【Shooto2026#02】プロ無敗。中野剛貴と対戦する杉野光星「柔道出身ですけど打撃の選手になりたい」
【写真】2023年プロデビューで、ここまで修斗で4戦無敗。組みの強さに加えて打撃も生きるようになってきた杉野だ(C)TAKUMI NAKAMURA
29日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2026#02で、杉野光星が中野剛貴と対戦する。
Text by Takumi Nakamura
杉野は学生時代に柔道で活躍し、MMAに転向。キャリア初期は組み主体の試合運びとシャープな打撃で勝ち星を積み重ね、昨年9月のザヒド・アフメドフ戦では鋭いジャブからのワンツーを決め、自身初のスタンドでのKO勝ちも収めた。
永井奏多が世界王座を保持し、Lemino修斗でサバイバートーナメントが開催されている修斗バンタム級注目のプロスペクト、杉野のMMAPLANET初インタビューをお届けしよう。
柔道部では、寮生全員でやる食トレがキツかったですね(苦笑)
――本格的なトレーニングを終えて調整段階だと思いますが、今の仕上がりはいかがですか(※取材は26日に行われた)。
「疲労も抜けてきて、調子はすごくいいですね」
――昨年9月のザヒド・アフメドフ戦はパンチによる見事なKO勝利でしたが、あの試合を振り返ってもらえますか。
「圧のかけ方だったり、相手の打ち終わりを狙うことだったり、今の自分のファイトスタイルに付け加えていこうと思っていた部分が試合に出たかなと思います」
――1R0分41秒という短期決着でしたが、それは想定していましたか。
「想定していなかったわけではないですけど、あそこまですぐ終わるとは思っていなかったです」
――杉野選手にとっては初のKO勝ちでしたが、KO勝ちの感触はいかがでしたか。
「自分は組み技よりも打撃の方が好きで、ずっと打撃を磨いてはいたんですけど、試合でKO勝ち出来ていなかったんです。だからKO出来た時はめちゃめちゃうれしかったですね」
――杉野選手は柔道出身ですが、打撃主体で戦うことが理想なのですか。
「デビュー当初はとにかく組みまくって……という戦い方がベースだったんですけど、3戦目ぐらいからはしっかり打撃でも戦うようにして、それで4戦目で初めてKO勝ち出来ました。だからあのKO勝ちも、それまでやってきたことの積み重ね、それがやっと一つの形として出たと思っています」
――杉野選手はMMAPLANET初登場なので、プロフィール的なところも聞かせてください。先ほどもあったように杉野選手は柔道出身ですが、柔道を始めたのは何歳の時ですか。
「5歳の時ですね。親から話を聞く限り、子供の頃の自分は活発というかやんちゃな子で、そういう態度を直したり、礼儀作法を覚えさせたりする目的で、親に柔道場に連れて行かれて『今度悪さしたらここに入れるぞ!』と言われたらしいんですよ。そしたら僕が自分から『これやる!』と言い出したらしく(笑)、それがきっかけで柔道を始めることになりました」
――それからは柔道一筋だったのですか。
「そうです。大学生の途中、19歳まで柔道を続けました」
――杉野選手は和歌山出身ですが、埼玉栄高校に進学されたのですよね。
「もともと同じ和歌山の柔道が強い私立の中学校に片道1時間くらいかけて通っていて、上級生にも強い選手がたくさんいたんですね。ただその先輩たちが卒業したあと、自分の代には強い選手がいなくなっちゃって、顧問の先生が『柔道で強くなりたかったから転校する選択もあるぞ』と言って、色んなところに連れて行ってくれたんですよ。それで中学2年生の時に埼玉栄中学に転校して、そのまま高校まで通いました」
――では中学から親元を離れて生活していたのですか。
「そうですね。寮で生活しながら学校に通っていました」
――その年齢で生活環境もガラリと変わって大変ではなかったですか。
「今思うと大変だったのかなとは思いますが、親や先生の後押しもあり、迷いなく行った感じです」
――また柔道をやるために中学・高校に通って寮生活となると自由な時間はほとんどなかったのではないですか。
「寮生活そのものがめちゃめちゃ厳しいわけではなかったので、そこは大丈夫だったのですが寮生全員でやる食トレがキツかったですね(苦笑)」
――食トレ……ですか。
「埼玉栄はスポーツの強豪校なので、授業そのものも週2~3回は昼ぐらいに終わるんですよ。で、昼過ぎから夜まで練習して、夜に学校の食堂に集まってめちゃくちゃ食べるんですよね。大体2時間くらいひたすら食べ続けるんですけど、基本的に食べさせられるものが米なんですよ(笑)」
――肉や魚ではないのですね(笑)。
「はい。今はどうか分からないですけど、僕の時代はそんな感じで、今思うと栄養に気を遣ったメニューとかではなく、ひたすら米を食べさせられる感じで(笑)。それがホントにキツかったです」
相手が打撃を嫌がって組みに来たら『こんなに組みも強いの?』と思わせたい
――そういった食トレも経験しつつ(笑)、杉野選手はどんな目標を持って柔道を続けていたのですか。
「実は小さい頃からずっと総合をやりたいと思っていたんで、柔道で日本一にはなりたいなと思っていましたけど、オリンピックに出たいとかは思わなかったですね」
――総合に興味を持つきっかけは何だったのですか。
「父がPRIDEが好きだったので、DVDを借りてきて一緒に見たりしていたんですよ。あとはK-1も見たりして、いつか自分も総合をやりたいなと思っていました。それで大学の途中で柔道を辞めて、総合の道に進みました」
――色々なジムがある中でアライアンスを選んだ理由は?
