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【HEAT59】2年振りの試合で今井舜也と激突。ライト級王者、岡野裕城「HEATで防衛戦をやるまでは――」

【写真】ヒゲも少なくなり、精悍なイケメンに(C)SHOJIRO KAMEIKE

5日(土)、愛知県刈谷市の刈谷市産業振興センターあいおいホールで開催されるHEAT59で岡野裕城が今井舜也と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2022年5月、草MAXを下してライト級王座を獲得して以来のHEAT参戦となる岡野。以降は他プロモーションのケージで3連敗を喫し、ここまで2年のブランクをつくっていた。2019年から2021年までブランクを経てHEATに出場し、ベルトを巻いた。ここで再び2年間のブランク後にHEATで復帰するのも、運命だったのか。「HEATで防衛戦をやるまでは辞められない」という岡野が、2年のブランクと今井戦について語る。


2019年に一度、格闘技を辞めようと考えていたんですよ

――お久しぶりです。個人的には岡野選手にインタビューさせていただくのも約10年振りとなりますが、岡野選手自身も試合間隔が空きましたね。

「そうですね。前の試合が2024年10月だったので、約2年か……」

――2年振りの復帰戦をHEATで行う。試合を控えた今の気持ちを教えてください。

「まず試合が2年振りになったのは怪我があって、なかなか思うように練習できない時期があったんですよ。だから今回は試合に対する気持ちが久々に湧いてきて、なにか懐かしくて。やっぱり試合するって良いな、と思っています」

――試合をする、というのは怪我も癒えたということでしょうか。

「はい。調子が良いのも、ここ1カ月ぐらいなんですけどね。ずっと良くなって練習したらまた状態が悪くなって……という繰り返しでした。本当は5月にHEATで試合をする予定だったんです。海外選手と対戦する予定で、その相手が来られなくなったとかで試合が流れました。自分としてはやる気でしたけど、実は怪我の状態が良くなくて。今となっては『試合がなくなって良かったかな』と思っています(苦笑)」

――その時期に、自身の中で『まだ状態は良くないけど、早く試合がしたい』という葛藤もあったのですか。

「それはありましたけど、自分は深く考えないタイプなのか『何とかなるだろ』と思っちゃって。アハハハ」

――というのも岡野選手のキャリアを振り返ると、コロナ明けの頃から試合間隔が空くようになりました。それこそ2022年末から年1試合のペースになっていて、やはり怪我の治り具合が思わしくなかったのか、と。

「……、……いや、そうじゃないんです。誰にも言っていなかったけど、自分は2019年に一度、格闘技を辞めようと考えていたんですよ」

――え、えぇっ!?

「だけど自分の性格的に、またやりたくなるかもしれないから、誰にも言っていなかったんですよね」

今の自分を受け入れて、やれることをやろうという気持ちになった

――実際2019年11月の田中有戦から、2021年10月にHEATで菅原和政選手と対戦するまで、約2年振りのブランクがあります。このブランクもコロナ禍が要因ではなく……。

「自分の中で、格闘技を辞めようと思っていた時期でした。結局はまたやりたくなって、そのタイミングでHEATからお声が掛かったんですよね。でも正直、オファーがあるまでは自分もガチガチに練習していたわけではなくて。『どうだろう……』という気持ちもありましたけど、ここで試合しなかったらもう一生試合しないだろうと思って、オファーを受けました」

――そのHEATでは2戦目でライト級のベルトを巻きました。一度MMAを辞めようと考え、改めてHEATで戦い王者となった時点でキャリアを締めようという気持ちにはならなかったですか。

2022年5月、第6代HEAT MMAライト級王者に。ベルトは返上しておらず、もちろん今も所有している(C)MMAPLANET

「不思議と、その気持ちにはならなかったです。全然、まだできるなと思って。でもベルトを獲ったあとから怪我が多くなっちゃったんですよね。気持ちは試合がしたいけど、体がついてこない。それで今回も2年間、ブランクができてしまった感じです」

――HEATでベルトを獲得して以降は3連敗を喫しています。当時の気持ちというのは……。

「いろいろと言えないこともありますけど、いくつか要因はあって。だから自分も諦めることができなかったのか……うん。負けたけど『次はいけるんじゃないか』と思って、また何か起こって――自分で満足のいく練習量もこなせていなかったし、良くない状況ではありました」

