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【Gladiator030】現在16歳。メインで神田T800周一と対戦するルキヤ「僕のほうが速い。組まれる前に倒す」

【写真】16歳。まだ幼さも残るが、試合になると変貌する。それも天賦の才のひとつ(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(日)に大阪府豊中市176BOXで開催されるGladiator030のメインで、ルキヤが神田T800周一と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2008年7月1日、弱冠16歳のファイターがグラジのメインに立つ。その名はルキヤ――アマチュアグラジエイターで2勝を収め、昨年5月にグラジのオープニングファイトデビュー。ここまでの4戦は全て1Rでフィニッシュしている。

ルキヤが所属するのは、占部タイガ氏が奈良県香芝市の本部道場を中心に主宰する正道会館大河道場だ。もともとは公共体育館を借りて正道空手を指導していた占部氏が、コロナ禍で体育館が使えなくなったために2020年8月に常設道場を立ち上げたという。

占部代表もMMAを経験しており、2016年のプロデビューから3勝2敗。2020年2月にグラジでチハヤフル・ヅッキーニョスに敗れたあと――コロナ禍で大会が少なくなったことも影響し――MMAの試合出場はなく、半年後に常設道場を設立している。その月に入門してきたのが、当時小学校6年生のルキヤだった。

アマチュアキック、アマチュアグラジを経て、プロ興行のメインで元王者の神田と相対することになったルキヤ。とはいえケージの外で離す姿には、まだ16歳の少年らしさも見える。今回は神田戦決定後、道場でルキヤと占部代表に話を聞くことに。

インタビュー慣れしていないが、しっかり答えてくれるルキヤと、補足で説明してくれる占部代表――2人が語る内容には、今MMAがジュニアから育成していくためのカギが見えるのではないだろうか。


MMAは相手をシバけるじゃないですか

――今回がMMAPLANET初登場となるルキヤ選手です。所属は正道会館の支部ですが、ルキヤ選手は正道空手の試合を経験しているのですか。

「空手の試合は出ていないです。アマチュアのキックや、アマチュアMMAに出ていました」

――まずは格闘技を始めた経緯から教えてください。

「お父さんが格闘技をやっていて、小6の時にお父さんの知り合いのMRCというジムで僕も格闘技を始めました。その頃はまだお父さんも試合に出ていて」

――お父さんがファイターだったのですか。

「はい」

ルキヤと正道会館大河道場の占部タイガ代表(C)SHOJIRO KAMEIKE

占部代表 もともとお父さんは全空連の空手をやっていた方で、ルキヤが格闘技を始めた当時は地下格闘技や、大阪のワードッグで試合をしていたそうです。

「最初はお父さんの試合を観に行っても、そんなに格闘技には興味はなくて。『ずっと試合を見とくのは面倒くさいなぁ』と考えていたぐらいでした(苦笑)。でも、だんだん『格闘技も楽しそうやな』と興味を持つようになって、自分も始めようと思ったんです。

――ルキヤ選手は大阪出身ということですが、現在は道場がある奈良県に住んでいるのでしょうか。

「いえ、家は大阪です」

――えっ、大阪から奈良の道場に通っているのですか。

「はい。MRCの人たちが『プロを目指すなら、このジムが良いんじゃないか。正道会館やったら安心だろう』と薦めてくれて。MRCには通っている子供が1人ぐらいだったけど、この道場なら子供も多いし。近くにおばあちゃんが住んでいて、おばあちゃんの知り合いからも、この道場を紹介してもらいました」

――格闘技を始める前、あるいは格闘技を始めたあとに他のスポーツ経験はありますか。

「何もないです。でも、よう山遊びはしていました(笑)。学校の体育の授業でも、運動神経は良かったほうだとは思いますけど……」

――これだけの運動神経、身体能力を持っていると中学校の部活から誘われるのではないですか。

「そういうこともなかったですね」

――では、ヤンチャなことは?

