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【KNOCK OUT56】13カ月振りの実戦はUNLIMITEDルール、松嶋こよみ「今成ロールをやろうかなって」

【写真】色々なことがありすぎた。それでも、やるべきことをやるしかない(C)MMAPLANET

明日29日(金)、東京都文京区の後楽園ホールでKNOCK OUT56「New Beginning」が開催され、松嶋こよみが中国のジャン・チャオとUNLMITEDルール58キロ契約で戦う。
text by Manabu Takashima

実戦は昨年7月以来、13カ月振りとなる松嶋。この間LFAと契約もビザがとれず、UFCへ続く道に進むことができず足踏み状態にあり、ジムの代表を亡くしたことで自らがジムを経営する立場となった。

人生の転換期にあって、MMAでなくUNLIMITEDに挑む松嶋に話を訊いた。


LFAと契約しても試合ができないのなら、辞め時じゃないのかとも考えました

――あれっ、髪の毛がバッサリとカットされていますね。

「ハイ。グラップリングの練習の時に、髪の毛が長いと邪魔すぎて(笑)。去年の試合が終わった時から切りたくてしょうがなくて、次の試合が決まったら切ろうと。そうしたら、全然試合ができなくなってしまって、ずっと伸ばし続けていた感じでした」

――UNLIMITEDルールで1年1月振りのファイトとなります。

「MMAでないという部分は、どうしても残ってしまっています。でも、このルールでも僕は強いと言ってもらえて試合が決まったので、しっかりと仕事をしたいと思います」

――UFCを諦めない。そしてLFAと契約したにもか関わらず、1年近く経ってもビザが取れない。そのまま試合ができないという状況が続いてしまいました。

「ビザだけでなくジムの代表が亡くなり、本当に色々なことがあって。自分の練習のこと、ジムのことと忙しすぎてどうしたら良いのか分からない……LFAと契約しても試合ができないのなら、辞め時じゃないのかとも考えました」

――……。

「そういうなかで、こうやってオファーを貰って。とてもありがたかったです」

――MMAではない。ただし、過去に経験したことがないルールの戦いに臨むことで違った意味で緊張感はないですか。

「そうですね、気を引き締めないといけない相手……ムエタイの選手だとか、そういう選手とこのUNLIMITEDルールで戦って打撃を磨くという気持ちでいました。結果、中国のMMAを戦っている選手が相手になった。それはしょうがないことなので、やっぱり打撃を磨くための試合にしたいです」

MMAの技術で勝たないといけない

――正直キックボクサーやムエタイの選手、特に結果を残している選手がUNLIMITEDで松嶋選手と戦うことに応じるのは、難しいことかと思います。それでも、そういう選手と試合がしたかったと。

「そうですね。戦ってくれそうな選手もいたんですけどね。これから海外の選手と戦っていくには、MMAファイターにない打撃を持っている選手と戦うことが良い経験になるので、そういう選手と戦いたかったです」

――MMAファイターとUNLIMITEDルールで戦うとしても、ならMMAで勝てば良い。そうシンプルに思いました。

「ここ最近はグラップリングに力を入れてきて、それこそ足関節とか今までやってこなかったことも練習してきたので、それを出したいと言いたいんですけど(苦笑)。

それでもMMAの打撃をこのルールでしっかりと出したいとは思っています。ヒジ打ちだったり、組み際で打撃だったり、そういう攻防をちょっと出したいと思います。UNLIMITEDルールに適した技術や戦い方は実際にあるはずです。でも、それをすることなくMMAの技術で勝たないといけないというのは僕のなかにもあります」

――目指すところはユニファイドのMMA。UNLMITEDではユニファイドで反則のグラウンドでのヒザ、踏みつけ、サッカーボールキックという攻撃が認められています。

「正直、サッカーボールキックや四点ヒザは、練習でもしていないです。でも、許されているモノだから試合になったら自然に出る……そういう人間性が勝手に出てしまう(苦笑)」

――それを荒々しくなく、冷静に使う。そんな怖い松嶋こよみを期待しています。ただ、戦いには人間性が出てくるのも確か。そういう部分で、どのような試合にしたいと考えていますか。

