【Road to UFC2024 Ep03】野瀬翔平と対戦、本命!?ユ・スヨン「道着の柔術なら、自分が二段階上」
【写真】試合運びから、野瀬の性格を見抜く──恐ろしい洞察力だ(C)MMAPLANET
18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード03で韓国のユ・スヨンが、日本の野瀬翔平と対戦する。
Text by Manabu Takashima
この4月に返上をしたが、DEEPバンタム級のベルトを巻いたユ・スヨンはBlack CombatとNAIZA FCとアジアのバンタム級三冠だったこともある。
12月の敗北、1月のノーコンテストにもRoad to UFCの門が閉ざされることがなかった。3年連続、Road to UFCに挑む野瀬との対戦を前に本命といっても過言でない実力者ユ・スヨンの話を訊いた(※取材は3日に行われた)。
──Road to UFC出場が決まったユ・スヨン選手ですが、昨年12月にカザフスタンのNAIZA FCでダスタン・アマンゲルジ戦に敗れベルトを失い、1月のBlack Combatではフェザー級でキム・ミンウ選手とNC。直近の試合結果が良くないなかで、Road to UFCへの出場が決まった時はどのような気持ちでしたか。
「カザフスタンでの敗北、キム・ミンウ戦のノーコンテストは自分のなかで、良い経験になりました。あの2試合があったので練習に凄く集中できています。試合もそうですが、それまでの取り組みに関して自分が何をやって行けば良いのか、何をすれば良いのかが分かって良かったです。
カザフスタンでの試合は、今からするとMMAへの気持ちが弛んでいました。練習にも集中できていなくて、MMA熱が下がっていました。あの試合に負けて、キム・ミンウ戦では絶対に負けてはいけない。そういう風にMMAを始めた時の気持ち、初心に返ることができました」
──キム・ミンウ戦のユ・スヨン選手を見て、バンタム級が適正と感じました。
「今、仰っていただいた通りです。キム・ミンウと戦ってフィジカル面で厳しく、フェザー級ではパフォーマンスもバンタム級の時より落ちると思います」
──リーチなど、サイズ感も。
「本音を言えば、自分はバンタム級でも小さいと感じています(笑)」
──そしてRoad to UFCですが、初戦の相手は野瀬翔平選手。日本人選手と戦うこととなりました。野瀬選手の印象を教えてください。
「試合を見ている限り、勤勉で誠実な選手なんだと思います」
──えっ、試合を見てそのように感じるのですか、
「ハイ。常に基本を大切にしています。そして、不利な状態になっても決して心が折れることがない。そういう姿が度々確認できました。本当に普段から、地道な練習を頑張っているのだと思います」
──なんと……凄まじい洞察力ですね。野瀬選手の師匠の弘中邦佳さんは柔術で紫帯の力がないとMMAは戦わせないという基本を大切にする指導者です。
「MMAの試合を見てもレスリングより、グラップリング。打撃を使うグラップラーですよね。自分もそうです。好きなモノが同じファイター同士、どのような試合になるのか楽しみです」
──とはいえ、表情から余裕が感じられます。
「それはどんな相手と戦っても、自信を持って挑まなければならないです。そうできるように、日々の練習をしています。それでも野瀬選手は強いので、油断は禁物です」
──グラップリングはMMAより、番狂わせが少ないと思っています。この試合はMMAなので打撃もあるのですが、純粋にグラップリング力だと、野瀬選手と比較してご自身の力はどれだけだと考えていますか。
「サブミッションで仕留めることはできると思います。MMAでなく、道着の柔術なら自分の方が二段階は上です。それに野瀬選手はグラップリング偏重ですが、自分はもっと打撃とのバランスが良いです。なので打撃という部分では、スピニングバックフィストぐらいですね。注意すべき攻撃は」
──では、初戦で戦う野瀬選手以外にマークすべき相手は誰でしょうか。
「韓国のキム・キュソンと中国のダールミス・チャウパスゥイのいずれかと決勝で戦うことになるかと思います」
──つまりキム・キュソンと戦う透暉鷹選手、ダールミスと対戦する小崎連選手は初戦敗退だと。
「そうですね」
──キム・キュソン選手がパンクラス王者に勝つと?
「えぇ? パンクラスのチャンピオンなのですか」
──パンクラスを2階級制覇し、フェザー級でパン・ジェヒョク選手にも勝っていますが……。
「あっ……しっかりと試合を見直します(笑)」
──押忍(笑)。では野瀬選手との試合を非常に注目している日本のファンにメッセージをお願いします。
「野瀬選手が日本のファンに愛されていることは百も承知していますが、その日本で歴史ある大会=DEEPで自分はチャンピオンでした。日本の皆さん、応援よろしくお願いします」