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【Breakthrough Combat03】名古屋対決に臨むトレント・ガーダム。竹本啓哉の印象は「クレイジーだ」

【写真】静かな語り口で質問に答えてくれたガーダム。MMA戦績は14勝6敗1分で、世界各地で戦ってきたファイターだ。本人が言うとおり「サムライ」の雰囲気が感じられる(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(水)に無観客&配信大会として開催されるBreakthrough Combat03で、豪州出身のトレント・ガーダムが竹本啓哉と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

地元でMMAを始めたガーダムは、タイのタイガームエタイを経て昨年から日本の名古屋市に滞在している。現在はHEATジムでトレーナーを務めながらMMAの練習も行っており、BTCでは同じ名古屋在住ファイターの竹本と戦うことに。世界各地で戦い、ベルトも巻いてきたガーダム。さらに日本でもシュートボクシング、そしてRIZINで試合を経験してきた彼がなぜ名古屋に滞在し、BTCで戦うことになったのか。そのキャリアを訊いた。


――豪州出身のガーダム選手は現在、名古屋にあるHEAT24ジムでトレーナーを務めながらMMAの練習をしていると聞きました。どのような経緯で、日本でMMAの練習をすることになったのでしょうか。

「日本に来ることになったキッカケは、アビラルとの出会いだった」

――アビラルとは志村道場のキックボクサー、アビラル・ヒマラヤン・チーターですか。

「そうだ。僕がタイのタイガームエタイで練習している頃、アビラルがタイガームエタイに来て仲良くなってね。そのあとアビラルが日本で試合をする時、僕がセコンドに就くことになり日本へ来た。そしてアビラルからミスター・シムラ(志村民雄・志村道場代表)を紹介してもらい、しばらく日本に滞在することになったんだ。日本に来てもう6週間ぐらい経つかな。1年ぐらい日本で練習したいと考えている」

――なぜタイに戻らず、日本で練習しようと考えたのですか。

「僕はずっと日本で練習したり、試合をすることが夢だったんだ」

――MMAに関していえばタイはもちろん、ガーダム選手の母国である豪州はUFCが何度も開催されるなど盛り上がりを見せています。

「確かに今、豪州のMMAは盛り上がっているよ。だけど豪州だけで戦っていると、相手がいなくなってしまってね。それなら海外で、いろんな相手と対戦したいと思うようになってタイ、そして日本に来たんだ」

――なるほど。ガーダム選手の出身地は豪州で……。

「僕の故郷はシドニーの隣にある南シドニーという場所だよ」

――南シドニーとは、どのような場所なのですか。

「まぁ――そんなに治安が良い場所じゃないね(笑)。UFCファイターのタイ・ツイバサも同郷なんだよ。僕は最初、MMAと柔術をやっていた友人から教わっていて。タイ・ツイバサが有名なMMAファイターとなった後、彼と繋がりができて一緒に練習するようになった。タイ・ツイバサとの縁から、一時期はアレックス・ヴォルカノフスキーとも練習していた。

その後、僕はタイに移り住んだけど、以前から日本には来たかったんだ。だけどタイは居心地が良すぎてね(笑)」

――アハハハ。ガーダム選手が最初に格闘技を始めたのは何歳の時ですか。

「10歳の時にボクシングを始めた。でも、それほど真剣に取り組んでいたわけではなくて。15歳の時にキックボクシング、ムエタイを始め、プロデビューはキックボクシングの試合だった。タイでもムエタイの試合に出ている」

――なぜキックボクシングからMMAに転向しようと?

「MMAと比べて、キックボクシングは興行規模が小さい。だからMMAをやりたいと思ったんだ」

――以降、世界各地でMMAを戦っていたガーダム選手が、2018年8月に日本のRIZINでビクター・ヘンリーと対戦することになった経緯を教えてください。

「初めて日本で戦ったのはシュートボクシングのトーナメントだった(2018年11月、S-cupトーナメント1回戦で健太に敗れている)。その時にRIZINのミスター・サカキバラ(榊原信行CEO)から名刺を貰って、翌年にRIZINでヘンリーと対戦するオファーが来たんだ。

オファーが来る前からずっとチェックしていたぐらい、ヘンリーは有名なファイターだった。勝つか負けるかはともかく、ぜひ対戦したいと思ってオファーを受けたよ」

――試合は三角絞めで敗れています。

「内容としては、勝てた試合を落としたと思っている。最後に自分がミスをして敗れてしまった。そこから日本で何度か試合をしているけど、良い結果を残せていない。『日本のファンに強い自分を見せたい』って、ずっと思っていた。そんな時に日本へ来て、BTCのオファーが来たんだよ」

――今日はインタビューの前にNTT=寒天練習に参加していたそうですね。BTCで対戦する竹本選手もNTTに参加していますが……。

「タケモトと一緒に練習したのは、僕が初めてNTTに参加した時の1回だけだね。その時は彼のコーチ(鈴木陽一ALIVE代表)も来ていて、僕の練習を見ていた。タケモトのことは『これから一緒に戦っていく仲間だ』と思っていたけど、彼と試合するオファーが来て驚いたよ(苦笑)。だけど試合をするとなれば、それはもう関係ない」

――練習、そして試合を視て竹本選手にはどのような印象を持っていますか。

「彼のファイトスタイルは、クレイジーだ」

――クレイジー!

「練習した時は4分間ずっとバックコントロールされたよ。だからといって、その時の印象で彼が僕に勝てると思ってオファーを受けたなら間違いだ。試合では必ず僕がタケモトをノックアウトする」

――試合が楽しみです。もう一つ、BTCというイベントは次が3回目という新しいイベントです。大会全体の映像は視ていますか。

「BTCは独特だね。控室から車で会場に向かい、無観客の場所で戦う。まるでDWCSのようだ。BTCで戦えることを、すごく楽しみにしているよ」

――BTCで試合をした後のキャリアについては、どう考えていますか。

「日本に来てから2カ月後に戦う機会を得ることができた。これからも日本で、2カ月に一度のペースで試合がしたい。どのプロモーションで戦うか、特にこだわりはないよ。でもやっぱりRIZINでは戦いたいね。先ほども言ったとおり、本当に強い僕の姿を見てほしいんだ。

そのためにも次の試合では、絶対に勝たないといけない。フィニッシュできれば良いけど、何よりも勝利をもぎ取りに行く。僕はサムライだからね」

■視聴方法(予定)
2月26日(水)
午後6時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat03対戦カード

<Progressフェザー王座決定戦/5分3R>
竹内稔(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヨン(韓国)
上田将年(日本)

<バンタム級/5分3R>
トレント・ガーダム(豪州)
竹本啓哉(日本)

<バンタム級/5分3R>
チェ・ハンギ(韓国)
熊崎夏暉(日本)

<フライ級/5分3R>
ベ・ジョンウ(韓国)
山崎蒼空(日本)

<Progress60キロ契約/5分2R>
神龍誠(日本)
エリック・メネギン(ブラジル)

<Progressフェザー級/5分2R>
大脇征吾(日本)
中島太一(日本)

<Progress87.5キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(米国)
二宮寛斗(日本)

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