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【RIZIN50】木村柊也と対戦、横山武司「将光先生のおかげで、僕はめちゃくちゃ変わりました」

【写真】柔術VS日本拳法という要素もありつつ、佐藤将光と共に作り上げている横山のMMAに注目したい(C)TAKUMI NAKAMURA

30日(日)に香川県高松市のあなぶきアリーナ香川で開催されるRIZIN50で、横山武司が木村柊也と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

網膜剥離の怪我を乗り越えて、昨年8月にFighting NEXUSでMMA復帰戦&保持しているフェザー級王座の防衛戦を行い、岸野”JUSTICE”紘樹選手に三角絞めで一本勝ちした横山。10月にJAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUEでのQUINTET提供試合出場を経て、今大会で約1年半ぶりにRIZINの舞台に帰ってくる。

その間、横山はMMAで勝つべく柔術・寝技だけに頼らないファイトスタイルを“先生”と呼ぶ佐藤将光のもとで磨き続けてきた。そして対戦相手の木村も日本拳法というバックボーンを活かしつつ、自身のMMAを磨いてきたファイター。柔術VS日本拳法というエッセンスが透けて見えるMMAの戦いに臨む横山に話を訊いた。


――昨年8月のFighting NEXUSでMMA復帰戦を行い、岸野”JUSTICE”紘樹選手に三角絞めで一本勝ちしました。久々のMMAの試合はいかがでしたか。

「RIZIN復帰戦は今回なんですけど、もうMMAはやめようと思ってたところで決まったのが8月の試合だったんです。自分にとってはあれが本当の復帰戦で、減量から何から全部できるのかなって感じだったんですけど、ちゃんとあそこで復帰を遂げることができて、ほっとしました。で、試合にも勝ててよかったです」

――試合は横山選手らしい寝技での一本勝ちでしたが、試合前に不安や恐怖心はなかったですか。

「ありましたね。でも試合が決まって、試合に向けた練習をして、それで自分の動きが良くなっていっていたので、あの試合でさらに強くなった、MMAファイターとして強くなった手応えがあります」

――練習面では具体的にどこに力を入れてやっていたのですか。

「寝技にはすごく自信があるんで、やっぱり打撃の部分ですよね。目の怪我もあったから不安はありましたけど、打撃をできないと総合格闘家になれないなと思ってたんで、しっかり打撃は練習しました。もちろん最後の極めは一本ですけど、自分で打撃から繋いで組んでいく。そうやってMMAらしくできるようにはなってきたと思います」

――先日の公開練習でもお話されていましたが、MMAにおけるメインのトレーナーが佐藤将光選手になるんですよね。

「そうですね。色んな人に教わって、色んな練習仲間に支えられてますけど、週4回は将光先生のところに行っています。しかも将光先生のところには、先生以外にも良いアドバイスをくれる先輩たちがいっぱいいるので、いい練習ができてますね」

――横山選手からこういう試合をしたいとリクエストして、佐藤選手と一緒にMMAのスタイルを作り上げているのですか。

「最初は父と兄がずっとセコンドをやってくれていて、RIZINに出た時にセコンドが3人まで入れるということで、弟を入れたんです。で、自分は摩嶋(一整)選手に負けるまで無敗だったんで、リングに立てば勝てるみたいな感じに思っていて、その時に将光先生から『こうした方がいい』と色々アドバイスを受けてたんですけど、正直そういうのをあんまり聞かずに試合をしちゃって(苦笑)。その結果、試合に負けて、試合が終わったあと『将光先生が言う通りにやってたら勝てたじゃん』『将光先生が言ってた通りだよ』と思ったんです」

――負けたからこそ、いかに佐藤選手のアドバイスが的確だったかを感じたわけですね。

「はい。摩嶋選手に負けてこれじゃ駄目だと思って、先人の言うことを聞くじゃないけど、レベルの高い人のいうことはちゃんと聞いて、ちゃんと学びたいなと思いました。そこから練習量そのものも増えたし、将光先生とやる練習量も増えて、NEXUSの復帰戦が決まって『今回からセコンドついてほしい』とお願いしました。もちろんセコンドに着くとなったら、より具体的なアドバイスももらえるし、それで確実にレベルが上がりましたね」

――佐藤選手の指導を受けて、佐藤選手のすごさを感じていますか。

「選手としても太田忍選手に勝って、井上直樹選手には負けちゃったけどすごくいい試合をして、自分と仲がいい牛久(絢太郎)先輩にも勝って。僕は練習だと牛久先輩にボコボコにされるんで、その牛久先輩と将光先生はこんな風に戦うんだと思って試合を見てました。自分は普通に将光先生の一般クラスにも参加するんですけど、その時の指導や言葉もすごいんですよ。ホントに将光先生の言うことを聞いていれば間違いないと思います」

