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【UFC ABC08】バハモンデス戦。ラファエル・フィジエフ「飛び込んでアグレッシブに戦うしか勝機はない」

【写真】非常に落ち着いた口調で、通訳なしで英語のインタビューをこなしたフィジエフ (C)MMAPLANET

21日(土・現地時間)、アゼルバイジャンはバクーのバクー・クリスタルホールでUFC on ABC08「Hill vs Rountree Jr」が開催される。
text by Takumi Nakamura

(C)Zuffa/UFC

堀口恭司のUFC復帰戦が予定されていたが惜しくも負傷欠場となった同大会。

お隣、韓国からコ・ソクヒョンがUFC初戦を迎え、同胞のパク・ジュンヨンとUFC初のアゼルバイジャン大会を戦う。そんな今大会のコメインでラファエル・フィジエフが、イグナシオ・バハモンデスと戦う。

当初はキルギス国籍で戦っていたフィジエフだが、父の生まれたアゼルバイジャンの旗の下オクタゴンで戦うようになって久しい。そのフィジエフにルーツのとなる国での試合に向けて心境を尋ねた。


(C)Zuffa/UFC

――イグナシオ・バハモンデスと今週末、バクーで戦います。

今の気持ちを教えてください(※取材は18日に行われた)。

「もう僕は10年ほど、ほどんどの時間をタイで過ごしているけど、アゼルバイジャンはルーツの国だ。僕の父親がアゼルバイジャン人で、母はロシア人で叔父や叔母、従弟がたくさん住んでいる。一族が僕の試合を見るために、会場にやってきてくれる。それに多くのファンも、この国にいる。彼らの前でMMAとは何かという試合をしたいと思う」

――UFCがアゼルバイジャンでイベントを開くことをどのように思っていますか。

「(イルハム・アリエフ)大統領がスポーツが好きで、様々なスポーツを誘致しているし、彼はコンバットスポーツのファンでもあるんだ。大統領がUFCをアゼルバイジャンに呼びたいと思っていることは分かっていたよ。

トフィック・ムサエフとナジム・サディコフ、そして僕と3人のアゼルバイジャン人ファイターが出場する。大統領だけでなく、アゼルバイジャンの人々はコンバットスポーツを愛している。若い頃から何かしらのコンバットスポーツを学んでいるんだ。7,8歳になると誰もがレスリングや柔道、テコンドー、空手などの練習を始める。そんな国だから、UFCを皆が楽しみにしている。それにアゼルバイジャンだけでない。

この国はロシア、アルメニア、ジョージアと陸続きで、カスピ海の向こうにはカザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタンがある。これら全ての国でコンバットスポーツの人気は高い。そのなかでアゼルバイジャンにUFCがやってきた。それだけ社会も注目しているということだよ。そしてUFCがバクーで行われることで、若い選手たちのモチベーションになることは間違いないだろう」

――そんなバクー大会での試合を控えるラファエルですが、現状3連敗中です。うち2試合でファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得しています。プロフェッショナルファイターとして試合には負けましたが、ファンが満喫できる試合ができていることをどのように自己評価していますか。

「とにかく、誰も敗北なんて求めていない。だからといって、いつも思い通りの結果が得られるわけでもない。それが人生っていもので。ケージには2人しかいないんだから、1人が勝って1人が負ける。

まぁ3連敗して、ファイト・オブ・ザ・ナイトを2度獲得したってことは、僕に運がなかったことを表している。こういうスポーツをしていると、運も大切なんだよ。まぁ、そういうことだよ」

――では対戦相手のバハモンデスですが、彼は3連勝中で3試合連続パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得しています。

(C)Zuffa/UFC

「イグナシオは良いファイターだ。

遠路はるばるアゼルバイジャンまで来て戦う姿勢も、好きだ。試合でも安全な場所に身を置いて戦うようなことなく、常に前に出てくるのと共通している。だからファイト好きには、たまらない試合になるだろう」

――彼のスイッチをして、蹴りを散らす。そして、しっかりとタイミングを測るファイトをどのように思いますか。

(C)Zuffa/UFC

「彼は良いキックボクサーだよ。

ただ、僕はずっとキックボクシングやムエタイを戦ってきた。素晴らしいキック、ムエタイの戦いを見せることができるだろう。彼のキックはレベルが違う。そして、僕のキックも次元が違う。良い打撃戦になるだろうね。

イグナシオは長身でリーチが長い。そのことを理解して、タイミングを取っている。背の低い方は、飛び込んでアグレッシブに戦うしか勝機はない。それが僕にも当てはまることで、イグナシオとの試合で下がるようなことがあれば、彼を調子づかせてしまう。そうならないために、僕は常にアグレッシブに戦う必要がある。彼にタイミングを測らせないためにもね。

あのレンジの取り方は、僕もしっかりと対応する必要がある。彼の距離をキープさせて、パンチや蹴りを出しやすいようにしてはならない。まぁ、そこも十分に理解して僕は僕で、自分の戦いを貫くだけだ」

――アゼルバイジャンのファンに何を見せたいですか。

「素晴らしいMMA、素晴らしい打撃戦を披露したい」

――では最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「日本のファンの応援に感謝している。ファンがこのスポーツを発展させてくれる。だらこそ、皆に感謝しているんだ」


■視聴方法(予定)
6月22日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC FIGHT PASS
午前0時45分~U-NEXT

■対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
ジャマール・ヒル(米国)
カリル・ラウントリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)
イグナシオ・バハモンデス(チリ)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーティス・ブレイズ(米国)
リズワン・クニエフ(ロシア)

<165ポンド契約/5分3R>
ミクティベク・オロルバイ(キルギス)
トフィック・ムサエッフ(アゼルバイジャン)

<ライト級/5分3R>
ナジム・サディコフ(アゼルバイジャン)
ニコラス・モッタ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ムハンマジョン・ナミモフ(タジキスタン)
ボグダン・グラッド(オーストリア)

<ウェルター級/5分3R>
コ・ソクヒョン(韓国)
オーバン・エリオット(英国)

<ミドル級/5分3R>
イズミール・ヌルディエフ(オーストリア)
パク・ジュンヨン(韓国)

<女子ロシア級/5分3R>
ダリア・ジリシニコワ(ロシア)
メリッサ・トーニャ・モリンス(英国)

<女子バンタム級/5分3R>
イリナ・アレクシーワ(ロシア)
クラウディア・セグーワ(ポーランド)

<フライ級/5分3R>
タジル・ウランベコフ(ロシア)
アザット・マクスン(カザフスタン)

<ヘビー級/5分3R>
モハメド・ウスマン(ナイジェリア)
ハムディ・アルデルワハブ(エジプト)

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