「いや、それは全然! 喧嘩もしたことないです」

占部代表 嘘つくな(笑)。といっても事件になったり、逮捕されるようなことはやっていないですね。もちろん選手になってからは喧嘩も一切していませんし。

私のほうから説明すると、最初の頃は自分自身の強さが分かっていなかったです。ジュニアのキックボクシングに出ても5連敗したりとか。それがアマチュアMMAに出始めると伸び伸びやり始めて。アマチュア修斗では全日本ジュニアで優勝しています(2023年1月、ジュニア修斗56キロ級で優勝)。「もうジュニアではやることがないかぁ……」と思っていたところに、NavE代表からアマチュアグラジ開催のお話を聞きまして。アマチュアグラジでは2戦目で大会MVPを頂き、そのあとプロのオープニングファイトに出させていただくようになりました。

――MMAになったら伸び伸びと、というのはルキヤの選手の中で何か気持ちの変化があったのでしょうか。

「キックをやっている時は、あまり自信が持てなかったです。なんでか分からないんですけど、MMAのほうが楽しくて。なんて言うか、相手をシバけるじゃないですか」

――キックボクシングでもシバけますよ(笑)。

「それはそうなんですけど(苦笑)。ただ、MMAのほうがいろんな展開があって、面白かったんですよね。立って殴るだけじゃなく、寝かして殴ることもできるし。そのMMAをやっていて、『やるからには上に行きたい』と思うようになりました」

――この道場ではMMAの練習を行っているのですか。

占部代表 ここではキックと柔術をやっていて、あとは希望者を募って壁際の練習をするぐらいです。MMAに関しては週1回、パラエストラ森ノ宮さんで練習させてもらっています。MMAのベースとしてはウチでやっている打撃、あとは圧倒的な身体能力でカバーしている部分が大きいですね。

「最初は柔術って何なのか全く知りませんでした。やっぱり殴りたいっていう気持ちのほうが強かったけど、一回だけ柔術の試合には出ていて、今は青帯を巻いています」

――MMAでも自分から寝技を挑み、柔術を生かしたいとは思いますか。

「いや、基本的に寝技はそんなに……。でも相手が寝技の選手やったら、寝技で勝つのも面白いかなぁとは思っています」

――自分が得意な展開よりも、相手が得意な展開で圧倒するほうが好きなタイプでしょう。

「アハハハ、そうですね。寝技が得意な選手なら寝技で勝ったほうが『相手は手も足も出ませんでした』ってことですし」

今回はメインカードなのでボーナスを狙っています

――2024年5月のオープニングファイトデビュー戦は、その寝技……RNCで勝利しています。プロの舞台で試合をした時の印象を教えてください。

「凄かったです。アマチュアよりコッチで試合がしたい、って思いました。さっき言ったとおり、キックの時は自信がなかったけど、MMAを始めてから自信もついていたので」

――その後は身体能力の高さを生かした試合内容を見せています。

占部代表 ヒジのカウンターや、足関を狙われた時も足を抜きながらパウンドとか、練習でも見たことがない動きをするんですよ(笑)。

「いや、もう自分でも分からないです(苦笑)。だいたい無意識ですね」

――オープニングファイトからプレリミに出るようになり、何か気持ちは変わりましたか。

「あんまり気にしていなかったですね」

占部代表 いやぁ、ファイトマネーのことは考えたやろ(笑)。

「……はい。アルバイト代とファイトマネーって、何か違いますよね。試合をしてファイトマネーをもらった時は、やっぱり嬉しかったです」

――現在はアルバイトしながら格闘技を続けている状態なのですね。

「今はカラオケ屋でアルバイトしています」

――16歳だとアルバイト代やファイトマネーは何に使うのでしょうか。

「う~ん……お菓子とか買っていると、いつの間にかなくなっています」

――女の子と遊んだりとか……。

「あぁ、はい。彼女と使ったりしますね」

――誘導尋問ではないですが、恋人がいることは発覚しました。

「アハハハ! はい、います。今までは僕の理由でフラれることが多かったけど、今の彼女は続いています。自分の試合を観て『凄いなぁ』と喜んでくれますね」

――なるほど。では現在の練習メニューを教えてください。

占部代表 ここは私のほうから……。この道場では一般会員さんと練習メニューは同じです。ジュニアの練習に混ざったり、キックボクシングのクラスに参加したり。ジュニアの子たちはルキヤを目標にしていて、練習になるとルキヤと組みに来ます。ルキヤはその子たちの相手をしたり、少し指導したりという感じですね。あと週1回パラエストラ東大阪に行くほかは、山で10キロ走ったり、お父さんとミットを打ったり――という感じです。

