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【Lemino Shooto09】中島陸、再起戦で足関アーティスト須藤拓真と激突「崩れてしまった幻想を立て直す」

【写真】高校卒業後、明らかに喋ること=自分の意思を伝えることも成長した19歳(C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(月)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるLemino Shooto09で、中島陸が須藤拓真と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

中島は今年7月、バンタム級サバイバートーナメントリバイバル準決勝で齋藤奨司と対戦。初回こそ取ったものの、2Rから盛り返されて判定負けを喫した。プロデビュー以来の無敗街道もストップしたものの、プロデビューから2年の19歳が元世界王者を相手に見せたファイトは、評価されるべき内容だったはず。そんな試合から2カ月、再起戦を前に中島が齋藤戦を振り返りながら、あの激闘から得たものを語る。


キッズ修斗とジュニア修斗をやっている子たちが『これをやっていれば勝てるんだ』と思ってくれるような試合を見せたかったです

――「バンタム級サバイバートーナメントリバイバル」は準決勝敗退となりましたが、続いてLemino修斗に出場することとなりました。

「はい。6月からdドリームスポーツ&マネジメント様(※THE BLACKBELT JAPANとともにLemino修斗の主催を務める)とプロ契約させていただきました。やはり責任感というか、メチャクチャ頑張なアカンなという気持ちは高まっていますね」

――ただ6月というと契約後初戦となった前回の試合は……。

「完敗でした。今までの人生で一番悔しかったです」

――完敗、ですか。判定負けを喫したものの1Rは取っており、「完敗」という印象はありませんでした。自身が完敗だと思う理由を教えてください。

「1Rは自分のラウンドだったと確信しています。でも2~3Rで下になってしまい、上からコツコツと当てられるだけの展開が続きました。自分は反撃できなかったことはダメやったなって思いますね」

――齋藤選手も1Rを取られたと思ったからこそ、2Rにギアを上げてきたのでしょう。そして迎えた最終回、中島選手が序盤に引き込んだ時に「押し負けている」という印象を受けました。

「それが……自分はキッズ修斗からやってきて、引き込んで下から極めるということを成功させてきました。だから自信もあったんです。ただ、アマ修斗でも負ける時は引き込んで下になった時で――それでも前回の試合で引き込んだのは、メチャクチャ自信があったんですよ。あとから見たらダメですけど、あの時の自分自身としては良い選択をしたと思っていました」

――あれだけ齋藤選手が前に出てくるからこそ、正面でやり合うよりは……と。

齋藤戦、3Rの引き込みは中島にとって大きな意味を持つものだった(C)MMAPLANET

「引き込んだほうが勝機はある。引き込んで極めるつもりでした」

――しかし中島選手が引き込もうとしたところを、齋藤選手が突き放した。つまり引き込みを見抜かれてしまっていたのかもしれません。

「きっと自分が焦って引き込もうとしすぎたんですね。それで相手に読まれてしまって」

――以前にキッズ修斗とジュニア修斗を見た時は、引き込んで腕十字を極めるか、形に入って見込み一本を取る試合が多かったです。これだけ上を取ることが重要視される現在のMMAにおいて、その引き込みが有効かどうかはキッズ&ジュニア修斗を戦った選手たちが証明していかないといけない。アマチュア修斗に関しては、斎藤裕選手がYA-MAN戦で「アマ修斗で培ったもの」を見せてくれました。とても素晴らしい試合内容だったと思います。

「あぁ、なるほど。よく『今のMMAでは引き込んではいけない』と言われますけど、決してそうだとは限らない。自分がプロでも同じ形で極めるのを成功させることで、今のキッズ修斗とジュニア修斗をやっている子たちが『これをやっていれば勝てるんだ』と思ってくれるような試合を見せたかったです」

練習では組みの状態で疲れることなく、差し合いで競り勝つことが増えてきています

――その引き込みを防がれるほど、齋藤選手のプレスは強かったと思います。2R以降、あれだけアタックしてくることは想定できていましたか。

「あれは想定内でした。自分は1Rでフィニッシュするつもりやったけど、もちろん3Rまで戦うことも意識していて。たとえ自分が1Rを取ったとしても相手は2R、3Rと絶対に前に出て来る。その展開を想定した練習も、しっかりやっていましたし」

――となれば、2Rをどうするかが重要になってきます。日沖発さんは「MMAの場合は2Rを取ったほうが3Rも取るという傾向は多い」と仰っていました。

「2R終了後のインターバルで『ここで盛り返さなアカン』と考えていました。1Rと2Rを取り合っていると思っていたので、次のラウンドで極めるか圧倒的な差を見せる、と」

――結果、3Rも齋藤選手が押さえて中島選手は破れた。ただ今にして思えば、この時点で齋藤選手と対戦できたことが、何よりも今後のキャリアにとって一番大きいのではないでしょうか。

「はい! 試合はやっぱり勝ちたかったです。勝って決勝に進んで、トーナメント優勝したかったです。でも相手のホームみたいな場所で、自分としてはアウェイの環境や、自分がやっちゃいけないこと、負けの感情とか全部知ることができました。すぐに気持ちを切り替えて、今までよりもさらに気持ちは高ぶっていますね」

――ではあの敗戦から、自分は何をしなければいけないと思いましたか。

「皆さんからプロスペクトと呼ばれたり、幻想を抱いていただいていました。前回負けたことで、その幻想も崩れてしまったと思います。そんな僕が次やるべきなのは、崩れてしまったものを立て直すこと。また皆さんの中で幻想や理想を築いていってもらえるように――次の試合で全て立て直せるわけじゃないです。でも再スタートを切れるように、しっかり土台をつくっていきたいですね」

――崩れてしまったものを立て直すためには?

