【DEEP Tokyo Impact2026#04】須田雄律、プロデビュー「父からは『パウンドって極めと同じなんだ』と」
【写真】幼少期から50戦以上、勝利も敗北も十分に味わった経験が、プロでいかに生かされるか(C)SHOJIRO KAMEIKE
6日(日)、東京都港区のニューピア・ホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2026#04で須田雄律がプロデビュー。橋本ユウタと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
姉の萌里とともに幼少期から柔術の試合に出場し、キッズ&ジュニア修斗からDEEPフューチャーキングトーナメント、さらにRIZIN甲子園を経て須田がプロデビュー戦を迎える。須田のMMAPLANET初登場は2024年――彼がまだ中学生の時だった。
RIZIN甲子園では常に上を取り、鋭いパウンドを落としながらフィニッシュに向かっていた須田だが「まだ本気でパウンドを打ったことがないんです」という。彼の本気とは一体どのようなものなのか。そんなプロデビュー戦を控える須田に、RIZIN甲子園の経験についても語ってもらった。
学校では『コイツは強い。ケンカを売ったらアカンぞ』という話になっていました(笑)
――2023年にご家族でインタビューさせていただいた時はまだ中学2年生でしたが、今はずいぶんと喋り方も変わってきたような気がします。高校生になって心も体も変化してきましたか。
「アハハハ。今は高校2年生で、体も大きくなりました。あと中2の時に父が怪我をして、僕が代わりにレッスンを担当していた時期があったんです。そこで人に対して喋る能力は高まったと思います」
――中2でレッスンの指導ですか。
「はい。人前で喋る訓練と、会員さんに指導すると自分も技を理解できるようになる、ということで」
――なるほど。まず2005年のRIZIN甲子園トーナメントを見て、ずいぶんと体が大きくなったと感じました。しっかりと鍛えて、バキバキの体に。
「身長はそれほど伸びてはいないんですけど、体重は普段63キロぐらいですね。2023年はまだ50キロもなかったと思います」
――当時はRIZINフェザー級王者を目指していたと記憶しています。改めて現時点の体重を考えると、想定とは違いますか。
「バンタム級やフェザー級なら日本では通用するけど、海外ではフレームやフィジカルに差が出て来ると感じていて。それでフライ級で戦うことにしました」
――それこそお父さんのスダコンガさんは、子供の頃は無理に減量も筋トレもさせない方針でした。現在は?
「まだウェイトトレーニングとかはやっていないですね。自重でトレーニングしているだけです。高校生の間は、まだそれで大丈夫やと思っています。大人になったら通常体重も増やして――今はフライ級でも5キロぐらいしか落としていないので」
――2023年頃は、DEEPのフューチャーキングトーナメントで優勝し、プロデビューするというプランも聞いていました。そこにRIZIN甲子園の開催が決まり、プランは大きく変更されたのでしょうか。
「まず2025年、最初のフューチャーキングトーナメントはベスト4だったやないですか。その時にはもうRIZIN甲子園が自分の適性体重(フライ級)で開催されることを聞いていたので、フューチャーキングで優勝しても優勝せんでもRIZIN甲子園に出ることは決めていました。やっぱりRIZIN甲子園はスポットライトが当たるし、知名度も上がるやろうなと思って。それが一番の理由ですね。実際、決勝トーナメントの時は全選手の密着取材があって、僕のところにもカメラマンさんが3人ぐらい来てくれましたよ」
――密着取材の模様がYouTubeにアップされると、同級生からは反応があったでしょう。
「学校では『コイツは強い。ケンカを売ったらアカンぞ』という話になっていました(笑)」
パウンドを打つ練習ではなく、パウンドを打つことを意識したポジショニングの練習をやっています
――アハハハ。まずフューチャーキング初挑戦はベスト4、この結果は自身の中で想定外だったのではないですか。
