UFCだけじゃない、IFLも注目の5大王座戦
29日(土・現地時間)に米国で行われるMMA大会は、UFCだけでない。東部コネチカット州アンカスビルのモヒガンザン・アリーナでは、IFL(インターナショナル・ファイト・リーグ)の個人戦ワールドGPファイナルとして5階級の選手権試合が行われる。
【写真】体格的には一回り小さなホロデッキーだが、シュルツを相手にどのようなファイトを見せるか (C) IFL
MMA界初のチーム対抗戦を2年に渡り開催してきたIFL。2008年度からチームでなく、9つのジムの対抗戦に変更され、8度予定されているイベントの全大会で個人戦のタイトルマッチも開くことになっている。
そのタイトルホルダーを決める戦い=ワールドGP、ライトヘビー級は既にウラジミール・マティシェンコがそのベルトを腰に巻いており、29日のモヒガンサン・アリーナ大会では、フェザー級、ライト級、ウェルター級、ミドル級、そしてヘビー級の王者が決定する。
■フェザー級王座決定戦
ヴァグネイ・ファビアーノ(ブラジル)×LC・デイヴィス(米国)
元々ファビアーノはライト級GPに参加しており、準決勝を勝利したが、急遽設立が決定したフェザー級の王座決定戦に挑むこととなった。柔術ベースで寝技に絶対に自信の持つファビアーノ、対するキャリア無敗のデイヴィスは、レスリングのキャリアを活かしテイクダウンを阻止し、スタンドの打撃で勝利を目指す。
■ライト級王座決定戦
クリス・ホロデッキー(カナダ)×ライアン・シュルツ(米国)
ファビアーノの代役シャド・ライルレー、その代役のシュルツと対戦するのは、IFLが生んだヤングスター=ホロデッキーだ。卓越した打撃センスを誇る20歳のホロデッキーは、昨年シュルツをTKOを下しており、自信を持ってこの一戦に挑むであろう。ただし、シュルツも一時はライト級のランディー・クートゥアーと謳われたレスリング出身のファイターで、打撃中心で戦ってきたホロデッキーにとって、タックルにこだわれると嫌な相手になるだろう。
■ウェルター級王座決定戦
デウソン・ペジシュンボ(ブラジル)×ジェイ・ヒエロン(米国)
この対戦もフェザー級同様に柔術家のブラジル人ファイターと、レスリングとボクシングをミックスした米国人選手の対決となる。リング+エルボー禁止のIFLのリングでも、スタンドの打撃全盛に変わりはないが、その中でペジシュンは参戦当初は判定勝ちも多かったが、ここ3つの勝星はサブミッションで手にしてきた。いかにペジシュンボがグラウンドに持ち込むか、勝負の鍵はスタンドの組み技にある。
■ミドル級王座決定戦
ベンジー・ラダック(米国)×マット・ホーウィッチ(米国)
2007年、IFLにデビューするまでアゴの負傷もあり、一時期MMAから離れていたラダック。IFLでは実に5連勝中で、全ての試合でTKOもしくはサブミッションで勝利している。ノースウェスト地区のATTに所属するようになった彼は、アナコンダの一員として活躍してきた穴のないトータルファイター。一方のホーウィッチも同じくパシフィック・ノースウェストの名門チーム・クエストに所属し、IFLではウルフパックに所属してきたグラップラーだ。勢いはラダックにあり、ホーウィッチの勝利には一発の極の強さが求められる。
■ヘビー級
アントニオ・ジャウジ(ブラジル)×ロイ・ネルソン(米国)
ブラジルには珍しいレスリング・ベースのジャウジと、柔術茶帯で数々のグラップリング・コンペティションを制してきたネルソンの一戦は、いかにトップポジションを奪うか、その前段階、つまりは立ち技の攻防が大切になってくるだろう。
このほか、3試合行われるアンダーカードでは、ウェルター級戦に出場するローリー・マルカムに注目したい。ブレット・クーパーと対戦するパット・ミレティッチの愛弟子は、29日に誕生する新王者への挑戦に一番近いファイターといえる。