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【Eternal MMA99】ケージに押し込まれ続けた谷口武、ドリリッチに0-3で敗れタイトルを失う

<Eternal MMAフライ級選手権試合/5分5R>
アンソニー・ドリリッチ(豪州)
Def.3-0:50-45.49-46.48-47
谷口武(日本)

サウスポーのドリリッチが右ジャブ、谷口が右ハイを見せる。慎重に間合いを測る両者、谷口が左アウトローを蹴る。飛び込んでスイッチの谷口、ドリリッチが下がる。ドリリッチがジャブの数を増やすが、谷口が右フックから右ミドルを入れる。ドリリッチは左ストレートをヒットさせると頭部を抱えてダーティボクシング、エルボーを連打する。ケージに谷口を押し込み、シングルレッグを仕掛けるドリリッチ。ここは谷口も強いところ、ケージを背負ってヒザをボディに突き上げる。

エルボーを頭部に入れる谷口に対し、ドリリッチは一度は頭を下げるがすぐに頭を上げて胸を合わせた状態に戻る。残り20秒で両者が離れ、ドリリッチが左を伸ばす。谷口はさっきのお返しとばかりに首相撲のドリリッチにヒジを連打した。

2R、左から右の蹴りを見せた谷口。ドリリッチは距離を詰めてパンチから組むとバックに回る。谷口は頭をケージにつけて我慢の展開に。クラッチをはがしにかかる谷口をハイクロッチからリフトしたドリリッチが前方にテイクダウンを決める。ここでドリリッチは左足をフックの状態から、フックを外して谷口の背中をつけさせようとする。このタイミングで立ち上がって離れた谷口は、ドリリッチのステップイン&左を外して蹴りを狙う。

谷口は上半身を大きく回し、飛び込んでボディから右を当てる。バランスを崩したドリリッチがダブルレッグでケージに押し込む。頭を上げてクリンチのドリリッチだが、谷口はボディにヒザを突き刺す。ヒザを続けられるドリリッチは、時間直前になって離れた。

3R、ドリリッチの左に右ミドルを谷口が合わせようとする。続いてインローを蹴ると、ドリリッチは届かない距離でジャブを続ける。と詰めて左アッパーのドリリッチ。谷口はステップインを待ち受けてショートのコンビを放つ。ドリリッチはここでもクリンチを選択するが、ヒザをボディに受ける。ケージを背負った状態でヒザから右ボディを繰り出す谷口。ドリリッチは打撃の間合いに戻りたくないことが伝わってくるクリンチを続ける。

左のダーティーボクシングから、左腕を差してテイクダウンをドリリッチが仕掛ける。谷口は腰を抱えられ足が浮くが、後方のケージまで移動してテイクダウンを許さない。残り10秒で尻餅をつきかけたが、背中をつけることがないチャンピオン。ジャッジの判断は分からないが、ドリリッチを削っているのは確かだ。

4R、ドリリッチの左をかわし、右フックを谷口が放つ。続くステップイン&ショートはクリーンヒットせず、間合いを取り直す。ハイガードでパンチを受けた直後に、踏み込んでワンツーの谷口は、このワンツーをクリーンヒットさせるか、その次を当てたい。谷口の右に下がったドリリッチだが、首相撲からヒザを見せダブルレッグへ。コーナーの指示通り、ウィザーの谷口はボディロックテイクダウンをケージを使って耐える。低い姿勢を続けるドリリッチはヒザやパンチをもらい頭を上げる。

ヒザを蹴り合う両者、谷口はテイクダウンを取られないが押し込まれた状態が続く。残り40秒、ドリリッチが離れ左を伸ばす。谷口は左右のフックを入れると、ドリリッチが距離を取り直す。谷口も圧を掛けるまで至らず、時間を迎えた。

最終回、ドリリッチがジャブ谷口は距離をつめて左右のフックも、ダーティボクシングのドリリッチがダブルレッグからケージにドライブ。ついに観客が大きなブーイングを母国のファイターに送るように。最終回、明確なラウンドがないだけに互いにどのように戦局を判断しているのか。そして勝負を掛けてリスキーな攻撃が仕掛けることがあるのか。とはいえブレイクがないということは、ドリリッチの攻勢と見ても良いだろう。

大きなブーイングが場内に響く中、ドリリッチの押し込むが続き、谷口はハイクロッチを切る。差し返して、体を入れ替えることができず守勢の谷口が、残り2分を切って離れる。右ミドルを蹴った谷口は、一度離れると左右のショートで前に出る。ドリリッチもショートのコンビで前に出てダブルレッグへ。

ゴールドコーストのファンは、ここも大ブーイングだ。谷口のヒザ蹴りから離れたドリリッチが、最後の10秒を切ってパンチの打ち合いに。互いにテレフォンパンチが増えた終盤、ダメージを与えられる攻撃は見られなかった。

タイムアップと同時に谷口はケージに駆け上がって勝利をアピール。ケージへの押し込みをジャッジはどういう裁定をするのか。ドリリッチ陣営には笑顔は見られない。結果、48-47、49-46、50-45の3-0でドリリッチがタイトルを奪回した。

新チャンピオンは「最高だ。ファンが望んだ最高のショーじゃなかったけどね。KOしたかった。でも、彼はしっかりとサウスポー対策をしてきた。良いファイターだよ。凄く準備をしてきていた」と谷口について話した。


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