【RIZIN OTOKOMATSURI】初参戦で太田忍と激突、ダニー・サバテロ「本当にアイツのことが嫌いなんだ」
【写真】イタリアン・ギャングスターのナイスガイ、ダニー・サバテロ。しかし今回のトラッシュトークについては……(C)MMAPLANET
4日(日)に東京都文京区の東京ドームで開催されるRIZIN男祭りから、イタリアン・ギャングスターことダニー・サバテロがRIZINに本格再戦を果たす。
Text by Manabu Takashima
国内勢との戦い+キム・スーチョルという勢力分布図が続き、フェザー級やフライ級と比較して外洋からの脅威が希薄あったRIZINバンタム級戦線に、北米トップレベルのサバテロが襲来する。
対戦相手の太田忍のことを「本当に嫌いなヤツ」と、トラッシュトークがショーを盛り上げるためでなく本音だと告白したサバテロは、PFLワールド・トーナメントをこけ下ろすと同時に、RIZINバンタム級を盛り上げることを明言。
さらにRIZINルール&リングでの戦いが、ユニファイド&ケージによって制限されていた本当の能力をぶつける舞台と断言した。
グラウンドでストラキング・フリーというのは、実はグラップラーに適している
──10日後には東京ドームで太田忍選手と対戦します。今の気持ちを教えてください(※取材は4月24日に行われた)。
「これからキャリアのピークを迎えるにあたって、過去最高のコンディションにある。そして、これからもこの調子をキープできるだろう。なんせ、俺はスマートかつハードなトレーニングを続けてきたからな。キャンプも格別に良かった。10日後、日本でシノブをぶちのめすよ。もう待ちきれないよ」
──これからピークを迎えるというダニーですが、去年は1試合しか戦うことができませんでした。
「年に20回は戦える俺からすると、1試合なんてこりごりだ。可能な限り、多くの試合をこなしたいと思っているのに。体が頑丈でケガがあまりない。いや、ケガをしていてもオファーがあれば戦う。ファイトから距離をおくことはないし、バックれることもない。ケガもなく、病気でもなければ、可能な限り多くの試合を戦いたい。
それなのに去年は1試合しか戦うことができなかった。プロモーションの問題で俺が原因じゃない。1年に1試合しか戦えないなんて、フレストレーションがたまる一方だった。俺が、これがクソ大好きなわけで。
もっと継続的に試合がしたいと思っていた。RIZINと契約したから、もっと頻繁に試合機会を得ることができると期待している。このRIZINという場で、キャリアを全うしたいんだ」
──PFL傘下となったBellatorは活動をやめ、離脱するファイターも少なくないです。ダニーも試合を組まないPFLに嫌気がさしたということでしょうか。
「前の試合が、契約の最後だった。フリーエージェントになり、どこで戦うのかベストかを考えた。僕は最高のエージェントが付いているから、色々な選択があった。その中でベストのチョイスがRIZINで戦うことだった。いつだって日本で試合をすることは楽しみでならないから。プロモーションとは長い付き合いがしたい。そういう意味でも、RIZINで戦うことは最高の機会だと捉えている。
PFLのことを悪くいうつもりはない。そこから一歩踏み出して、俺の目はRIZINだけを捉えてきた。同時に俺はMMAを愛しすぎているから、どのプロモーションのことも好意的に見ている。ただRIZINは日本で爆発的な人気を誇っており、他の誰も手の届かない領域にある。それこそ、俺が戦うのにパーフェクトな環境だ。ファンもファイティングを理解しているから、俺もありのままのファイトができる。日本のファンが、このスポーツを理解しているからだ。だから、いつも以上にワクワクしている。世界で一番のファンの前で戦えることに、エキサイトしまくっているんだよ」
──正直PFLにはPFLの良さがあり、またBellatorを吸収したことでベスト・オブ・ザ・レストが集まることに期待していました。特に今年は8人トーナメントに規模が縮小したとはいえダニーも戦っているバンタム級にもスポットが集まるので。ただし、ワールド・トーナメントの顔ぶれは……。
「PFLのトーナメントに出ている顔触れは、なんだ? ひどいもんだ。最悪だろ。とんでもないメンバーになってしまっている。準決勝に進出した4人を見ても、アマチュアみたいだ。俺はハイレベルな環境で戦っていきたかったから、RIZINと契約して良かったと思っている。とはいえ、RIZINバンタム級を乗っ取るつもりで戦うんだけどな。当然、その方がPFLトーナメントに出るよりも楽しみが多い。
