【UFN290】ハワイのMMA一族出身、ベガス在住カイ・カマカ3世「APEXの小さなケージが舞台」
【写真】31歳、ハワイアンはルックスが若く見えるのか…… (C)MMAPALANET
10日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのメタAPEXで開催されるUFN290「Allen vs Duncan」で、カイ・カマカ3世が第二期UFCで3度のファイト=×アンドレ・フィーリ戦を戦う。
Text by Manabu Takashima
父カイ・カマカ、叔父ブレナン・カマカ、レイ・クーパー、従兄にレイ・クーパー3世らを持つハワイのMMA一家に育ったカイ・カマカ3世は、コロナ期に拠点をベガスに移した。
そして手にした世界最高峰との契約も、1勝2敗1分けでリリースとなりBellatorでメジャーシーンに復帰、PFLを経て再びUFCを目指すと、今年の4月に5日前のショートノーティス出場で再契約を勝ち取る。
物心つく以前から父や叔父のトレーニングをレスリング上で目にしていた生粋のMMAファイターは、このスポーツがマーシャルアーツからエンテーテイメントに変化したと断言。誰もが喜ぶ打撃中心のMMAで、自信の持つ長所がより生きる――そんなカイ・カマカ3世の試合前の心境を届けたい。
UFCは常に若い才能を求めている。PFLを離れた時点で30歳になっていたから、UFCの目に留まる試合をベガスでしようと
──今週末、アンドレ・フィーリと対戦します。今の気分はいかがですか(※取材は8日に行われた)。
「凄く良い感じだよ。前回の試合は負けてしまったけど、マーシャルアーチストとして、今週末の試合では自分の持っているモノを全て出し切りたいと思う」
――4月4日のUFCのラインアップに、いつの間にかカイの名前が加わっているのと見て凄く驚きました。実は少し前に日本のLemino修斗に出るかもという話を訊いていたので。
「あの時もそうだし、今もそう。いつだって日本で戦いたいと思っている。UFCと契約したから、日本で戦うならUFC日本大会になる。日本でUFCを開催してほしいと思っているよ」
――5日前にライト級で試合を受けました。
「実際、UFCからはフェザー級でもライト級でもという話だったんだ。僕はベガスのローカルショー(TNF)のタイトルマッチの準備をしていてフェザー級でも戦えた。でもオファーのあった日の夜に、相手(ダコタ・ホープ)が155ポンドを希望していると聞いて応じたんだよ。
まぁ、同じ階級の相手だし体重を5日間で創る必要がなかったのは良かったけどね」
――PFLを離れた時、UFCを目標にTNFで戦うことを決めたのですか。
「そうだね。ベガスに住んでいたし。当時、PFLをめぐる環境は目まぐるし変わっていて。どこに向かっているか分からなかった。もっと定期的に試合をしたかったし、それにはUFCがベストチョイスで。でも、UFCは常に若い才能を求めている。PFLを離れた時点で30歳になっていたから、少しでもUFCの目に留まる試合をベガスでしようと思って、TNFで試合を詰め込んだんだよ」
――ベガスに拠点を置いていることが、利点になるのですね。ただハワイの人々、特にファイター界隈ではカイの周囲、クーパー家やカマカ家は(※カイの父が、レイ・ブラダボーイ・クーパーの父レイ・クーパーの亡くなった夫人の弟)タイトな関係で、家族を凄く大切にしていたので、故郷を離れるのは辛くなかったですか。
「簡単な判断じゃなかった。僕とレイは従兄であると同時に、一番の親友だ。練習も一緒にやっていた。ただコロナになってハワイだと、なかなか試合を戦うことができない。実際、レイが戦っていたPFLは1年間の活動休止を発表していた。
でもベガスに行けばLFAやUFCが大会を開いていた。ワイフが妊娠中で、キャリアを良い方向に進むためにはベガスに行くしかないと思った。レイも僕の考えを理解してくれた。レイとは今も互いにコーナーに就いているし、住むところと練習場所は違っても関係は変わらないよ」
――ベガスに移り住み、LFAからUFCと契約しました。1勝2敗1分でリリースされ、再びBellatorへ。そしてPFL後にベガスのTNUで戦いUFCと再度契約を果たしました。
「TNFはベガスで行われていて、ショーン・シェルビーは毎大会視察をしている。ダナ・ホワイトがやってくることもある。あの場で戦うことは、大きなアドバンテージになる。ショートノーティスだろうが、とにかくUFCとサインをするためにTNFで戦ったんだ」
――4年8カ月振りにオクタゴン復帰。BellatorやPFLと戦ってきたカイにとってもUFCは特別の場所だったのですね。
「Bellatorを戦っている時は、何も問題はなかったよ。ファイトマネーも良かったし。ただPFLになって色々と変わった。何と言ってもUFCは歴史があって、何より世界の頂点だからね。UFCを目指すのは単純明快なことだった。とても待遇が良かったBellatorが無くなり、PFLは毎年やることが変わる。対してUFCは盤石だからね」
――その盤石のUFCで戦い続けるために、今回のフィーリ戦は非常に大切な試合になります。