「それこそジムの代表になったので、会員さんだったり、ジムで練習をしている子たちだったりに、しっかりと自分を見せたい。普段、自分が言っていることを試合で実践しないと。そうでないと皆、『おいおい』ってなっちゃいますよね。会員さん達に伝えていることを試合で見せる。打ち込みでやっていることで勝ちたい。ここまでやってきたことを出したいですね」

――ジャン・チャオは打撃系、UNLMITEDで勝つための試合をしてくるかもしれないです。

「まぁ、キックの間合いで打撃をしてくるなら、それも練習してきたこと。MMAに含まれています。彼がキックをしてこようとしても、僕は普段からやってきたことで勝ちます。くっついてくればクリンチの打撃だとか、そういう動きも出せますし」

――ダーティーボクシングは、誰と磨いてきたのですか。

「それは良太郎さんのミットや、首相撲でやってきたことです。スパーで試したり。もちろん、ヒジは思い切り打つことはできないですけどね」

――オフィシャルのインタビューで、危険な技を見せたいというような言葉もありました。

「仮に寝技になった時にブレイク狙いで下から組みついてくるようなことがあれば、立ち上がって思い切りスラムで叩きつけるとか」

――実際にデビュー間もないころにスラムでTKO勝ちしています(2015年8月、PXCのエリック・ガトマン戦)。

「スラムのKOって、UNLIMITEDルールではまだないですよね。このルールでも、誰も見せてこなかった危険な技術で。それが出しやすいルールになるのなら、どんどん使っていきたいです。しがみつけば大丈夫なんて思っていると、『MMAファイターは危ないよ』って見せようというイメージで準備してきたので(笑)。そういう危険なところは、出せる機会があれば出したいです」

――単にサッカーボールキックや四点ヒザということではないのですね。

「そういうことを出さないで勝つ練習をずっとしてきたので。基本的にはMMAをするつもりでいます。それこそ下になったって構わないです。グラップリングや柔術の練習をしてきたので、サブミッションが反則でもそこでやってきたことは生きます。

足関節だって、サブミッションにいかなければスイープとして使えますし。だから今成ロールをやろうかなって思っています(笑)。
下になったとき、サッカーボールキックはやはり危ないです。でも、サッカーボールキックを狙って、それを決めて勝つなんて難しいですよ」

――色々と考える機会にもなり、準備段階からUNLIMITEDルールは良い経験になりそうですね。

「まぁ、危険な技はいっぱいあります。それをふんだんに使って、しっかりと仕留めて良い練習を終えたいと思います」

――練習?

「真剣な練習。練習試合、MMAを戦ううえでUNLIMITEDルールはそういう位置づけではあります」

■視聴方法(予定)
8月29日(金)
午後5時15分~U-NEXT

■KNOCK OUT56対戦カード

<KNOCK OUT-RED59キロ契約/3分3R>
軍司泰斗(日本)
ゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー(タイ)

<KNOCK OUT-REDライト級(62.5キロ)/3分3R>
下地奏人(日本)
ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ)

<KNOCK OUT-REDライト級(62.5キロ)/3分3R>
古村匡平(日本)
プンルアン・バーンランバー(タイ)

<KNOCK OUT-BLACK女子ライトフライ級(49キロ)/3分3R>
ぱんちゃん璃奈(日本)
アム・ザ・ロケット(タイ)

<KNOCK OUT-UNLIMITED 68キロ契約/3分3R>
松嶋こよみ(日本)
ジャン・チャオ(中国)

<KNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級(60キロ)/3分3R>
カルロス・モタ(ブラジル)
中村悠磨(日本)

<KNOCK OUT-REDフェザー級(57.5キロ)/3分3R>
祐輝(日本)
勇成(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED 68キロ契約/3分3R>
高塩竜司(日本)
石田協(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーライト級(65キロ)/3分3R>
木村亮彦(日本)
ふくやーまん(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED58キロ契約/2分3R>
松本飛雅(日本)
西村虎次郎(日本)

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