――プロ用の練習をするのは週1回なのですね。

自宅近くの山で体力トレーニング。今はまさに「下地」をつくる時期でもある。この下地がルキヤの身体能力を支えている(C)RUKIYA

占部代表 これは私の考えなんですけど、ルキヤの場合は山を走ったりして強くなるタイプを強くなるだと思っています。まずこの年齢の子に、激しいスパーをして脳にダメージを溜めさせたくないんですよ。この時期に強いスパーリングをして、倒れ癖や落ち癖はつけてほしくない。

――ということは、あまり減量もさせたくないですか。ルキヤ選手の体格であればフライ級が適正ではないかと言う人もいるでしょう。

占部代表 そこまで減量はさせたくないです。ウチの場合、たとえばジュニアキックで通常体重が35キロ級と40キロ級の間やったら、40キロ級に出てくれと説明します。今は負けてもいい。将来のために減量はさせたくないです。まだ身体が大きくなるかもしれないし、今これだけのスピードがあるから将来はフェザー級でも戦えるんじゃないかと思っています。

――MMAを戦っていくうえでの目標は何ですか。

「とりあえずRIZINに出たいですね。とりあえずは」

占部代表 アハハハ。「とりあえず」はRIZINさんに失礼かもしれないけど、まぁ華やかでファイトマネーが高い舞台やな。それこそUFCやONEもあるし。

――お金のことでいえば、ザワンが提供しているグラジのMVPボーナスはどうですか。

「欲しいッス。今回はメインカードなので、まずボーナスを狙っています」

――正直で素晴らしいです。次の試合に向けての意気込みもお願いします。

「試合映像を一回視て、スピードもないし勝てると思いました。僕のほうが速いッス。組まれる前に倒します」

占部代表 ボーナス獲ったら、次はルキヤが何か奢ってくれよ(笑)。

「はい、奢ります!」

■視聴方法(予定)
4月6日(日)
メインカード午後4時15分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Gladiator040対戦カード

<バンタム級/5分3R> 
ルキヤ(日本)
神田T800周一(日本)

<ライト/5分3R>
小森真誉(日本)
ナウエル・ガンドルフィ(アルゼンチン)

<ライト級/5分3R>
岩倉優輝(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<ウェルター級/5分3R> 
大道翔貴(日本)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<ライト級/5分3R>
チハヤフル・ヅッキーニョス(日本)
八木敬志(日本)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
パク・チャンビン(韓国)

<フライ級/5分3R>
今井健斗(日本)
和田教良(日本)

<キック70キロ契約/3分3R>
荒尾裕太(日本)
キム・フェグン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
永留惇平(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
荒井銀二(日本)

<バンタム級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
國頭武(日本)

<バンタム級/5分2R>
原田康平(日本)
小林佳純(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
坪内一将(日本)

<ストロー級/5分2R>
塩川玲斗(日本)
カーヴィ(日本)

<フライ級/5分2R>
岩崎圭吾(日本)
テム(日本)

<フライ級/5分2R>
藤原浩太(日本)
蒔田伸吾(日本)

<ライト級/5分2R>
キンコンカンコンケンチャンマン(日本)
KENZO(日本)

<68キロ契約/5分2R>
中尾天圓(日本)
都市弦介(日本)

<OPフライ級/5分1R>
小嵐翔真(日本)
彪斗(日本)

<OPストロー級/5分1R>
諸井友祐(日本)
辻本涼太(日本)

<OPヘビー級/5分1R>
松本洋平(日本)
高橋マーク(日本)

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