「想定外でしたね。あの時は優勝する気マンマンで。やけどあの頃はメチャクチャ体も小さかったし、今考えたら『なんで勝てとったんやろ』と思うぐらいですね。逆に『あぁ、自分は頑張っとったんやな』と。翌年はもう優勝する自信はありました」
――フューチャーキングは出場選手の年齢もキャリアも、それぞれ違います。一方、RIZIN甲子園は同じ高校生と対戦するとあって、何か違う面はありましたか。
「RIZIN甲子園は高校に入ってからMMAを始めたという選手が多くて、粗いところやガムシャラに戦っているところはありましたね。フューチャーキングも同じ感じの選手はいるけど、やっぱりフィジカルは違っていて」
――粗いところがあったりガムシャラに戦っている相手に対し、須田選手が常に上を取ろうとしている姿が印象的でした。キッズ修斗で戦った時は、パウンドがないので引き込み、腕十字で見込み一本を取る。そうしてルールを生かした試合を見せていましたが、やはりパウンド有りではまず上を取りに行く、と。
「やっぱり萌里(姉の須田萌里)もプロの試合で、下になってパウンドを受けていることも多いし、それでポイントを取られて負けることもあるじゃないですか。特に今のMMAはダメージ優先の採点なので、まず上を取ること。下になっても殴られないポジションを維持する。それは特に意識していました」
――さらに言えば、RIZIN甲子園では上を取ったあと、相手の足を捌きながらストレートのパウンドを落としていました。決してパンチを振り回すのではなく。ただ、ジム内でどこまでパウンドの練習ができるものなのでしょうか。
「パウンドは自分の重心が悪くなかったら打てるので、ずっとバランスの良い状態でいることを練習していますね。パウンドを打つ練習ではなく、パウンドを打つことを意識したポジショニングの練習をやっています」
――だからこそ、なのか自分の腕の長さを理解している打ち方のように見えました。腕がどういう状態の時に当てれば一番効くのかが分かっており、しっかりそれを実践している。
「父から言われるのは『パウンドって極めと同じなんだ』と。寝技でしっかりポジションを取ってから極めに行くのと一緒で。しっかりと効かせるための距離感は、常に意識するようにしています」
――それこそまさに柔術、ポジショニングが重要になりますね。とはいえ実際に当てた時の感触は、また違ってきませんか。
「……試合ではまだ本気で、パウンドを打ったことはないんですよ」
――おぉっ!
「今は速いパウンドしか打っていなくて。まだ強いパウンドを出そうとすると、体が流れてしまうこともあるので」
――それはまた本気のパウンドを打つようになった時を楽しみにしています。RIZIN甲子園の決勝戦は大晦日に行われ、ヤマザト・エンゾ・マサミ選手に腕十字で敗れました。フィニッシュや結果はともかく、須田選手が開始早々に、完全に腕を抱えられるような形で捕らえられたのは意外だったのですが……。
「自分も緊張しとったし、エンゾも寝技が強いし――試合前に『1Rは絶対に組むな。寝技に付き合うな』と言われとったんですよ。なのに、なぜか相手のクローズドガードに入っていて(苦笑)。
エンゾはクローズドガードが強いことは分かっとったんです。もう柔術で10試合やっていて、RIZIN甲子園が11試合め、このあいだ柔術で12試合めをやって負けました。初めて対戦したのは小学6年生の時かな? 決勝トーナメントの組み合わせが決まった時も、もうひとつの山からはエンゾが上がって来ると思っていたぐらいで」
――子供の頃からエンゾ選手はライバルで、その2人がRIZIN甲子園の決勝で戦うのは運命的です。同時に、さいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンで試合をするのも緊張したのですね。
「いやぁ、緊張しましたね。あの会場で萌里のセコンドに就いたことはありましたけど、やっぱり自分が試合するとなったら、また違っていて(笑)。父からは『入場の時から、おかしかった。試合中もセコンドの声が聞こえていなかった』と言われたんですよ。改めて、あの場所で戦うファイターは凄いなと思いました」
――柔術も含めて過去12回対戦しているエンゾ選手と、再びMMAで相まみえることはあると思いますか。