――また横山選手のInstagramを見ると、走り込みなどのトレーニングにも時間を割いていますよね。

「あの走り込みもやばいですね。とにかく今は練習量が増えたので、練習しているか、家で寝てるか。可能な限り練習しています」

――元々持っている寝技以外の部分を強化していかないと、RIZINで勝っていくことは難しいと感じましたか。

「寝技のレベルだけめちゃくちゃ上げて、組んだら100%勝つけど、組めなかったら負けるみたいなスタイルを極めていく方針もあると言えばあると思うんですよ。でも将光先生はそういう教えじゃない。ちゃんと総合格闘家として上手くなるという意識がある。それで僕もいろいろ考えた結果、しっかりMMAをやろうと思いました」

――その一方でMMAの試合が決まっても、柔術・道衣の練習は継続されているのですか。

「はい。道衣の練習に関しては、ジムでクラスをやっているので、そこで会員さんと一緒にスパーリングしています。逆にクラス以外の時間はMMAのための練習だけで、グラップリングとMMAの選手練って感じです」

――そして今大会では木村選手と対戦が決まりました。改めて対戦相手の印象はいかがですか。

「いや~怖いですよね。僕がRIZINに出た時と同じで4連勝で負けなし、みたいな。しかも全部1分ぐらいで倒してきてるんで。僕自身もがっつりしたストライカーとやるのは今回が初めてなんですよ。最初は怖いけど組めたらいけるみたいなストライカーVSグラップラーの試合が初めてなので、そこはすごい楽しみです。乗り越えなきゃいけないですけどね」

――試合に向けて佐藤選手とはかなり対策も練っていますか。

「もちろんです。動画を見てシミュレーションして、何か上手くいかないことがあったら修正して…を繰り返してやってます」

――公開練習では横山選手も木村選手も道衣を着ていて、お互いのバックボーンが明確になって、こういったMMAの試合は久しぶりだなと思って見ていました。

「僕も柔術がバックボーンで、そのスタイルは変わらないし、木村選手も3歳から大学まで日本拳法をやっていて、それがバックボーンになっている。お互いにああいう場面に道衣を着てくるというのは、競技に対する愛があるからだと思うし、異種格闘技戦じゃないけど面白いですよね」

――申し合わせてないのにお互い道衣を着てきたわけですもんね。

「びっくりしました、僕も(笑)」

――いい意味で古き良き時代の総合格闘技という色がある試合ですよね。

「木村選手は日本拳法では他の選手と比べものにならないくらいの実績を残してるんですよね? 僕の柔術の成績は日本一になったことがあるぐらいですけど、この試合はグラップラーVSストライカーっていう漠然としたものじゃなくて、柔術VS日本拳法だと思います」

――観客にはどちらがフィニッシュするかの試合を見せたいですか。

「もちろんそうですね。判定はないっすね」

――また横山選手がRIZINに戻ってきて、この試合を楽しみにしてるファンのみなさんもたくさんいると思います。摩嶋戦からどう変わった姿を見せたいですか。

「摩嶋戦の僕からはマジでめちゃくちゃ変わってます。やっぱり負けを経験すると人間ってすごく変わるし、摩嶋戦がMMAでは初めての負けだったんで。今は先輩たちの言うことをちゃんと聞くようになったし、何よりもちゃんと将光先生というMMAの先生がついてくれたことが大きいです。実際どこまでのパフォーマンスを本番で出せるか分からないけど、MMAとしてちゃんと作り上げているので、中身も考え方もめちゃくちゃ変わってます」

――ここからのRIZINやMMAでも目標を聞かせてもらえますか。

「僕、RIZINでデビューした時にも目標を聞かれて、モテるために始めた総合なんですけど結婚しちゃったんです(笑)。で、網膜?離で欠場している時に娘が生まれて、欲しいものは一通り揃いました。でもMMAはすごく楽しいし、まだまだ体も元気なので続けたい。家族のためにもこれ(MMA)でお金を稼ぎたいですね。そのためにも勝たないと次に繋がっていかないし、目の前の試合に勝って、次の試合のオファーをもらって…を続けて、家族みんなでどこかに遊びに行きたいですね。僕の格闘技でみんなをハッピーにします!」

■視聴方法(予定)
3月30日(日)
午前11時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■対戦カード
<RIZINバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 井上直樹(日本)
[挑戦者] 元谷友貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木千裕(日本)
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ(ブラジル)
野村駿太(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
泉武志(日本)

<59キロ契約/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<59キロ契約/5分3R>
前田吉朗(日本)
横内三旺(日本)

<フェザー級/5分3R>
横山武司(日本)
木村柊也(日本)

<ストロー級/5分3R>
越智晴雄(日本)
中務修良(日本)

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
エドポロキング(日本)

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
赤田プレイボイ功輝(日本)

<フェザー級/5分3R>
萩原京平(日本)
トビー・ミセッチ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
万智(日本)
パク・ソヨン(韓国)

<キックボクシング67.5キロ契約/3分3R>
稲井良弥(日本)
加古稟虎(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
龍生(日本)
香川刻(日本)

<フライ級/5分2R>
高岡宏気(日本)
飴山聖也(日本)

<キックボクシング63.5キロ契約/3分3R>
吉岡龍輝(日本)
切詰大貴(日本)

<キックボクシング63.0キロ契約/3分3R>
大谷翔司(日本)
足利也真登(日本)

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