック(米国)
<ウェルター級/5分3R>
アラン・ジョバーン(米国)
リチャード・ウォルシュ(豪州)
<ライト級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
グレイゾン・チバウ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
マーク・ムニョス(米国/13位)
ホアン・カルネイロ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
ロマン・サラザール(米国)
山本 “KID” 徳郁(日本)
<ウェルター級/5分3R>
ディエゴ・リマ(ブラジル)
ティム・ミーンズ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
デリック・ルイス(米国)
ルアン・ポッツ(南アフリカ)
<ライト級/5分3R>
ジェイムス・クラウス(米国)
バウミウ・ラサーロ・ビドゥ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
マシオ・フーレン(メキシコ)
アレックス・トーレス(コロンビア)