この星の格闘技を追いかける

【on this day in】3月08日──2014年

Glory 14. Zagreb, Croatia. March 8th, 2014【写真】この3カ月半前にジョルジオ・ペトロシアンを破ったアンディ・リスティが、 ダビッド・キリアに敗れた。キックの70キロはもっともっと面白くなるかと思われたが……(C)GLORY

GOLORY14
@クロアチア・ザグレブ、アレナ・ザグレブ
「ジョルジオ・ペトロシアンをKOし、ライト級トップの座に君臨したばかりのアンディ・リスティがダビッド・キリアのフックの猛攻に崩れ、序盤の攻勢を維持することなく敗れた。6年間無敗だったペトロシアンを倒したリスティの呆気ない敗北──(旧)K-1と魔娑斗無きあとのキックボクシング界の70キロ級は、これから面白くなると期待に胸を膨らませた立ち技ファンも少なくないはずだ。K-1とIt’s Showtimeを受け継ぎ、キック界の盟主となったGLORYに掛かる期待も同じだった。キックをビジネスとして成立させるために米国進出を目論んだGLORY、SPIKEでの中継も有り、当然のように米国人の関心を呼ぶには、米国人選手の登用が不可欠になる。ただし、世界中に存在するキックファンからすれば、米国人キックボクサーは二流でしかない。K-1にもIt’s Showtimeにも米国人ファイターなんていなかった。あれから1年、GLORYは普通の日本人だと名前も知らない米国の小さな街のカジノでイベントを続けている。NFL、MLB、NBAやNHLはビッグビジネスであると同時に、世界で最高水準を誇る質の高いゲームとプレイヤーが存在する。UFCだって同じだ。GLORYは違った。ただ、僕は彼らの失策を他人事のようには思えない。ファンドで巨万の富を得たフランス人、ピエール・アンデュランドと陣営が米国進出を強固に推し進めた背景には、日本格闘技界も関係している。ピエールはK-1とPRIDEが存在した日本の格闘技界を復興させることが、自身のビジネスに良い結果をもたらすと考えていた。結果、2度、3度とパートナーが変わった。その詳細はここでは書かない。でも、一昨年の12月、GLORY日本大会の前夜、ピエールが『この国では誰を信じればいいんだ』と吐き捨てるように言い放ったことだけを、記しておきたい。その選択が彼のWRONG DECISIONだったとしても……」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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