この星の格闘技を追いかける

【RWS】初ムエタイでベクレフの持つラジャ王座に挑戦。中村寛「あの自信が僕に倒される原因になる」

【写真】試合3日前のインタビューでも一切気負いや緊張を感じさせなかった中村。常に自然体でいられることがこの男の強さだ(C)TAKUMI NAKAMURA

10日(土・現地時間)タイはバンコクのラジャダムナンスタジアムで開催される「RWS KNOCKTOBERFEST」にて、中村寛が同スタジアム認定ライト級(61.2キロ)王者のイゴール・ベクレフに挑戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年RISEで開催された世界トーナメント=RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kgで優勝を果たした中村。一時はONEのロッタン・ジットムアンノンとの対戦をアピールした時期もあったが、RISEと協力関係を敷くRWS(ラジャダムナン・ワールド・シリーズ)路線へ進み、3月・6月にRISEのリングでRWSからの刺客に連勝。その試合内容と結果が評価され、初のムエタイ戦でベクレフの持つラジャ王座への挑戦が決まった。

そんな大一番を控える中村に話を訊くと、その言葉からは一切気負いがなく、自然体のままベクレフ戦に向けて準備していることが伝わってきた。


自分がやりたいことをやるだけ。それをやることで何があっても勝つ、自信があるだけの話

──試合3日前のインタビューありがとうございます(取材日は7日)。タイに入ってから記者会見もあり、お忙しかったと思うのですが、体調やコンディションはいかがですか。

「コンディションはいつも通りという感じで、きっちり調整できています。強いていうなら最後に残ったグラム分ぐらいの汗出しをする場所が決まっていなくて、どういう感じでやろうかなと思っているところですね。サウナや半身浴ができるスパの営業時間と計量時間が合わなくて、ホテルをバスタブ付きの部屋に変えてもらったんですけど、お湯が出ないという(苦笑)。そこらへんはいつもと違う感じはありますけど、油断はしてないですし、体調面やコンディショニング面は問題なく集中してできています」

──6日に記者会見にも参加されて、イベントの盛り上がりや大会の注目度も感じますか。

「それで自分が変わることはなんらないですね。僕が試合をすれば世界どこでも盛り上がると思うので。それで新しいファンがつくのか、いつも応援してくれている日本のファンの方が注目するのかという違いだけで、自分のことを分からない人はどこに行っても分からないだろうし、分かる人は分かる。そんな感じだと思います」

──気持ちが昂ることなく調整が出来ているようですね。

「はい。今から集中することもなく、その日・その時間が来たら気合いを入れるというか。それも最近はちょっと違うんですけど。今年のテーマは“普通に出稽古に行く”感じなんで、例えば出稽古でジムに行って、練習時間が来たらバチっと集中するじゃないですか。それと同じで試合以外は旅行ですね」

──今回の試合は中村選手にとっては初のムエタイルールで、しかもラジャダムナンスタジアムのタイトルマッチです。プレッシャーになる要素が色々あると思うのですが、中村選手はそういった緊張はなさそうですね。

「みんなそれを言いますよね。自分の緊張を高めてどこかのタイミングで集中することはありますけど、変な話、僕は勝っても負けても何も気にしない。ただ自分がやりたいことをやるだけ。それをやることで何があっても勝つ、自信があるだけの話なので。今は別にギュッと気を張るときじゃないし、それで結果が変わるなら別ですけど、今から気を張っても別に結果は変わらないと思います」

──必要な時にだけ集中を高めると。

「その通りです。だから必要ない時は集中しなくてもいい。そういうマインドですね、僕はいつも」

──初のムエタイルールに向けてはどんな準備をしてきましたか。

「試合のルールは人が決めたルールですからね。僕はタイ人じゃないですし、今回の試合がこのルール(ムエタイルール)なら分かりました、というだけ。あまり気にしないです」

──特にヒジや首相撲の対策に時間を割いたというのもないですか。

「そうですね。例えば次の試合でムエタイをやろうと思って、ムエタイを教えてもらうタイミングが来たらありがたく教わりますし、全く試合が決まっていない時にMMAの練習しようよと言われたら、MMAのことは分からないですけど感覚でやります、となる。ボクシングジムに行くことがあったら、当然ボクシングの練習をするじゃないですか。とにかく僕は戦うことが好きなだけなんで、それで今回も戦うだけですね」

