【TUF BR03】ドスサントスの代役は鉄の心を持ったマルドナド
【写真】ボクシングで圧倒的な強さを見せるマルドナドだが、決してワンディメンショナルなファイターではない (C)GONGKAKUTOGI
ジュニオール・ドスサントスの代役はファビオ・マルドナドに。6日(火・現地時間)、UFCより31日(土・同)にブラジル・サンパウロのジナーシオ・ド・イブラプエラで開催されるTUF Brazil03 Finaleのメインを負傷欠場するシガノ・ドスサントスに代わり、マルドナドがスタイプ・ミオシッチと対戦することがUFCから発表された。
マルドナドは1980年3月生まれの34歳、MMAキャリアは21勝6敗で、UFCでは4勝3敗というレコードを残している。オクタゴンでは2戦目から3連敗を喫しているが、カイル・キングスベリー戦はファイト・オブ・ザ・ナイト、グローバー・テイシェイラ戦はどれだけ劣勢でも拳を振るい続け、テイシェイラをたじろがせる場面もあり、高い評価を得ていた。プロボクシング戦で22戦22勝21KOという戦績を持つように、拳の交換には絶対の自信を持っている。特にマルドナドの接近戦での強さは誰もが認めるところだ。ただし、MMAはMMA。足への組みがある点で、距離感がボクシングと別モノになってくる。
彼のパンチが当たる距離は、相手のテイクダウンの距離でもある。先のジャン・ヴィランテ戦でも2Rと3Rは打撃で圧倒できたが、初回はテイクダウンを許しグラウンドで試合を支配されていた。ここを凌ぎ、打撃のプレッシャーでヴィランテを追い込んでいくことができたマルドナド。柔術も茶帯でハーフガードから潜りなど巧妙な動きも見せているが、とにかく組み&寝技から如何に早く解放されるかが、この試合でも勝負の鍵を握ってくるだろう。テイクダウン能力が高く、パンチの打ち合いにも動じないミオシッチはマルドナドにとって、かなり分の悪い相手になりかねない。
現在31歳のミオシッチは、元D-1レスラーでありながらゴールデングローブを獲得しているボクサーでもある。MMAキャリア11勝1敗のうち7試合が、パンチによるKO勝ちとなっている。ロイ・ネルソンに圧勝したパンチ力、特に右ボディの強さは特筆するものがある。とはいっても、ミオシッチはマルドナドの庭=ボクシング戦を行う必要はない。至近距離の打撃戦は、リスクが高くなる。打撃の間合いから組んで、倒す。マルドナドにスタンドに戻られても、ミオシッチはパンチのプレッシャーでスタミナ&精神を削られることもない。それだけに打撃の交換はテイクダウンへの布石、そんな戦いを続けることで、拳同様に鉄のように硬いマルドナドの鉄の心を削っていくことができれば、それがミオシッチの勝利に通じてくる。