この星の格闘技を追いかける

【KNOCK OUT66】谷津晴之と防衛戦。WBCムエタイ日本王者・渡部蕾「俺が1番かましてやる」

【写真】2月にWBCムエタイ日本王座を獲得し、5月にはミャンマーラウェイの対抗戦に出場。様々な形の試合を戦うことで、渡部蕾は成長を続けている(C)RAINA WATANABE

2日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるKNOCK OUT66にて、WBCムエタイ日本フライ級王者の渡部蕾(わたなべ・らいな)が谷津晴之との初防衛戦に臨む。
text by Takumi Nakamura

現在18歳の蕾はKNOCK OUTで注目を集めるティーンエイジャー。野性味あふれるファイトスタイルと軽量級離れした攻撃力を武器に勝ち星を積み重ね、今年2月にはプロとして初のタイトル=WBCムエタイ日本フライ級王座を獲得した。

今回はその王座をかけた初防衛戦で、ONE Friday Fightsでも実績を残る谷津と対戦。蕾は谷津に勝つことはもちろん、他の試合と比べても自分が一番のインパクトを残すと語った。


初めて負けを経験して、自分の攻撃力を過信せず、いい塩梅で戦えるようになってきた

――今大会ではWBCムエタイの4大タイトルマッチが組まれ、蕾選手はWBCムエタイ日本フライ級王者として、谷津晴之選手の挑戦を受けることになりました。防衛戦のオファーを受けた時の心境から聞かせてください。

「2月にタイトルを獲って、半年後に防衛戦なんで『早くない?』と思ったのが率直な感想でしたね(笑)」

――タイトルを獲ったコウシ・ノーナクシン戦を振り返っていただけますか。

「あの時は上手くいったなって感じですね。自分としてはもっと組まれたりして、厳しい展開になると思っていたんで」

――そのなかでどう試合を組み立てて、2RにTKO勝ちすることが出来たのでしょうか。

「最終的にはパンチを当てて倒そうと思っていたんですけど、1Rは結構パンチをブロックされて、パンチは入りづらいなと思ったんですよ。それで途中からパンチじゃなくてヒジに切り替えたのが良かったですね」

――そして5月の後楽園大会ではミャンマーラウェイとの対抗戦に出場し、ダン・マイ・トゥエイから判定勝利を収めました。あの試合はいかがでしたか。

「判定では勝てたんですけど、きっちり倒して勝ちたかったですね」

――ラウェイの選手と対戦することは初めてだったと思うのですが、何をやってくるか分からない怖さはなかったですか。

「試合前はそこまでなかったんですけど、試合をやりながら感じていましたね。どれだけ打ってもパンチを振って煽ってくるんで、そこは怖いなと思って戦っていました」

――ラウェイ選手ならではのタフさには驚きましたか。

「そうですね。最初のダウンを取った時、自分としては『終わった(KOした)な』って感覚があったんですけど、普通に両手を広げて煽ってきたんで、打たれ強さがすごいなと思いました」

――今年はWBCムエタイ日本王座のタイトル戦、ラウェイとの対抗戦と違うシチュエーションの試合が続いていますが、そういった試合を戦うことで経験値が上がっている実感はありますか。

「落ち着いて試合できるようになってきたかなと思います。ダン・マイ・トゥエイ戦も倒せなかったですけど、そこまで焦ることなくフルラウンド戦えましたし、防衛戦の前にフルラウンドやれたのはいい経験になったと思います」

――デビュー当初は倒そう倒そうとしすぎていた部分もありますか。

「デビュー戦の時からそれはあって、どうしても倒せない時は焦りみたいなものを少し感じながらやっていたんですよ。でも今はいい意味で行きすぎないところは行きすぎないとか落ち着くところは落ち着く、みたいな試合ができるようになったのかなと思います」

――キャリア的には昨年8月にKrushで初黒星(安尾瑠輝にKO負け)を喫していますが、あの敗戦で変えたことはありますか。

「あの時は1Rは上手く戦えたんですけど、2R、3Rとどんどん動きが落ちちゃって。1Rで倒せると思って行きすぎちゃったところがよくなかったので、そこで行きすぎない、急がないことも大事だなと思いました。一番はそういうマインドの部分の変化で、あの時は自分は倒して勝てると思いすぎちゃっていて、安尾戦の前まで3連続KO勝ちしていたんで、自信満々でいきすぎちゃったんです。そうやって自分を過信しすぎるとボロが出ることが分かったし、自分の攻撃力を過信せず、いい塩梅で戦えるようになってきたと思いますね。そういう意味でも一試合一試合成長できているなと思います」