「自分はエンゾがいなければ、ここまで強くなれなかったです。たぶんエンゾもそうやと思うんですよ。RIZIN甲子園で優勝しているからエンゾもMMAにシフトしているでしょうし、またMMAで戦うこともあると思っています」
まだ17歳ですけど、これからMMAのスターになるので、そのデビュー戦としてぜひ見てください
――RIZIN甲子園は準優勝に終わり、今年2月に改めてフューチャーキングを制してプロデビューに至りました。そこから9月にプロデビューというプランは、いつ頃に固まっていたのでしょうか。
「フューチャーキングのあとは5月に柔術のワールド(※ジュブナイル2のライトフェザー級2位に)があったので、プロデビューはその後に――と思っていました。高2の年齢までがジュブナイルやから、今年出ておきたくて。来年はどうするか分からないです。今年優勝できなかったら来年も出たいという気持ちもあるけど、来年出るとしたらアダルトの部やし、その時のMMAの状況もあるし、で……。もっと練習して、いつかアダルトで挑戦したいとは考えています」
――確かに、9月にMMAでプロデビューして連勝していれば、来年の5月あたりにはビッグチャンスを迎える頃かもしれません。そうなるとMMAと並行してワールドにチャレンジするのは難しそうですね。
「まぁ、そうかもしれないですね」
――高2でプロデビューし、いつまでにDEEPのベルトを巻きたいですか。
「20歳までに巻きたい……(横にいる父・智行に向かって)なぁ?」
智行 なぁ、って何やねん(笑)。
「アハハハ、次がデビュー戦ですからね。今は次の試合に集中しています」
――そのプロデビュー戦ですが、同じようなキャリアのファイターではなくベテラン選手であり、DEEPフライ級のトップファイターと対戦してきた橋本ユウタ選手と戦うこととなりました。
「う~ん……少しビックリしましたけど、逆にそういう選手に勝ったら、一気にトップ選手と戦っていけるのかなと思います。ちょっとデビュー戦としてはハードな相手かもしれないですけどね(苦笑)。相手は何でもできるファイターで、経験も凄いから試合中に何が起こっても対応できそうで。そういうところは怖いですね」
――須田選手も体が出来てきたとはいえ、橋本選手もフィジカルは強いかと思います。まさにプロの身体といいますか。
「確かにフィジカルの面は少し気になります。でも技術的には自分のほうが勝っているので、技術で勝ちます」
――橋本選手も前回の試合で、須田選手の前年にRIZIN甲子園を経験した若い横内三旺選手に、スプリットながら判定勝ちを収めています。須田選手との試合でも、キッチリとベテランの意地を見せてくるはずです。
「そうですね。その橋本選手に勝っているのがCORO選手、鹿志村仁之介選手、杉山廣平選手じゃないですか。僕はその選手を超えるファイターになるので、ここは絶対に勝ちます。まだ17歳ですけど、これからMMAのスターになるので、そのデビュー戦としてぜひ見てください。よろしくお願いします!」
■視聴方法(予定)
9月6日(日)
午前11時40分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ
■DEEP Tokyo Impact2026#04 対戦カード
<59キロ契約/5分3R>
窪田泰斗(日本)
飴山聖也(日本)
<フェザー級/5分3R>
森俊樹(日本)
杉野亜蓮(日本)
<バンタム級/5分2R>
唐沢タツヤ(日本)
杉野光星(日本)
<フライ級/5分2R>
橋本優大(日本)
須田雄律(日本)
<ストロー級/5分2R>
豪瑠(日本)
高島俊哉(日本)
<バンタム級/5分2R>
黒岡裕真(日本)
坂本岳(日本)
<フェザー級/5分2R>
ダイヤ(日本)
ヴィニシウス(ブラジル)
<フライ級/5分2R>
安永吏成(日本)
平井聡一朗(日本)
<フェザー級/5分2R>
藤井連(日本)
権藤悠太郎(日本)
<バンタム級/5分2R>
小笠原孝成(日本)
尚太郎(日本)
<バンタム級/5分2R>
山口コウタ(日本)
佐藤修斗(日本)
<アマチュア フライ級/3分2R>
岸翔大(日本)
サカテロ(日本)




















