【UFN51】前に出るしかないオルロフスキーに対し、選択の幅があるペイザォン・シウバ
【写真】ある意味、瀬戸際。そして崖っぷち対決といえるペイザォンとオルロフスキーとの一戦だが、戦いの選択肢はペイザォンの方が多い (C)GONGKAKUTOGI&MMAPLANET
13日(土・現地時間)、ブラジルの首都ブラジリアのジナーシオ・ニルソン・ネルソンで開催されるUFN51「Silva vs Arlovski」。大会名にある通り、メインはヘビー級戦=アントニオ・ペイザォン・シウバ×アンドレイ・オルロフスキーの一戦が用意されている。
20日(土・同)の日本大会のメインでロイ・ネルソンと戦うマーク・ハントとの激闘から9カ月。歴史に残る名勝負をテストステロンの使用で台無しとしてしまったペイザォンが、禊の一戦を母国で行う。対戦相手のオルロフスキーは、WSOFや母国ベラルーシでの活躍から6月にオクタゴン復帰を果たし、これが2試合目となる。
そのオルロフスキー、スプリット判定勝ちを収めたブレンダン・シャウブ戦では徹頭徹尾、様子見と単発な仕掛けに終始し、非常に手数が少ない試合となった。当然、評価は散々なモノで自らもツイッターで謝罪するなど、自責の念すら感じさせた試合から、仕切り直しのペイザォン戦を迎えることとなる。
元UFC世界ヘビー級王者、UFCリリース後は皇帝エミリヤーエンコ・ヒョードルをあと一歩というところまで追いつめたオルロスキーだが、その後はStrikeforceで3連敗、プロ・エリートでは連勝を飾ったものの、ONE FCでティム・シルビアとはノーコンテスト。WSOFでは2勝1敗、よくUFCが再契約を果たしたという活動内容だった。オクタゴンでの成功により、非UFCのトップ所を渡り歩いたオルロフスキーの印象は、とにかく打たれ弱くなってしまったということ。よって、シャウブ戦のように相手の攻撃を警戒したファイトになるのも理解できる。
それでもKOパワーを持っている点に期待された――というよりも、打ち合いのなかで倒すか、倒されるという試合になることをズッファは彼に求めたという見方も成り立つ。そんなオルロスキー同様、ペイザォンも過去3つの敗北は全てTKO負けと打たれ脆くはなっている。ただし、その打たれ弱さを抱えながらも、ペイザォンはスイッチ、そして蹴りの頻度を高め、新たなスタイルを構築した。結果的にハント戦は魂の殴り合いに発展したが、それは勝つための手段であり、派手なファイトで一発狙いという戦いでなかったことは確かだ。
相手を倒す力と、倒される脆弱さを持つなかで、前に出ることをためらったオルロフスキーと、戦術をもって倒しにいけたペイザォン。あとのないオルロフスキーが、どのようなスタンスでペイザォン戦で勝負を懸けるのか。一か八かの殴り合いの持ちこむ可能性は決して低くないはずだ。そして、その前進力がペイザォンの足技の制空権を破ることができるのか。ペイザォンにはいなしても勝てる技術がある。打ち破ってなお、リスクの高い選択をして、初めてオルロフスキーには勝機は見えてくる一戦となりそうだ。
■ UFN51対戦カード
<ヘビー級/5分5R>
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル/4位)
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ/14位)
<ライト級/5分3R>
グレイゾン・チバウ(ブラジル)
ピヨトル・ホールマン(ポーランド)
<ライト級/5分3R>
レオ・サントス(ブラジル)
エフライン・エスクデロ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ(アルゼンチン)
ヴェンデウ・オリヴェイラ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
ユーリ・アルカンタラ(ブラジル/7位)
ラッセル・ドーン(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル/10位)
ラリッサ・パチェコ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
ゴドフレイド・ペペイ(ブラジル)
ダション・ジョンソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
イゴール・アラウージョ(ブラジル)
ジョージ・サリバン(米国)
<ライト級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド(ブラジル)
レアンドロ・シウバ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
パウロ・チアゴ(ブラジル)
ショーン・スペンサー(米国)
<バンタム級/5分3R>
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)
ジョニー・ベッドフォード(米国)