【BFC64】アスクレン、王座防衛の鍵は組む前の打撃
6日(土・現地時間)にカナダはオンタリオ州ウィンザーのシーザース・ウィンザーで行われるベラトールFC「Bellator64」。ついにバンタム級トーナメントが始まり、日本から上田将勝、中村アイアン浩士が出場し、メインではBFC世界ウェルター級選手権試合が組まれている。
【写真】打撃でプレッシャーを与えることなく、遠い距離からテイクダウンを仕掛けるなら、潰されるばかりでなく、ドゥグラス・リマのヒザを受ける可能性も…… (C) Keith Mills
北京五輪フリースタイル・レスリング米国代表、指が一本ヒザの裏に掛かればテイクダウンが可能といわれるアスクレン。キャリア3戦3勝でBFCのトーナメント予選に出場し、シーズン2ウェルター級トーナメント出場権を得る。トーナメント優勝後、ライモン・グッドの持つBFC世界ウェルター級王座に挑戦し、タイトルを奪取。ニック・トンプソンとのノンタイル戦を経て、ジェイ・ヒエロンを相手に王座初防衛に成功――、それでいてまだキャリアは10戦未満のチャンピオンだ。
ヒエロンとの初防衛戦では、なかなか前に出てこない相手からテイクダウンを奪うのに苦労する場面も見られた。レスリングベースのヒエロンは、テイクダウンディフェンスに長けているだけでなく、距離をキープする打撃を繰り出して戦った。アスクレンは自らの打撃で、組みつくプロセスについては、それほど引き出しが多くないことを露呈してしまった。
【写真】相手の攻撃を見切る部分でも、優れているリマ。アスクレンの打撃が荒いままだと、カウンターの恰好の餌食になってしまう(C) KEITH MILLS
挑戦者ドゥグラス・リマは、柔術家でありながら非常に優れた打撃の持ち主で、倒す打撃とポイントアウトを狙った打撃、両方を使いこなすことができる。優勝したシーズン5トーナメント=スティーブ・カール戦では、距離を取って、打撃戦に持ち込ませない打撃で勝ち、準決勝では打ち合いを望むクリス・ラザーノをパンチで待ち受けてKO勝ち。
決勝のサンダース戦では、しっかりと試合を組み立て、打撃で削ったうえでのTKO勝利と、対戦相手や戦う状況によって戦い方を変える試合巧者振りを見事に発揮した。キャリアも21勝4敗と、王者の3倍近い経験値を誇るチャレンジャー。
アスクレンはガードが低く、胸の開いた強引なフックから組みつこうとするが、組みにいくまでの部分で、完成度の高い打撃をルーファス・スポーツで身につけていないと、非常に厳しい2度目の防衛戦となることが予想される。
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■BFC64 主な対戦カード
<BFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ベン・アスクレン(米国)
[挑戦者]ドゥグラス・リマ(ブラジル)
<フェザー級トーナメント準決勝/5分3R>
マルロン・サンドロ(ブラジル)
アレッシャンドリ・ベセーラ(ブラジル)
<バンタム級トーナメント準々決勝/5分3R>
上田将勝(日本)
トラビス・マークス(米国)
<バンタム級トーナメント準々決勝/5分3R>
中村アイアン浩士(日本)
ホドリゴ・リマ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
クリス・ホロデッキー(カナダ)
マイク・リッチマン(米国)