――さらに怪我もあって大きなブランクをつくり、ケージに戻ってくることになりました。

「さすがにこれはヤバいと思っていたけど、なぜか調子が良くなって(笑)」

――アハハハ、それは何よりです。

「だから今回は気持ちも体も違います。練習も今までのように、ただガムシャラにやるわけではなく、ちゃんと客観的に体のことを考えながらやってきて。おかげで怪我もなく試合を迎えることができます」

――それだけ気持ちと体が追いついてきたのは、いつ頃ですか。

「ずっと今までどおりの練習はできない状態でした。でも試合となると気持ちが焦ってしまって――それこそ今回からだと思います。仕方ないものは仕方ない。だから、できることをやる。もちろん不安もありますけど、まず今の自分の状態を受け入れるというか」

――それまでは自分の状況を認めることができなかった、と。

「自分は昔から体は強いほうで、怪我もしなかったんです。だから何か調子が悪くなったり、怪我しているはずなのに、『自分は大丈夫だ』と見て見ぬふりをするというか。でも今の自分を受け入れて、やれることをやろうという気持ちになったことが良かったんだと思います」

やっぱり一度、防衛戦をやってケジメをつけたいという気持ちがある

――なるほど。マインドを切り替えることができた末に迎える復帰戦ですが、オファーがあったのはいつ頃ですか。

「試合の2カ月ぐらい前ですかね。もともと5月に試合をする予定だったし、次は10月に大会があることも何となく分かっていて。だから10月に試合をするかな、と思って準備はしていました」

――2021年に2年のブランクを経てHEATに出場し、ベルトを獲得しました。そして今、再び2年のブランク後にHEATで復帰するというのは、何か運命的なものを感じます。

「ベルトを獲った以上、絶対にまたHEATで試合をしなきゃいけないという気持ちは、ずっと持っていました。まだ返上していないし、今回のオファーも最初は防衛戦だと思っていて(笑)」

――アハハハ。

「やっぱり一度、防衛戦をやってケジメをつけたいという気持ちがあるんですよ。以前に防衛戦のオファーを頂いたのに、その時も怪我で棒に振ってしまって……チャンピオンなのに、そこから一度もHEATで試合をしていないことに負い目がありました。だから5月も、怪我していようが何だろうが、絶対にHEATで試合をしなきゃいけないと思って。やっと今回、HEATで戦うことができるのは本当に嬉しいです」

――この2年間、どのような点でスキルアップしてきましたか。

「やっぱり打撃ですかね。怪我していた期間はほぼ打撃の練習しかできなくて、そのことと向き合いながら、ずっとお世話になっている諏訪部潤トレーナーと煮詰めてきました。それといつもどおり大尊伸光とも練習しています。昔から大尊とは仲が良くて、アイツも松戸でジムをやっているので、そこでアドバイスをもらっていますね。そのあたりのスキルには自信があります」

――岡野選手といえば、諏訪部トレーナーとともに鍛え抜いた左ジャブと右ストレートです。

「まさにそうですね。前より考え方も広がってきていると思います。今回は相手も長身のストライカーですけど、自分としても一発もらわないように。勝つ自信しかないし、3連敗していて次負けたら、自分でも終わりだなと考えています」

長いリーチから繰り出される左ジャブと右ストレートこと岡野の最大の武器だ(C)MMAPLANET

――重要なのは、ここで勝って次にどう繋げるか。

「はい。今後については特にコレというのは考えていないけど、体も戻ってきたので――正直、次の試合に向けて『勝っても負けても、これで最後かな』と思っていました。でも勝って続けたいし、何よりHEATで初防衛戦をするまでは辞められないですから」

■HEAT59 対戦カード

<ISKA Kルール世界スーパーウェルター級王座決定戦/3分5R>
アビラル・ヒマラヤンチーター(ネパール)
リ・ボリン(中国)

<HEATキックルール ミドル級王座決定戦/3分5R>
平山迅(日本)
シム・ヨンス(韓国)

<HEATキックルール ライト級選手権試合/3分5R>
[王者] 安川侑己(日本)
[挑戦者] 藤井重綺(日本)

<ライト級/5分3R>
岡野裕城(日本)
今井舜也(日本)

<ムエタイ(※ヒジなし) 女子49キロ契/3分3R>
小桐冬華(日本)
チョン・アヨン(韓国)

<フライ級/5分3R>
永井宏人(日本)
萩島answerたくみ(日本)

<キック 56.5キロ契約/3分3R>
後藤力(日本)
タルジョン(日本)

<バンタム級/5分3R>
萩原和飛(日本)
宮島暖斗(日本)

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