この星の格闘技を追いかける

【2026 ALL JAPAN Amateure Shooto】全日本アマ修。40年の歴史を未来に繋げる――「今」がここに

【写真】今年も熱戦が繰り広げたられた。歴史ある全日本アマ修斗 (C)MMAPLANET

昨日11日(日)に神奈川県小田原市の小田原アリーナで第32回全日本アマチュア修斗選手権大会=2026 All Japan Amateur Shootoが開催された。
Text by Manabu Takashima

全日本キッズ&ジュニアも共催。圧巻の参加者数

自分が初めて全日本アマチュア修斗の取材を行ったのは1996年の第3回大会で、恐ろしいことにもう30年も前の話になる。コロナ禍の2021年5月31日――今だから書いてしまうが――コロナ禍会場という状況で、非公開で実行されたプロ修斗公式戦の会場=クラブチッタ川崎がその舞台だった。

2021年5月にクラブチッタで修斗環太平洋バンタム級のベルトを巻いた岡田遼さんと話していると、その斜め後ろに1996年のクラブチッタで、ウェルター級準優勝だった宇野薫の姿が確認でき、修斗でなくクライマックスシリーズの話をした(笑)。

プレゼンテーターは佐藤ルミナと宇野薫。この画だけで、感無量というファンもいるだろう

宇野だけでない。勝村周一朗さん、北森代紀さん(かなり強引に若さんに出場を強要されていた……)、本田壮一君(生涯アマファイター)、鶴屋浩さん、大内尊さん。あの日――全日本アマ修斗に出ていたメンバーと小田原アリーナで言葉を交わした。

川崎フリーファイトという名で行われたプロ興行で、郷野聡寛と試合をした須田匡昇君にも、共催された全日本キッズ&ジュニア選手権のマットサイドで会うことができた。

日本修斗協会アマチュア修斗委員会の委員長として、アマ修を引っ張る佐藤ルミナさん、長いプロ生活を終えても頻繁に姿を見ることができるジャッカル(大石真丈)さんも、1995年には既にプロとしてリングに上がっていた。

30年前に右を左も分からない新米記者の周りにいたシューターが、これだけいる会場だ。今や右も左も、知った顔ばかり。それでも昔話に花を咲かせるばかりでないのが、現在進行形の修斗、MMAだ。


やっぱりプロモーターより、予備校の講師っぽい岡田さん(笑)。それにゆえにMMA愛が伝わってくる

2000年の第7回大会、灼熱の大田区体育館でフェザー級全日本王者となった――10代シューターの走り――松根良太さんとは10月と11月のLemino修斗の話題で盛り上がった。松根さんは、前述した岡田さんと共にアマばかりか、プロも競技、スポーツとしてのMMAをこの国に根付かせるためにNTTドコモの業界参入を実現させ、今回の全日本アマ修斗でもセカンドキャリアが冠スポンサー、SBIホールディングスがトップパートナーとなるよう尽力した。

アマ修斗30年、いやそれ以上40年に及ぶ歴史を意義あるモノとするには、これからの日本のMMAをどう導いていくのか重要だ。その将来を創っていくのは『今』だ。以前と違いアマMMA大会は増えた。圧倒的に多くなっている。パウンドを導入し、プロと直結している大会も少なくない。その影響をアマ修斗も確実に受けている。

アマ修斗は地方勢が元気だ。それは首都圏や大都市圏ほど、プロへのルートが数多く存在しているから。逆に地方大会から全日本というプラットフォームが存在しているのは修斗だけといっても過言でない。

パウンドがないことは問題視されて然り、ただし確かな組み技力を軽視しては絶対にMMAは勝てない。UFCが元キックボクサー天国にならないのは、元キックボクサーがキックボクサーと思えないほど組み技力があるからだ。ワンパンKOできるレスラーが、テイクダウンを切り札として打撃戦を繰り広げているからだ。試合で重視されるのは打撃でも、グラップリングとレスリングをジムで軽視することはない。

青森スカーフィストジムの面々。最高の空気感

ただし頭のなかでパウンドを想定するより、実際に経験している選手の方がスムーズに組みのパンチを使うことができる。それを青森のスカーフィストに所属し、五所川原のGFGでプロルールを経験。アマ修斗だけでなくアマチュア・パンクラスでも結果を残す塩谷亮平が実践した。

