【UFC314】組み技師ブライス・ミッチェルと対戦。ジアン・シウバ「ゴールがKOでもプロセスは違う」
【写真】バリカンを当てられている選手にインタビューをしたのは初めてだった。(C)MMAPLANET
12日(土・現地時間)、フロリダ州マイアミのカセヤ・センターで開催されるUFC 314「Volkanovski vs Lopes 」で、ジアン・シウバがブライス・ミッチェルと対戦する。
text by Manabu Takashima
キャリア15勝2敗、オクタゴンもデビュー以来4連勝のストライカー。ジアン・シウバの打撃は完全にMMAを消化している。戦いのふり幅が広いMMAの一つひとつの局面にフィットした打撃の持ち主に初インタビューを試みた。
対戦相手は17勝2敗でUFCでも8勝2敗、一本勝ちは9度を数えるグラップラーとの対戦に向けて、シウバはクールにKO宣言を。メインがUFC世界フェザー級王座決定戦、ヤイール・ロドリゲス✕パトリシオ・フレイレと共にPPVカードで組まれた一戦。プレリミでもダン・イゲ✕ショーン・ウッドソン、ダレン・エルキンス✕ジュリアン・エロサと145ポンドの試合がズラリと並んだなかで、シウバは圧倒的なインパクトを残す可能性を秘めている。
それだけの可能性を持つ打撃に関して話すときも、実に落ち着き払っていたシウバ。現実を受け入れることで、彼の打撃は精度が高まる。そして、見る者全てを魅了する打撃を繰り出すジアン・シウバは、リアリスティック・ファンタジスタだ。
──えぇと。これからヘアカットですか……。このような状況でインタビューとは恐れ入ります。そして記者生活30年で初めてのことです(笑)。
「アハハハハ。ほんと、僕もだよ。そんなサービスをUFCがしていることも知らなかった。まぁ、キレイな頭にしてもらうよ(笑)」
──そんななかブライス・ミッチェルと土曜日に戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は8日に行われた)。
「土曜日にぶっ飛ばされる相手の事を考えると気の毒だけど、僕自身は最高の状態だよ」
──前回、元K-1ファイターのメルシック・バダザリアンを右ストレートでKOしました。衝撃の結末といえました。
「ヤツがK-1ファイターでキックのチャンピオンだったとしても、僕もキックボクシングのチャンピオンだった。サブミッションに頼ることなく、打撃で倒せたことに別に驚きはない」
──今からするとメルシックの打撃は、キックボクシングをMMAにアジャストしている状況で、ジアンの打撃はMMAストライキングとして別物になっているようにも感じました。
「キックボクシング自体が、僕とメルシックでは違っていた。僕のキックは、よりストリートファイトに近いんだ。あの試合は気持ちをしっかりとコントロールできていた。だから、打ち気にはやる相手を倒せたんだよ。スタンスや角度、レンジは当然キックやムエタイとMMAは違う。でも、それはMMAの試合を戦うなかで、対戦相手によっても違ってくる。
メルシック・バダザリアンと戦う時と、ブライス・ミッチェルと戦う時は僕のスタンスや距離も違ってくる。ミッチェルの重心は、ずっと低いからね。ゴールがKOでも、そこにたどり着くプロセスは違う。戦術によって僕の戦い方は変わってくるよ」
──そのためか、ジアンの試合は序盤は相手のことを観察しているようにも見えます。そして距離とタイミングを掴むような。
「確かに、試合の最初は相手の動きを見る必要がある。それもチームでしっかりと対策練習をして、戦術を頭に入れているからだ。どのように戦えば良いのかを理解して、オクタゴンに上がる。そして、ゲームプランに即して戦うんだよ」
──では改めてブライス・ミッチェルの印象を教えてください。
「良い選手だけど、ちょっと喋り過ぎだな。そういう点を除けばエジソン・バルボーザやイリャ・トプリア、ダン・イゲという強い選手と戦っていて経験値も高い。簡単でない相手と戦ってきている。確かUFCで初めてツイスターを極めたファイターだ。
ツイスターにしても、他のサブミッションの仕掛けにしても印象深い試合をしている。でも、土曜日の試合が終われば誰も気にしなくなる。彼の実績が、そのまま僕の実績に書き換えられるだけで。どっちしても、僕がやるべきことはヤツをKOすること。そのために、しっかりと注意を払って戦うよ」
──ミッチェルのグラップリングは独特なものです。一方でジアンの打撃も想像力豊かで、ストライキング・ファンタジスタと呼びたくなる動きです。この対決で何を見せたいと思っていますか。
「オクタゴンに上がって、自分の全てを見せる。そして、最後はファンにノックアウトを見てもらうよ」
──フェザー級王座決定戦、ロドリゲス✕ピットブルも含め、5試合もの145ポンドの試合が組まれています。世界戦前にインパクトを残すことが、タイトルショットに近づくことになるかと。
「今、バリカンを当てられている状況でインタビューを受けている。今回、戦う場所はマイアミだ。そして対戦相手はブライス・ミッチェル。全て、UFCが望み契約が成立したうえで、ここにいる。この試合に勝ってからも、UFCが用意したことに従うのみだよ」
■視聴方法(予定)
4月13日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前6時 30分~U-NEXT
■UFC314対戦カード
<UFC世界フェザー級王座決定戦/5分5R>
アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
マイケル・チャンドラー(米国)
パディ・ピンブレット(英国)
<フェザー級/5分3R>
ヤイール・ロドリゲス(メキシコ)
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
ジアン・シウバ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)
ドミニク・レイエス(米国)
<フェザー級/5分3R>
ダン・イゲ(米国)
ショーン・ウッドソン(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)
ヤン・シャオナン(中国)
<ライト級/5分3R>
チェイス・フーパー(米国)
ジム・ミラー(米国)
<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
ジュリアン・エロサ(米国)
<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)
<フライ級/5分3R>
スムダーチー(中国)
ミッチ・ラポーゾ(米国)
<ミドル級/5分3R>
トレシャン・ゴア(米国)
マルコ・トゥーリオ(ブラジル)
<137.5ポンド契約/5分3R>
ノハ・コホノール(フランス)
ヘイリー・コーワン(米国)