「前回の負けがあるから、ファイターとして少しでも早く白星を取り戻したいというのは当然ある。同時にマーシャルアーチストとして、自分の課題を克服しないといけない。フィーリ戦に向けてもそうだし、そうでなくても前回の試合のミスをしないように、技術的にも欠点を見直して練習をしてきた。
同時に今回の試合は、APEXの小さなケージが舞台。アンドレ・フィーリと戦う上で、これは僕に利がある。彼はウェルラウンディット・ファイターで経験豊かなファイターだ。そしてスタイルマッチアップとして、今も言ったようにスモール・ケージで戦うことでプレサシャーを掛けて、インファイトしやすくなる。
彼は距離を取って戦うことを好んでいるから、今回のケージは僕が優位に戦える。早い段階でチャンスが訪れるだろう」
フィニッシュが絶対、そのためにも可能な限りシャープな動き、そしてテクニックが必要になった
――カイはレスリングベースのハードパンチャーですが、最近のMMAは近距離の打撃戦が増え、評価もされます。その点において小径ケージが、カイに有利に働くということです。子供の頃から一族のなかで、UFCを見続けてきたカイは、この変化をどのように捉えていますか。
「UFCもSNSやTV中継の影響を受けて、KOが見たい視聴者やファンに提供しやすいファイトに変わってきた。UFCが打撃戦をプッシュするのも、一般層が喜ぶ試合が必要だから。時代がそうさせているということだよね。
もうマーシャルアーツではなくて、よりエンテーテイメントに寄っている。フィニッシュが絶対、そのためにも可能な限りシャープな動き、そしてテクニックが必要になった」
――だからこそ、打撃の防御力の向上が不可欠というのもマーシャルアーツ的な見方になるのでしょうか……。
「技がシャープになれば、当然、それだけの防御力の向上は欠かせないよ。いつも頭を振って、飛び込めるアングルを確保する。頭を固定して、フットワークでかわす距離ではなくなったからね」
――なるほどです。では、ケージの大きさ、MMAの変化を踏まえてアンドレ・フィーリ戦ではどのような試合をファンに見せたいと思っていますか。
「僕の運動神経の良さを武器として、そしてボクシングを見てもらいたい。踏み込みとステップバックから織りなされる、ボディへの攻撃に注目してほしいな。アンドレ・フィーリのような長身の選手は、腹への攻撃を嫌がるんだ。そして、上手く対応できない。それこそボディショットへのディフェンスが上手くない。僕はインファイトを得意とする。大きなアドバンテージを持って今回の試合に臨むよ」
――ところでベガス在住のカイも、ファイトウィークはホテルの過ごすのですか。
「家に戻ることもあるけど、夜はホテルで眠るようにしている。子供が5人いるから、ファイトウィークは静かな環境で睡眠時間を確保したい(笑)。ちょっと子供たちから離れて、休息を十分に取るようにしている」
――なるほどです。では最後に日本のファンに一言お願いします。
「イエス。僕は生涯をかけてマーシャルアーツを究めていきたい。だからこそ、日本のファンに感謝している。そしてベガスで一緒に練習したことがあるタツロー・タイラに友情を感じている。それに子供の頃から憧れていたルミナ・サトーとも一度練習してみたい。そうそう、従兄のレイ・ブラダボーイ・クーパーが沖縄で試合をするから、僕も行くことになると思う。今回の試合に勝って、11月8日に日本に行きたい。それが僕のプランだよ(笑)」
■視聴方法(予定)
9月26日(日・日本時間)
午前6時~UFC Fight Pass
午前5時45分~ U-NEXT
■UFN288 対戦カード
<ミドル級/5分5R>
ブレンダン・アレン(米国)
クリスチャン・リロイ・ダンカン(英国)
<ライト級/5分3R>
マテウス・カミーロ(ブラジル)
ジェイ・ハーバート(英国)
<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)
ケトレン・ソウザ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
アンドレ・フィーリ(米国)
カイ・カマカ3世(米国)
<バンタム級/5分3R>
マルコム・ウェルメーカー(米国)
オターリ・タンジロフ(ジョージア)
<ライトヘビー級/5分3R>
ヴァルター・ウォーカー(ブラジル)
ジェラルド・マーシャート(米国)
<ライト級/5分3R>
フランシスコ・プラド(アルゼンチン)
イズマイル・ボンフィム(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ニコ・プライス(米国)
リオン・シャバジアン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・フランコ(ブラジル)
ブレンジソン・ヒベイロ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
RJ・ハリス(米国)
アレン・フライJr(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ダリア・ジリシニコワ(ロシア)
アリシ・ペレイラ(ブラジル)
<女子フライ級/5分3R>
エルネスタ・カレクカイト(リトアニア)
メリッサ・ガト(ブラジル)