――まさに今回の試合はムエタイの出稽古という感覚なんですね。

「そうです。現地で練習させてもらっているジムがムエタイジムなんで、色々とムエタイのことを教えてくれますけど、この数日間でこんなテクニックがあるよと言われても分からないじゃないですか。僕はあくまでサウナスーツを着て運動して、汗をかきに来ているだけ。ジムで色々教えてもらっても『今日もいい運動になったよ!ありがとう!』って感じで、あんまり話は聞いてません(笑)」

──いつも通りの自然体の中村選手で安心しました。

「本当そうですね。今はまだ旅行している感じです」

(RISEの世界トーナメントで優勝して)本当の意味でファンの気持ちや色んなものを背負って戦える器になった

──記者会見では対戦相手のベクレフとトラッシュトークを展開する場面もありましたが、ベクレフと顔を合わせて感じるものはありましたか。

「思っていたよりはアホだなと思いましたね。ただラジャのチャンピオン、世界チャンピオンの肩書きを持っているから一応は強いというか。アホだけやったら世界は獲れへんと思うので、そういう意味では頭いいのかなと思いました。ただ、ああいう発言は演出なのかな…とか、演出だったとしても相当アホやなと思ったんで、その自信が僕に倒される原因になるやろうなと思います」

──一連のやり取りを経て、自分が勝つ可能性が上がったと感じましたか。

「そもそも負けるつもりでやってないんで」

──失礼しました。

「余裕で倒しますよ。相手が強くても弱くても、リングに上がってきた相手をしっかり倒すというか。僕は自分のスリルのために試合をやらなくなったので、ルールがムエタイだろうがなんだろうが僕の強さを証明して、早く勝ってリラックスします」

──「自分のスリルのために試合をやらなくなった」というのは去年RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kgトーナメントで優勝したことで格闘技に対する考え方が変わったのですか。

「変わりましたね。あのトーナメントで優勝したことで、本当の意味でファンの気持ちや色んなものを背負って戦える器になったのかなと思います」

──日本からも多くのファンが中村選手の勝利を願っています。ファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「日本からもたくさんのファンの方や僕のチーム寛の関係者がチケットを買って現地に見に来たという声をたくさん聞いていますし、今年から僕のことを応援をし始めてくれているタイのファンの方たちも応援に来てくれます。SNSを通してDAZNで試合を見ますという声もいただいていて、自分が見られる範囲ですべて目を通しています。RISEのイベントで作っていただいたバナーや寄せ書きにはみんなの気が入っているので、それを背負って戦います。

必ずルールは関係ない、強いヤツは強いという僕のアートを体現するので、それを今週末の楽しみにしてもらいたいですね。もともと(RWSには)6月に出る予定だったんですけど、6月の試合がなくなって10月になって、RWSさんは6月に僕のことを潰しておいた方が良かったと思います。4カ月も僕を強くさせてしまったので。僕はみんなが見て分かるほど成長しているし、そう言い切れるだけのことを体現し続けてきて仕上げてきたんで、それを楽しみにしていてください」

──中村選手がラジャのベルトを巻く姿を楽しみにしています。

「ありがとうございます。あと少しだけ食事制限ありの旅行を楽しみます。で、バチッと試合を終わらせて、たらふく食べる旅行に切り替えます(笑)。今回は2パターンの旅行を今回は楽しめているので、皆さんは僕の試合を楽しみにしていてください」

■視聴方法(予定)
10月10日(土・日本時間)
午後9時10分~DAZN、ABEMA de DAZN

■RWS KNOCKTOBERFEST対戦カード

<ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級(55.3キロ)王座統一戦/3分5R>
[正規王者]ペッシラー・ウォーウラチャー(タイ)
[暫定王者]大﨑孔稀(日本)

<ラジャダムナンスタジアム認定ライト級(61.2キロ)選手権試合/3分5R>
[王者]イゴール・ベクレフ(ロシア)
[挑戦者]中村寛(日本)

PR
PR

関連記事

Movie