【Glory03】番狂わせを見せることができるか?? キリア&ダルベック
【写真】ペトロシアン大本命のトーナメントで、若い力がどこまで台頭するのか。ダビッド・キリアとサニー・ダルベックに期待だ (C) GLORY
3日(土・現地時間)にローマのパラマット・マティカで行われるGLORY03 ROME「Final8」。GLOLY WORLD SERIES 70kg Tournamentは8人制ワンナイト・トーナメントながら、シード選手4名と、残り4名が分けられてトーナメント枠が決定したため、ワンマッチ以上、K-1流トーナメント以下の番狂わせ発生率となることが予想される。
そんな70キロGLORY最強決定トーナメントを無風に終わらせない可能性のある2人の若いファイターが存在する。オランダ在住のグルジア人ダビッド・キリアと、スウェーデン人サニー・ダルベックだ。1988年生まれ、24歳のキリアと実に1991年生まれで21歳のダルベック。
日本で馴染みのファイターでいえば、若い若いといわれていたアルトゥール・キシェンコですら今年で26歳、ダルベックに至ってはK-1甲子園世代と変わりない。そのキリアは同門のセーム・シュルトが「70キロの自分だと思ってもらっていい」と太鼓判を押す実力の持ち主だ。5月のトーナメント1回戦ではWBCムエタイ世界スーパーウェルター級王者で、元ラジャダムナン・スーパーフェザー級王者のケム・シッソーピノーンからダウンを奪って判定勝ちを収めている。
オーソドックスの構えから、両手を差し出し、視線を塞ぐかのような形から左ハイを繰り出したキリア、フルコンタクト空手出身者の面目躍如、今時のキック界では珍しいファンタジーを感じさせる動きだ。アッパーや伸びのある右ストレートを見せるなど、蹴りだけでなくパンチにも十分対応しているキリアだけに、ラッシュ系のシェムシ・ベキリを相手にすれば受けの強さも見せそうだ。
一方、ダルベックは日本のシュートボクシングで活躍し、かつてはK-1 MAX欧州予選を制しているウォーレン・スティーブルマンスからダウンを奪って初戦を勝ち抜いている。急遽代役出場となったスティーブルマンスとはいえ、21歳になったばかりのダルベックが、サウスポーの構えから左フックでダウンを奪ったシーンは鮮烈だった。
178センチ、長身のサウスポーは左の蹴りで距離を測るムエタイ・ベースのファイターで、厳密にいえば反則だが、要所で足払いを見せるなど、相手のペースを狂わせる術に長けている。そのダルベックは準々決勝でK-1 MAX初代王者のアルバート・クラウスと戦うわけだが、老練さを増しているクラウスに対し、接近戦の対処の仕方次第で十分に勝ち上がる可能性を持っている。
首相撲とヒザの許容範囲が、レフェリーにとって曖昧さも残るGLORYだけに、そのグレーゾーンを21歳の若いダルベックが上手くつくことができれば――。離れては左の蹴り、距離が近づく際のカウンター、そして接近戦でのヒザで2試合連続の金星を挙げることも、決して難しいことではないと予想される。
■Glory03 GWS 70kg Tournament組み合わせ
<GWS70キロT決勝/3分3R>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
カイ・ホーレンバック(米国)
<GWS70キロT準決勝/3分3R>
シェムシ・ベキリ(スイス)
ダビッド・キリア(グルジア)
<GWS70キロT準決勝/3分3R>
ロビン・ファン・ロスマーレン(オランダ)
ティム・トーマス(英国)
<GWS70キロT準々決勝/3分3R>
アルバート・クラウス(オランダ)
サニー・ダルベック(スウェーデン)
<GWS70キロT補欠戦/3分3R>
佐藤嘉洋(日本)
ジャバル・アスケロフ(ロシア)
<GWS70キロT補欠選/3分3R>
ファビオ・ピンカ(フランス)
アレッサンドロ・カンパーニャ(イタリア)