【Interview】JZ・カバウカンチ、「今の僕はTOP10でない」
10月7日(金・現地時間)、8日(土・同)の両日にヒューストンで開催されたUFC FAN EXPO。その会場で懐かしい顔に出会った。ファンの記念撮影に気軽に応じるJZ・カバウカンチ、その人である。
【写真】JZの左はK-1やイッツショータイムで活躍するタイロン・スポーン。ブラック・ジーニアスに合流し、打撃の指導を行うとともに、自らのMMAマッチも視野に入れる (C) MMAPLANET
日本ではJZ・カルバンの名でHERO’SやDREAMで活躍した彼は今、ストライクフォースを舞台に、米国でキャリアの再構築に取り掛かっている。
――JZ、日本のファンにもご無沙汰になっています。ATTを離れた後、どのような状況で練習しているのか教えて頂けますか。
「ATTは離れた後、僕はジョルジ・サンチアゴ、ダニーロとユーリのビルフォート兄弟、ラシャド・エヴァンズ、マイク・アースデイルらとインペリアル・アスレチックのなかでチームを作った。僕らの間では、ブラック・ジーニアスって呼んでいるんだ(笑)。
練習を皆で始めたとき、『お前は黒人?それともブラジル人?』っていう冗談を言うようになって。チームは最初4人のブラジル人と3人の黒人ファイターで練習していたからね。もちろん、黒人とブラジル人だけのチームじゃなくて世界中から、フロリダのボカレイトンにはファイターが集まってきているからね(笑)」
――ところで米国に戻り、これまでストライクフォースで2試合を終え1勝1NCという結果ですが、JZ自身ではそのパフォーマンスをどのように評価していますか。
「悪くはないと思っている。ジャスティン・ウィルコックス戦はノーコンテストに終わってしまったけど、1カ月後にはKOTC王者のボビー・グリーンと戦うチャンスを得て、勝つことができたからね。
徐々に以前のフィーリングも戻ってきているし、自分でもこれからに期待している。だから、このままコンスタントに試合に出て、勝ち続けたいと思っている。そして、またトップ戦線に戻りたい」
――ストライクフォース・ライト級のトップ、世界王者ギルバート・メレンデスが、ダナ・ホワイトからラブコールを受けています。
「そうだね。ストライクフォースの今後が、どうなっていくのか僕らには分からない。SHOWTIMEもイベントを続けたいと思っているかどうか……。
ダナのギルバート・メレンデスへのラブコール云々よりも、僕たちはストライクフォースが今後、どうなるのか、そこを見極める必要がある。まぁ、チャンピオンが他のイベントに何もなく移るっていうのはクレイジーな状況だけど、まぁ、どうなるか事態の流れを見て行くよ。
ニック・ディアズにダン・ヘンダーソン、どんどんチャンピオンがいなくなるし、ファブリシオ・ベルドゥムもUFCに行くんじゃないかって聞いているよ」
――そうなるとJZも、UFC行きを考えないわけにはいかないですね。
「もう同じ会社のイベントなんだからね。そういう風に思うのはしょうがないよね。何よりもUFCは最高の大会を開催している。ギルバートは世界で1位か2位だ。その彼をUFCがラインナップに加えたいのは当然だろう。
ケージのなかに入ってしまえば、ファイターは戦うことに集中するけど、やっぱりイベントの規模は、僕らにとっても重要な要素になってくる。
誰だって、世界で一番のプロモーションで長く活躍し続けたいと思うよ。いずれにせよ、僕は米国でキャリアのリスタートを切ったばかりだから、しっかりと勝っていかないといけない」
――JZは今、自分自身がライト級のトップ10に入っていると思いますか。
「ノー、僕はトップ10じゃない。僕は自分の位置を冷静に見ることができる。UFCだろうが、ストライクフォースだろうが、まずはトップの一人に戻らないといけない。
UFCが2月に日本大会を開くじゃないか。可能でれば、12月にストライクフォースに出場できて、その試合で勝ち、日本で戦うことができれば最高だね。JZ・カバウカンチというファイターは、日本で育てられたようなものだからね。UFCとともに日本に戻ることは僕の夢だよ」