【ONE FN36】プラジャンチャイとディベラが王座統一戦でリマッチ、タイ×中央アジア&コーカサスも注目
【写真】昨年6月の対戦ではサウスポーのディベラに対して、右の攻撃を有効に使ったプラジャンチャイが3R以降は圧倒した。ディベラがどんな戦術を立ててくるかがポイントだ(C)ONE
明日4日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night 36にて、ONEキックボクシング世界ストロー級王座統一戦として、正規王者プラジャンチャイ・PK・センチャイと暫定王者ジョナサン・ディベラが対戦する。
text by Takumi Nakamura
プラジャンチャイとディベラは昨年6月にONEキックボクシング世界ストロー級王座決定戦で対戦し、プラジャンチャイが判定勝利して王座戴冠。これによりプラジャンチャイはキック&ムエタイの二冠達成を果たすことになった。この一戦のあと、プラジャンチャイは今年2月にムエタイ王者として2度目の防衛戦に臨み、エリス・バルボーサをヒジでドクターストップに追い込んでTKO勝利を収めた。
一方のディベラはプラジャンチャイの王座防衛から一カ月後のONE日本大会=ONE172でサムエー・ガイヤンハーダオとONEキックボクシング世界ストロー級暫定王座決定戦で対戦し、5Rに及ぶタフファイトを制して暫定王座を獲得。ONEでプラジャンチャイと2度拳を交えているサムエーに勝ったことも含めて今回の王座統一戦につなげた。
約1年4カ月ぶりの再戦となる両者だが、前回の対戦でプラジャンチャイはサウスポーのディベラに対して本来のオーソドックスではなくサウスポーに構えて1・2・3Rを戦い、4・5Rをオーソドックスに構えるという戦術を選択。1・2Rこそディベラが持ち前のスピーディなパンチと蹴りのコンビネーションで攻めたが、3R以降はプラジャンチャイが右ミドル・右ヒザ蹴り・右ストレートを軸に試合を組み立て、ディベラの動きを制した。
サウスポーでキックルールに特化するスタイルのディベラに対し、プラジャンチャイはオーソドックス・サウスポーを駆使し、5Rフルに使ってディベラを攻略したのが前回の対戦だった。戦い方の幅や選択肢という意味ではプラジャンチャイに分があることは変わらない。サムエー戦ではローとカーフで削り勝っていディベラとしては、序盤でどれだけプラジャンチャイの足を削っていけるか。過去にプラジャンチャイはアクラム・ハミディに右カーフ・右ローを効かされて苦戦した試合もあるだけに、ディベラとしてはそこを狙っていきたい。早期決着がイメージしづらいだけに、どんな状態で3R以降の後半戦に持ち込むかが重要だ。
また今大会はタイ以外の海外配信向けのONE Fight Nightシリーズらしく、ムエタイルールでも本戦契約のタイ人選手とONE Friday Fights(ONE FF)無敗のタイ人以外のマッチアップが並ぶ。ゴントーラニー・ソー・ソンマイはウズベキスタンのアスラムジョン・オルチコフ(ONE戦績:8戦8勝)、ジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリーはアゼルバイジャンのアキフ・グルザダ(ONE戦績:4戦4勝)を迎え撃つ。
オルチコフとグルザダともに構えをスイッチしながら派手な蹴り技を織り交ぜて戦うスタイルでムエタイにはない戦い方を持つ。ここまでONE FFでは圧倒的な強さを見せつけてきたが、本戦契約選手のゴントーラニーやジャオスアヤイ相手にそれが通用するか。ここでオルチコフとグルザダが勝利するようなことがあれば、一気にトップ戦線に浮上することになる。今後のタイトル争いの行方はもちろん、ONEムエタイ全体のトレンドとして本格的に中央アジア・コーカサス勢がトップ選手に絡んでくるのか――そのきっかけになるかもしれない2連戦だ。
■放送予定
10月4日(土)
午前9時45分~U-NEXT