ただPFLのバンタム級も、これからは良くなっていくだろう。そうなることを願っているし、レベルの高い試合を見たい。同様にRIZINのバンタム級もこれから、よりパワフルなっていくに違いない。なんせ、俺が加わるんだからな」
──正直、フェザー級やフライ級と比較すると、まだ日本人中心です。そこにダニーがやってきた。これはバンタム級もグローバル化が進むのかと期待しています。
「RIZINは日本で揉まれたハイレベルなファイターが揃っている。そして俺がRIZINを選んだように、同じことを考えているファイターが世界中にいる。RIZINと契約したいと考えるバンタム級のファイターは世界中にいるはずだ。そんなハイレベルな連中が、このエリートカンパニーとサインすることを願っている。とにかく今は5月4日に戦うシノブ・オオタ戦に集中しないといけない。そして、この試合で勝って次はタイトルショット。ベルトを巻いて、ハイレベルなファイターを相手に防衛し続けたい。そう思っている。RIZINは今、凄い勢いで世界で認識されるようになっている。だからこそ、さっきも言ったがが、世界中から強いファイターがRIZINに集まるようになってほしい」
──その第一歩となる大切な試合の相手、太田選手の印象を教えてください。
「ガツンとくるヤツだよ。グレコで五輪シルバーメダリスト、でも俺たちが戦うのはグレコローマンレスリングじゃない。グレコって、MMAに生かせることが多くないだろ。MMAは足に組み付いていくものだから、別物だ。彼はグレコでは強い、でもMMAはシューズも履かないし、エルボーやヒザがある。ムエタイ、キックボクシング、ボクシング、全てが使える。アイツに俺のMMAに対抗する術はない。懸命にトラッシュトークは仕掛けてくるけどな(笑)。
俺たちは互いに嫌い合っているから、血を見ることになるだろうな。試合を盛り上げるためにやっているんじゃない。本当にアイツのことが嫌いなんだ。1年もトラッシュトークを繰り返してきた。東京ドームという最高の舞台で、アイツをぶちのめす。パンチ、ヒザで……エキサイティングな試合になるだろう。五輪メダリストだから知名度も高いだろうけど、俺とは比較にならない。もう一度言うが、グレコとMMAは違うんだ」
──ダニーの遠い位置から、低い姿勢のシングルやヒザを着いてダブルで押し込むという戦法は、RIZINではがぶられてヒザをもらう可能性もあります。
「RIZINルールは最高だ。MMAにあって、もっとも純粋な戦いに近づくことができる。リングだろうが、ケージだろうが、ベストが誰かが分かるルールだ。『これはやっちゃいけない』、『アレは変則だ』なんて言っていたら誰がベストか分からない。RIZINはそうじゃない。単純に、その強さをぶつけ合うだけだ。
確かにシノブは俺のテイクダウンを止めると、ヒザを頭に入れることができる。それがRIZINのルールだ。ただし、俺はテイクダウンができるし、ヒザが使えるのも同じだ。グラウンドでヒザが使えることで、本当にグラップラーは戦いやすくなる。キャンバスにヒザをついて組んでくるヤツに、攻撃ができるんだから俺向きのルールだ。
グラウンドでストラキング・フリーというのは、実はグラップラーに適しているんだよ。どの場所からも打撃を入れることができるのだから。そして、ファイト自体がエキサイティングになる。俺がどういうポジションで打撃を使うのか、見ていてほしい」
ケージでも問題ないのだから、リングではもっと問題ない。スイミングプールでもぶっ倒せる
──押忍。ではリングでの戦いはどのように思っていますか。アジャストがどれぐらいに必要になってくるでしょうか。
「リングとケージは違う。でも、俺の戦い方は変える必要はそれほどない。ケージがあるとテイクダウンしても立たれやすいけど、リングだとしっかりと腕を通すことができるから都合が良い。それに足を払うスペースも、ケージより多い。ケージは北米ルールと同じで、足枷になる。リングでは、もっと自由に持っているモノを出すことができる。ケージではテイクダウンの限界値が下がってしまっているのが、リングだと最大限に使えるようになるからな」
──ダニーがコーナーで、どのような動きを見せるのか楽しみです。
「コーナーを特別に意識して、自分の戦い方を変えようとは思っていない。今、言ったように自分の持っているものがフルに使えるようになるわけで。純粋に力があるファイターが勝利しやすい。それがリングであり、RIZINルールだと思っている。そして俺はシノブより、力がある。ケージでも問題ないのだから、リングではもっと問題ない。アイツをフィニッシュするよ。まぁ、アイツならスイミングプールでもぶっ倒せるけどな(笑)。
