【出稽古紀行US】03:伊藤健一@Cooler
チーム・カルバーシティ(仮称※水垣偉弥、日沖発、漆谷康宏、久米鷹介、伊藤健一)の5人の米国出稽古紀行、第3弾は20日(金・現地時間)、アトランタ郊外アルファレッタのアイススケートリンク「Coller」に併設されたフィットネス・エリアの練習場から。
【写真】壁レス、ザッツ米国MMAを堪能する伊藤健一 (C) MMAPLANET
ここでは元WEC世界ライトヘビー級王者、現UFCミドル級戦線で活躍するブライアン・スタンの下、アトランタ周辺から、プロMMAファイターが集まり、合同練習が行われている。
ウォーミングアップから、シルバースター勲章を受けた戦火の英雄のリーダーシップに引っ張られるように、打ちこみ、壁レスリング2種類、そして寝技のスパーなど45分間のトレーニングは、ほぼノンストップで終了。非常に濃密な練習を経験した彼らから、RINGS&ZSTファイター=伊藤健一の感想を訊いた。
――ブライアン・スタンのリーダーシップの下、非常にテンポの良いトレーニングが行われ、伊藤選手もかなり充実した表情を浮かべていました。
「控え室、ジムがザ・アメリカっていう感じでキレイで興奮しました。練習に関しては、最高の一言で、まだ2日目なので何とも言えないですけど、米国ではこういう練習をしているのかなと思いました。単純に楽しかったです。
ブライアン・スタンが最高でした。UFCでも特に気になる存在ではなかったのに、次から絶対に応援します(笑)。雰囲気が隊長そのものだし、雰囲気も映画俳優みたいで恰好良かったです」
――練習中にも、伊藤選手はよく声がでていました。
「ハイになっているのもあったのですが、米国に来る前に太りすぎていて大きな選手ばかりと当てられていたのが、同じ階級に近い人たちと攻防ができて楽しかったです。自分はZST、RINGS系なので、ああいう壁レスリングのような技術が足りなかった部分です。タクミ戦以降、そういう技術を学んできたので、その成果が感じられて良かったです。
重い階級の人には通じないですが、バンタム級とか同じ階級の人とはやれたし、足関節も取れたんで(笑)。別に有名な選手とやったわけではないのですが、ここまで効率的な練習ってあるんだなって感じました。立ち上がってトップキープすることに徹底していますね。
自分は日本人なので、フィニッシュを狙うという僕らの長所と彼らの徹底した部分を融合させていくことで、また日本人が勝てるようになるチャンスなんじゃないかと感じました。今日に限っては、知らないですが、フィニッシュの練習はなかったですし」
――米国を知り、日本流にアレンジしていくことが世界と対戦することで欠かせないですよね。
「あのシチュエーションスパーのなかで、フィニッシュを入れるという部分を意識することも大切だと改めて思いました。ただ、ブライアン・スタンが打ち込みとはいえ、外掛けヒールからのスイープを指導しているのが、凄く衝撃的で……。ああいう試合では絶対見せない部分を練習ではしっかりとこなしている。
【写真】米国流を知って、日本の良さとの融合。伊藤は常に極めを意識して、スパーに臨んでいる(C)MMAPLANET
上からパウンドの人だと思っていたのが、バタフライガードからヒールって(笑)。でも、日本人の良さは絶対にあるし、フィニッシュを狙うという勝ち方がまた巡り巡って必要になる時が、また訪れると思います。日本人が勝つっていう要素を凄く考えてしまいます」
――ところで、今回のメンバーとこれまで一緒に練習したことは?
「発君とは雑誌の取材の手伝いで一緒し、漆谷さんとは少しあります。僕が一番実績がないので、何かみんなの役に立てればと思います」