ケージ際でのクリンチで顔面を殴り、テイクダウン狙いの相手がヒザをついている時は、ワキ腹にパンチを連打する。

この辺りを意識しているファイターは、ボディへのグラウンド&パウンドも相当に勢いがあった。逆に厳しい局面で引き込むという選手もいる。このルールを頂点とするのか、その先を見ているのか。

「組み伏せているからこそ、他のチャンネルが必要となる」ことを松根氏は力説している。

その松根氏と師匠筋にあたる鶴屋氏率いるTHE BLACKBELT JAPANが今年のアマ修斗全日本を席巻した。TBJ千葉と沖縄は全12階級で3階級を制し、39人のメダル獲得者のうち11人がTBJのファイターだった。層が厚い階級ほど、TBJの選手が目立った。

フライ級など準決勝進出の4人は全員がTBJ勢で、Aケージで同門対決のセミファイナルが争われた同じ時間帯に、Bケージでは松根氏の実子・浩人君が金メダルを獲得している。

キッズ修斗のレフェリーを務めていた安芸佳孝氏。息子は安芸柊斗、元祖親子鷹。DNAは紡がれる

ジュニアの優勝者は、来年は全日本アマ修斗に出てくるだろう。16歳、19歳、21歳、22歳の全日本を制した選手たちが、30年後に昔話に花を咲かせ、日本のMMAの将来を語る――自身は鬼籍に入っていても全くおかしくない、いや、恐らくはそうなっているであろう30年後のアマ修斗全日本を創造して、思わずニヤリとしてしまう。

修斗という名前を尊重しつつ、本当に大切なのは何をしてきたのか――ということ。若林さん、ガタちん、鈴木利治、今ではアマ修斗全日本で姿を見ることができない人達が大勢いる。でも、昨日の会場で再会できた面々は、とにかくMMAが好きだということ。そのDNAは30年後の全日本の会場に足を踏み入れる関係者にも脈々と受け継がれていくはず。

何をしてきたのか――その歴史に価値を与えるのは、今、何をしているのか、だ。その大切さが分かる人間、そして組織が未来を創る。そんなことが確信された1日だった。

■2026 ALL JAPAN Amateur Shooto決勝試合結果

<バンタム級決勝/3分2R+ExR>
岩川翔輝(日本)
Def.1R1分32秒 by ニンジャチョーク
秋田昌宏(日本)



優勝 岩川翔輝

<ウェルター級決勝/3分2R+ExR>
ケビン・リンカー(ドイツ)
Def.ExR 3-0:10-9.10-9.10-9
リン・テイオン(台湾)



優勝 ケビン・リンカー

<ライト級決勝/3分2R+ExR>
塩谷亮平(日本)
Def.ExR 3-0:10-9.10-9.10-9
山本源也(日本)




優勝 塩谷亮平

<ストロー級決勝/3分2R+ExR>
石川統也(日本)
Def.1R0分42秒by 腕十字
長谷川凌生(日本)




優勝 石川統也

<フェザー級決勝/3分2R+ExR>
徳比嘉二仁(日本)
Def.ExR 3-0:10-9.10-9.10-9
中島迅登(日本)




優勝 徳比嘉二仁

<ミドル級決勝/3分2R+ExR>
シモン・ブーシェントゥフ(ドイツ)
Def 1R1分24秒by ヒールフック
三宅翔大(日本)


優勝 シモン・ブーシェントゥフ

<ライトヘビー級決勝/3分2R+ExR>
菊地真登(日本)
Def.2R1分07秒 by キムラ
西口優(日本)


優勝 菊地真登

<ヘビー級決勝/3分2R+ExR>
佐竹彗星(日本)
Def.1R0分40秒by KO
岡野好模(日本)

優勝 佐竹アレックス

<女子フライ級決勝/3分2R+ExR>
斉藤乃愛(日本)
Def.2-1:19-18.19-18.18-19
栗原綾子(日本)



優勝 斉藤乃愛

<女子ストロー級決勝/3分2R+ExR>
丸山帆波(日本)
Def.ExR 3-0:10-9.10-9.10-9
宜保紅里(日本)




優勝 丸山帆波

<女子アトム級決勝/3分2R+ExR>
森下璃亜那(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
吉田千祥(日本)


優勝 森下璃亜那

PR
PR

関連記事

Movie