【ONE FF123】小笠原瑛作と久井大夢がムエタイルールで参戦。キックルールには5戦5勝の吉田晄成が登場
【写真】敗戦と怪我からの再起戦となる小笠原。ストロー級も視野に入れたうえでの129ポンド(58.51キロ)での試合に挑む(C)ONE
本日5日(金)タイはバンコクのルンピニースタジアムでONE FF123が開催され、日本からは小笠原瑛作、久井大夢、吉田晄成の3選手が出場する。
Text by Takumi Nakamura
KNOCK OUTとONEを主戦場に戦う小笠原は第3試合でサニット・ルークサムスアと129ポンド契約のムエタイルールで対戦し、第5試合ではKNOCK OUTで数々のタイトルを獲得した久井がONE FF初参戦を果たし、140ポンド契約のムエタイルールでチャン・チンタオと対戦。そしてRISEフェザー級15位の吉田晄成はキックボクシングルール(131ポンド契約)でトヴァン・ノピアンと対戦する。
小笠原は2023年8月からONEに参戦して、ここまでのONE戦績は4戦して2勝2敗。ONE参戦以降はKNOCK OUTでもMMAグローブ着用のREDルールで試合を重ね、ONEでのタイトル挑戦を目標に掲げてキャリアを積んできた。
昨年12月のKNOCK OUTでチョムラウン・クンクメール戦に挑んだ小笠原は1Rにスリップしてバランスを崩し、一旦距離と間が空いたにも関わらず、チョムラウンが顔面への蹴りを放ってそれが小笠原を直撃。レフェリーは反則と判断せずに試合続行となり、チョムラウンの追撃で小笠原がKO負け→後日ノーコンテスト裁定に変更というアクシデントに見舞われた。さらに小笠原はこの試合で右腕を骨折して長期欠場を余儀なくされた。約8カ月ぶりの復帰戦となる小笠原はこれまでONEで戦ってきた132ポンド(59.87キロ)よりも軽い129ポンド(58.51キロ)での試合となり、タイトルを目指すうえでフライ級(61.2キロ)だけでなくストロー級(56.7キロ)も視野に入れた試合となる。
小笠原と対戦するサニット・ルークサムスアは今回がONE FFは2戦目。8月のONE FF119=ONEデビュー戦ではミャンマーラウェイ出身のセイン・ロンチョーと対戦し、公式プロフィールではムエカオ=ヒザ蹴りを得意とする選手として紹介されていたが、実際の試合では首相撲はほぼ使わず。右ロー・右ミドルでペースを掴み、2Rはスイッチしてからの左ストレートを効かせ、ロンチョーの左フックに左フックのカウンターを合わせる&倒れ際の左ハイでKO勝ちを収めている。
ロンチョー戦を見る限り、首相撲を駆使するというよりも蹴りで試合を組み立ててパンチのカウンターを合わせるテクニシャンタイプの試合う運びを見せている。小笠原との対戦ではサウスポー(小笠原)×オーソドックス(サニット)という図式となり、小笠原としてはサニットの右ミドルをはじめとする右の蹴りでいかにペースを握らせないかがポイントになってくる。
そして小笠原と同じくKNOCK OUTから参戦する久井はアマチュア時代からKNOCK OUTで活躍し、プロデビュー後はKNOCK OUTのRED(60キロ)・BLACK(60キロ・62.5キロ)の両ルールでベルトを巻いた。今回がONE FF初参戦、中国のチンタオとムエタイルールで対戦する。
チンタオは8月のONE FF118でONEデビューを果たし、ONE FFで3連続KO勝利中の日本の成尾拓輝とキックボクシングルールで対戦。1Rは成尾が鋭い蹴りでペースを掴み、伸びのある右ストレート、三日月蹴り、右カーフで一方的に攻め込んだが、2Rにチンタオがガードを上げて突進。成尾をコーナーに詰めての右ストレートと左フックでダウンを奪い、パンチの打ち合いからガード越しの右ハイキックで成尾をマットに沈めた。フィニッシュは見事な一撃ではあったものの、成尾の蹴りに苦戦を強いられての逆転KO勝利と言える内容だった。
久井も成尾と同じく蹴り=遠い間合いで試合を進め、近距離での不用意な打ち合いは避ける展開に持ち込みたい。成尾戦では三日月蹴りやカーフで足が止まる場面もあったチンタオだけに、射程の長い蹴りでボディと足を効かせてから仕留めにいきたいところだ。
8.29KNOCK OUT後楽園大会ではオリジナルの八角形リング=KNOCK OUT+OKTAGON=KNOCKTAGON(ノクタゴン)とLEDを使用した場内演出で大きなインパクトを残したKNOCK OUT。そのKNOCK OUTからONEに参戦するトップ選手の試合という意味でも注目が集まる小笠原・久井のムエタイ戦だ。
そしてキックルールで参戦する吉田もプロ戦績5戦5勝(1KO)と無敗のファイター。先日ONE FFで勝利を収めたGUMPらと同じTEAM TEPPENに所属している。ホームリングであるRISEでは10.19RISE192で元RISEフェザー級王者の梅井泰成との対戦も控えており、梅井戦に向けて弾みをつける勝利が求められる。