「髙阪(剛)さんや堀江(圭功)さんのことは知っていたんですけど、幾つかジムを回った時に直感で『ここがいいな!』と思いました」
――そして先ほどの話にもつながるのですが、いざMMAを始めたら組み技よりも打撃の方が好きになったのですか。
「もともと打撃の試合を見るのも好きで、ボクシングも好きなんですよ。それでいざ総合を始めたら打撃の練習の方が楽しくて、どんどんのめり込んだ感じですね」
――確かにアフメドフ戦を見ると、杉野選手が柔道ベースだと思う人は少ないかもしれないですね。そのくらいステップやパンチの打ち方が綺麗だった印象です。
「総合を始めてすぐの頃は上手く行かなったですけど、打撃は好きなことなんで自然に時間を割いて練習するようになって、それで少しずつ上達したんだと思います」
――例えばMMAを始めた当初にミットを持ってもらった人から「打撃のセンスがある」と言われたことはありますか。
「それはよく言われていましたね。自分としては柔道出身なんですけど打撃の選手になりたいぐらいで、相手が打撃を嫌がって組みに来たら『こんなに組みも強いの?』と思わせたい感じなんですよ」
――目指すは和製イリャ・トプリアですね。
「トプリアはやばいですが(笑)、ああなりたいです」
――さて今回対戦する中野剛貴選手にはどんな印象を持っていますか。
「サウスポーで左ストレートが伸びる選手だなと思います。でも自分も前回の試合で攻撃の仕方や掴んだものがあるので、中野選手の過去の試合映像をしっかり参考にしながら対策を考えています」
――杉野選手はここまで修斗で無敗、世界ランキングも2位です。狙うは永井奏多選手が保持する修斗の世界タイトルですか。
「そうですね。今年は修斗のチャンピオンになることが目標です。Lemino修斗でバンタム級のトーナメントが開催されていて、そっちにランカーの選手が出ているので、自分にもチャンスが巡ってくるというか、挑戦するタイミングが合いやすいのかなと思っています。そのためにも今回の試合もすごく大事な一戦になると思うんで、自分をアピールする、成長できる試合にしたいなと思っています。あと自分は試合数が少ない方なので今年はしっかり年3試合はやって、自分のレベルを上げていきたいです」
――それでは杉野選手の今後の活躍に期待しているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。
「毎試合そうなんですけど、僕は1試合1試合勝って成長していくために本気で勝負しているので、今回も自分の勝つ姿と成長する姿を見てほしいなと思います」
■対戦カード
<修斗世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] キャプテン☆アフリカ(日本)
[挑戦者] エフェヴィガ雄志(日本)
<修斗世界女子アトム級王座決定戦/5分5R>
中村未来(日本)
青野ひかる(日本)
<世界ミドル級王座決定T準決勝/5分3R>
岩﨑大河(日本)
HENRY(米国)
<世界ミドル級王座決定T準決勝/5分3R>
荒井勇ニ(日本)
沙門(日本)
<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
中村優作(日本)
<フライ級/5分3R>
高岡宏気(日本)
杉本静弥(日本)
<バンタム級/5分3R>
杉野光星(日本)
中野剛貴(日本)
<フライ級/5分3R>
中池武寛(日本)
ザヒド・アフメドフ(インドネシア)
<フライ級/5分3R>
岡田嵐士(日本)
柴山海音(日本)
<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
高本千代(日本)
村上彩(日本)
















