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【UFC307】ラストファイトでまさかの判定負けも──UFCがエスパルザに最大の敬意を払う大団円に

<女子ストロー級/5分3R>
テシア・ペニントン(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
カーラ・エスパルザ(米国)

TUF18以来の因縁パート01。右を伸ばすエスパルザに対し、コ・メインで防衛戦を控えるラケルのペニントン姓を名乗るようになったテシアがワンツーで前に出る。エスパルザは再び右を当てるが、ローから右を被弾する。テシアはさらに左インローを蹴り込み、エスパルザの組みを跳ね返してワンツーをいれる。続いて組みにヒザを繰り出したテシアはシングルも切ってワンツーを打ち込む。

右ストレートにダブルレッグを合わせてテイクダウンを奪ったエスパルザは蹴り上げを捌いてパスに成功、サイドで抑える。エスパルザは左エルボーを落とし、暴れるテシアを上四方、サイドで抑える。クルスフィックス&ハーフネルソンでコントロールしたエスパルザが右エルボーを落とす。一度は足を抜いたテシアだが、再びクルスフィックスに捉えれたテシアは、ここも腕を抜くか上四方で抑えられパンチを受けながら時間を迎えた。

2R、エスパルザがワンツー、距離を取ったところからインローを蹴る。テシアは右ローを蹴り、ステップインを待っている状態か。左右のローを蹴ったテシアに、右をクリーンヒットさせたエスパルザはテイクダウンと見せて左オーバーハンドを伸ばす。テシアは左リードフックを当てるが、もって手数が欲しい。ローにエスパルザは右を合わせる。テシアのコンビネーションに真っ直ぐ下がるエスパルザだが、これは印象が悪い。

残り90秒、ワンツーのエスパルザはカウンターをかわす。ローはあるがパンチがないテシアはダブルレッグを切ると、右を受けながらワンツーを打ち返す。続くダブルレッグをウィザーで耐え、腹ばいから立ち上がったテシアがスクランブルに持ち込もうとしたがエスパルザがしっかりと上を取り切る。テシアは下でコントロールされることなく立ち上がったものの、右を受けた。

最終回、コリン・オーヤマの「12年やってきて、最後の5分だ。同じように攻めれば良い。彼女は疲れている。気持ちを見せろ。ラスト5分、ラスト5分だ」という声に送られたエスパルザは左ハイをガードする。テシアは左前蹴りも、左ジャブを受けそうになる。前足で蹴るテシアはワンツーに、インローをいれる。テシアは右カーフを続けるが、エスパルザが前に出てワンツーのコンビを繰り出す。カーフ後にテイクダウンを狙ったエスパルザ、離れたテシアがインローを当てる。

エスパルザのステップインにワンツーと足への蹴りとカウンターを徹底するテシア。ワンツーで前に出るエスパルザが、左をヒットさせる。さらにローに左を合わせたエスパルザはテイクダウンのフェイクから右も打ち込む。さらにローをキャッチしてテイクダウンを決めたエスパルザが、パウンドを落とし蹴り上げにもパス&ニーインベリーからエルボーを落とす。

果敢なテイクダウン、巧みなコントロール。そして気持ちの打撃とまさに集大成のファイトを見せたエスパルザは、試合終了とともに両手を広げる。クッキーモンスター姿の愛息をケージに迎え入れたカーラ・エスパルザは、意外にも0-3で敗れキャリアを終えた。

29-28、29-28、30-27というアナウンスに諦めの表情を見せてテシアが、3-0の勝利に。「初回は彼女、2Rは私、最終回は私。ブーイングは気にしない」というテシアは4月に白血病で祖母を亡くしたという話にも、観客は非情なブーイングを送り続けた。対して大きな歓声を受け、愛息を抱いて現役最後のインタビューを受けるエスパルザの業績を称えるように、UFCはキャリアを振り返る特別な映像が流すという粋な計らいを見せる。

これには涙のエスパルザは「信じられないほど素晴らしい15年だったわ。私はベスト中のベストと戦ってきたから、簡単ではなかった。浮き沈みも経験した。でも、世界で最高のスポーツでやれることやり切った。全てのUFCファン、友人たち、家族、UFCスタッフに感謝している。Day1から一緒だったコーチ・オーヤマ、マネージャーのブライアン。皆……このスポーツを愛している。皆、ありがとう」という話す。

エスパルザに感謝の言葉を贈ったジョー・ローガンまで言葉を詰まらせており……解説のDJは「泣きそうだ。彼女は勝った」とコメント。そして、カーラ・エスパルザはグローブを置いた。


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