そのために、しっかりと準備をしてきた。1日に2度もATTで練習をしていると、誰もが怪我をする可能性がある。だからトレーニング相手が変わることもあるけど、常に良い練習ができた。それに俺自身はケガもなく、体調はバッチリ仕上がっている。減量もここまで順調だし、本当に調子が良いんだ。もう体調的には、いつでも戦える状態になっている」
──太田選手と戦ううえで、特別な対策練習やトレーニングパートナーを用意していましたか。
「俺は世界中から集まったベストガイとトレーニングをしている。ゴールはシノブ・オオタに勝つことでなく、RIZINのチャンピオンになることだ。だから、あらゆるタイプのファイターと練習している。ただ、今回はキョージとよく練習をしたよ。
キョージの相手と、俺が似ているってこともあって。そうだね、今回はキョージ・ホリグチ、ペドロ・ムニョスと一緒にやることが多かった。レベルの高い選手との練習は、スタイル云々よりも、単に強いんだから役に立つことだらけだ。キョージはフライ級で世界のトップだ。シノブ・オオタはキョージの足元にも及ばない。そういう意味でも、キョージに強化してもらったよ」
──堀口選手もダニーもニューチャプターに突入しますね。
「キョージはRIZINからUFCと、世界のトップ2のプロモーションでベルトを巻くことになるだろう。あれだけ技術力があって、誰よりも努力するハードワーカーだ。キョージは必ずUFCでも、成功を収めるよ。RIZINチャンピオンから、UFCチャンピオンになるんだ。
そして東京ドームでイタリアン・ギャングスタ―は、RIZINでの第一歩を示す。一つ、一つエキサイティングな試合をしてRIZINのチャンピオンになる。シノブ・オオタに勝ったユーキ・モトヤがタイトルに挑戦した。俺ならナオキ・イノウエとも最高のファイトを見せることができるに違いない。シノブ・オオタを打ち負かしてタイトルに挑戦したい。
ただし、すぐに実現しなくても全く問題ない。俺がやるべきことは、RIZINが用意する全ての相手を倒すこと。タイトルショットか、そうではないかは大した違いじゃない。最終的に俺がRIZINのバンタム級チャンピオンになるんだから。とにかくベルトを奪うために、まずはシノブ・オオタを倒す」
■視聴方法(予定)
5月4日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN OTOKOMATSURI 対戦カード
<RIZINフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]クレベル・コイケ(ブラジル)
[挑戦者]ラジャブアリ・シェイドラエフ(キルギス)
<フェザー級/5分3R>
朝倉未来(日本)
鈴木千裕(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
秋元強真(日本)
<フェザー級/5分3R>
萩原京平(日本)
西谷大成(日本)
<RIZINワールドGPヘビー級T一回戦/5分3R>
上田幹雄(日本)
シビサイ頌真(日本)
<RIZINワールドGPヘビー級T一回戦/5分3R>
スダリオ剛(日本)
ジョゼ・アウグスト(ブラジル)
<RIZINワールドGPヘビー級T一回戦/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
ダニエル・ジェームス(米国)
<RIZINスタンディングバウト特別ルール 98キロ契約/3分3R>
皇治(日本)
シナ・カリミアン(イラン)
<59キロ契約/5分3R>
神龍誠(日本)
伊藤裕樹(日本)
<ライト級/5分3R>
中村大介(日本)
桜庭大世(日本)
<バンタム級/5分3R>
ダニー・サバテロ(米国)
太田忍(日本)
<フライ級/5分3R>
ヒロヤ(日本)
篠塚辰樹(日本)
<フライ級/5分3R>
ジョン・ドッドソン(米国)
征矢貴(日本)
<キック 63キロ契約/3分3R>
朝久泰央(日本)
ウザ強ヨシヤ(日本)
<フライ級/5分3R>
山本アーセン(日本)
冨澤大智(日本)
<フライ級/5分3R>
平本丈(日本)
田丸辰(日本)
<75キロ契約/5分2R>
佐々木大(日本)
中谷優我(日本)
<フェザー級/5分2R>
上田貴央(日本)
ヴィニシウス(ブラジル)
<キック 57.5キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
橋本楓汰(日本)