MMAグローブで試合が決まってもスパーリングはボクシンググローブでやる

――対戦相手の谷津選手にはどんな印象を持っていますか。

「ONE Friday Fightsではすごい試合を勝ってるのに、日本ではあんまり勝ってない印象ですね」

――確かに僕も同じ感想を持っていて、谷津選手はタイで試合している時の方がいいパフォーマンスを見せているなという印象が強いです。

「自分も何でだろう?と考えてみたんですけど、もしかしたらONEのムエタイルール=MMAグローブでやるのが合っているのかもしれないですよね」

――なるほど、そういった見方も出来ますね。ちなみに蕾選手はボクシングのグローブとMMAグローブのムエタイルールをどちらもやったことがあるんですよね。

「はい。やっぱり殴り方やブロックの仕方が変わってくるとは思うんですけど、自分の場合はそこまで違いを意識はしていないですね。MMAグローブで試合が決まってもスパーリングはボクシンググローブでやりますし、ミットやサンドバックをMMAグローブでやるぐらいですね」

――そうなんですね。MMAグローブで対人練習はやらないんですね。

「ホントにたま~にやるくらいですね。MMAグローブで強度の高いスパーリングはなかなか出来ないんで、それこそ試合で色々な感覚と経験を積んでいく形がいいのかなと思っています」

――谷津選手の話に戻すと、ONEで勝っている時のような強い時の谷津選手をイメージして練習してきましたか。

「はい。谷津選手も倒せるものは持っていると思うし、そこには警戒しつつ、自分の良さを出せるような練習はしています」

――蕾選手のファイトスタイル的にも動きを限定せず、その場の即興で自由に戦う方が合っていますか。

「いつも作戦は大まかにしか決めてなくて、大体こんな感じで行こうくらいしか決めないんですよ。自分の場合、型にハマりすぎると動けなくなっちゃうと思うんですよ。その時その時に相手の反応を見て、戦う方が1番いいかなと思っています。そうやって楽しんでやる方が自分には合ってます」

対戦相手は1人だけど、他の試合ともどれだけかませるかを対決している

――今回は防衛戦という形ですが、どんな試合を見せたいですか。

「自分は軽い階級なんですけど、それでも派手に倒せるところは見てほしいですね」

――例えば蕾選手は対戦相手だけでなく、他の試合や選手とも勝負しているという感覚はあるのですか。

「ありますね。対戦相手は1人だと思うんですけど、他の試合もどれだけかませるかを対決してるというか、自分は勝手にそう思っているんで。周りが敵ではないですけど、俺が1番かましてやるぞという気持ちはいつも思っています」

――特に今回は4大タイトルマッチとして試合が組まれていて、自分が誰よりもインパクトを残したいですか。

「残したいですね。正直、今回の試合順にも納得していないんですよ。そこも含めて自分の試合が1番だということを分からせたいです」

――蕾選手は4大タイトルマッチの第1試合ですが、もっと後ろの試合が相応しいだろという気持ちですか。

「そこまでではないですけど…僕の試合は全体でも5試合目で、僕をそんなに早く出しちゃっていいの?って感じですね。僕が一番盛り上がる試合をするんで、興行の盛り上がり的に第5試合でピークを迎えて、そのあとは冷めちゃうと思います」

――今回の防衛戦をクリアしたらどんな目標を持って戦って行きたいですか。

「KNOCK OUTをメインに試合しつつ、ONEとかにも出てみたいですね」

――昨年はキックボクシングフェス「GOAT」で試合をして、地上波で蕾選手の試合が放送されましたが、もっと自分のことを知ってもらいたい、アピールしたいですか。

「はい。もっと色んな人に知ってもらいたいし、知名度もつけたいです。幅広い人たちにも届くような選手になります!」

■放送予定
8月2日(日)
午後5時50分~U-NEXT

<KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級(70キロ)/3分3R>
漁鬼(日本)
吉宗、(日本)

<KNOCK OUT-REDライト級(62.5キロ)/3分3R>
バズーカ巧樹(日本)
吉田凜汰朗(日本)

<WBCムエタイ日本フェザー級(57.15キロ)王座決定戦/3分5R>
福田海斗(日本)
竹内賢一(日本)

<WBCムエタイ日本スーパーバンタム級(55.33キロ)選手権試合/3分5R>
[王者]壱・センチャイジム(日本)
[挑戦者]乙津陸(日本)

<WBCムエタイ日本スーパーライト級(63.50キロ)王座決定戦/3分5R>
重森陽太(日本)
REITO BRAVELY(日本)

<WBCムエタイ日本フライ級(50.80キロ)選手権試合/3分5R>
[王者]渡部蕾(日本)
[挑戦者]谷津晴之(日本)

<KNOCK OUT-BLACKライト級(62.5キロ)/3分3R>
乱牙(日本)
隼大(日本)

<KNOCK OUT-REDフェザー級(57.5キロ)/3分3R>
茂木豪汰(日本)
大渕翼(日本)

<KNOCK OUT-RED女子スーパーフライ級(52キロ)/3分3R>
辻井和奏(日本)
ルアンペー・コマンドジム(タイ)

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級(60キロ)/3分3R>
横山晏輝(日本)
我如古優貴(日本)

PR
PR

関連記事

Movie