「前回の試合は、差し合いがキーポイントになったと思います。しっかりと差し合いを鍛えたり、打撃のディフェンスとオフェンスも学んできました。あとは極めきる能力も高めています。だから全体的な部分ですけど、そのなかで言えば、やっぱり差し合いです」

2Rの差し合い。齋藤戦から得たもの――妥協しない、シンドイことをするという気持ちは何よりも大切だ(C)MMAPLANET

――これまでは練習でも試合でも、中島選手の体格や技術があれば、組めばすぐに自分が差し上げることができたでしょう。

「そうですね(苦笑)。それが前回の試合では組みに行っても、しっかり切られてしまう。今までの試合と比べても一番厳しかったです。だから練習では、テイクダウンに行って切られたあと差し合いで五分五分になった状態から、自分が差し合いで勝てるかどうか。これまでは五分五分の差し合いになると、疲れたくないので自分から離れることもありました。でも今は、どんなにシンドイ時でも差し合いをするという意識を持っています」

――そうした改革の成果は実感していますか。

「はい。前回の試合が終わったあと、差し合いについて先生(北川純ゴンズジム代表)に教わって練習してきました。おかげで組みの状態で疲れることなく、差し合いで競り勝つことが増えてきています。自分より体格が大きい相手でも、差して組むことができて――自分は組んだあとは自信があります。倒してバックマウントを取ることもできるようになっていて、さらにパワーアップしていますね」

相手の得意なところには入らない。ディフェンスしながらでも自分の得意なところで極めます

――なるほど。そのお話を聞いておいて何ですが……次の対戦相手との試合は、差し合いの展開にならないかもしれません(苦笑)。

「アハハハ、足関の選手ですよね。6月に同じ大会に出ていて、試合を見てもそこまで怖さはなかったです。オファーが来た時は、自分が再スタートを切るための最高の相手やなって思いました。自分のテリトリーで戦う。相手には一切付き合わへん。自分がやりたいことをやる――僕と似たようなものを感じて」

――中島選手と須藤選手が似ている、というのは?

「僕は組んでバックを取る展開が多いですよね。周りからもそういう選手やと見られていると思います。もちろん何でもできますけど、極めるという目的は一つで。だから須藤選手が相手でも、極めてやるつもりでいます」

バックテイク、引き込み、カウンターのサブミッションなど狙う極め方は様々。齋藤戦は1Rのチャンスを掴むことはできなかったが、この経験を次に生かす(C)MMAPLANET

――極めるための方法論やスタイルの違いはありますが、互いに試合で目指すゴールは同じですね。須藤選手の場合は極めるまでのパターンが多彩で、まだまだ見せていない入り方がありそうです。

「自分が想像していない入り方をしてきた時、ということですよね。実はウチのジムにもそういうタイプの人がいて、あと有本(亮我)さんも相手の真似をしてくれています。試合が決まってから、いろんなやられ方をしてきました。その点に関してはもう何も怖くない、どんな入り方をしてきても自分は逃げることができます。

トリッキーな形で入ってこられた時に逃げられないのは、自分が安心しきった時とか、何も考えていない時なんですよ。だから『ここで気づいて良かった』という練習をしていて、とにかく相手が仕掛けてきたら全力で切る。相手の形ではやらせません」

――そうなると『アグレッシブではない』という印象を与える試合になるリスクも……。

「正直、おもんない試合でも絶対に勝ちに行きます。そのうえで倒し方、極め方をいろいろ想定していて。相手の得意なところには入らない。ディフェンスしながらでも自分の得意なところで極めますから。ここで勝っても次に即タイトルマッチはないと思いますけど、その次ぐらいにタイトルに絡んでいきたいですね。来年は狙っています」

■視聴方法(予定)
10月19日(月)
午後6時~ Lemino

■Lemino Shooto09 対戦カード

<バンタム級サバイバーTリバイバル2026決勝/5分3R>
齋藤奨司(日本)
野瀬翔平(日本)

<フライ級/5分3R>
山内渉(日本)
シモン・スズキ(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島陸(日本)
須藤拓真(日本)

<バンタム級/5分3R>
カイル・マヨッキ(豪州)
吉野光(日本)

<フライ級/5分3R>
岡田嵐士(日本)
打威致(日本)

<バンタム級/5分3R>
倉本一真(日本)
パク・チウ(韓国)

<フライ級/5分3R>
杉本静弥(日本)
鈴木尊(日本)

<フェザー級/5分2R>
シャランディ(日本)
吉澤ジョアン英司(日本)

<フェザー級/5分2R>
岡田達磨(日本)
有馬鉄太(日本)

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