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【RIZIN】朝倉未来戦の平本蓮は陰性と発表。榊原CEOが新アンチ・ドーピング宣言

【写真】榊原CEOは日本の格闘技界でなく、スポーツ界全体にも通じる検査機関を目指す意志を表明した(C)MMAPLANET

5日(木)、東京都内でRIZINが記者会見を行い、超RIZIN03におけるドーピング検査の結果発表がなされた。
Text by Shojiro Kameike

会見ではまず榊原信行CEOからRIZINのドーピング検査について説明が行われ、平本蓮×朝倉未来の一戦については両者とも陰性であったことが発表された。さらにRIZIN医療部長の諌山和彦氏から具体的なドーピング検査の方法についての説明、そして榊原CEOから一連の騒ぎを受けて新たなアンチドーピング規定を設けることも明らかにしている。


結論としてRIZINが現在採用しているルールにおいては、試合前の検査で陰性であるかぎり試合結果は覆らない。そのうえで今回、平本蓮にドーピングの疑惑を持たれる行動をとっていたことを受け、榊原CEOは次のように語った。

「RIZINは2015年に旗揚げし、ドーピングに対しては一定の決意と基準を設けて取り組んできました。しかし当日の採尿で陽性か陰性か、その検査結果で試合を行うかどうか決定さするというルールを抜本的に見直します。そのためには経済的な負担もマンパワーも必要となります。こちらの先生方や有識者の方に入っていただき、経済的負担はRIZINが負う。必要があれば尿検査だけでなく血液検査も導入するなど、新しいドーピング・ポリシーを策定していきます。

この点についてはRIZINだけでなく、日本国内の各団体に声をかけ、ドーピング基準を見直し、意識を高めていきたい。選手、関係者の意識改革も必要です。RIZIN主催の勉強会に参加していただき、選手・関係者に啓蒙する機会をつくっていく。選手への罰則も厳しくし、正々堂々と戦ってもらえる環境づくりをしていきます」

平本蓮については「ドーピングに引っかかるような薬物を入手していただけで、ルールによってはアウトです。今のRIZINの規定では、それを罰することはできない。ネット上のことなので事実は分かりません。本人も誤解を受けるような行動があったことを反省しています。他の選手も、普段から口にするものに対して疑ってかかる必要がある。安直な行動は慎んでほしい。平本蓮については大晦日のオファーをすることになりますが、未来に向けた検査を受けてもらいます。その検査が陰性であれば、大晦日に向けて相談していきたい」としている。

同時に、平本と対戦した朝倉未来については「朝倉未来に対しては、引退試合がドーピングで汚されてしまったことは悔しい。主催者として、朝倉未来に対してお詫びしたい。何よりファンの人たちをガッカリさせてしまったことにお詫びしたい」と語り、さらに「選手が正々堂々と戦えるルールづくりに向けてアクションを起こしていきたい。RIZINとしては10年目に与えられた課題だと思っています。10年後に『あの時に変わったよね』と言われる起点にしたい」と続けている。

MMAPLANETは諌山氏に「日本では体協加盟の競技と、そうでない競技では公共の施設の使用など大きな違いあります。WADA、そしてJADAの統括でない組織で今の日本で医学力、科学力でWADAと同様のドーピング検査が可能で、また安価に行うことは可能なのでしょうか」と質問。これについて諌山氏は次のように答えた。

「RIZINはじめコンタクトスポーツは、日本体育協会に所属していません。医療部としてはRIZINが、そのスポーツのレベルになることを目指したい。WADA、JADAレベルの検査はプロ野球やJリーグも行っていないが、経済的な問題もあると思う。そこは榊原代表に頑張っていただきたい」

そして榊原CEOは他媒体の質問に対する回答の中で、このMMAPLANETからの質問に対しても見解を述べた。

「日本のプロスーツの中で、『ここの検査機関なら徹底的な検査をしてもらえる』という機関はない。これからRIZINがアクションを起こすことが礎となって、独立した組織になっていく。決して簡単なことではありません。でも、ゆくゆくは他スポーツの検査も請け負えるような組織に進化させられるような意識を持っていきたい」

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