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【A1 Combat19】UFCストロー級を──川原波輝が話していたこと。「ONEを馘になったから辿り着けた」

【写真】勝ち名乗りを受ける際に、川原は感極まった表情を浮かべていた (C)A1 COMBAT

3月29日にカリフォルニア州ウィートランドのハードロック・ライブで開催されたUrijah Faber’s A1 Combat19で川原波輝がアンソニー・ドォに判定勝ちを収め、A1 Combatストロー級王座に就いた
Text by Manabu Takashima

1年11カ月振りの実戦で、北米発の男子ストロー級のベルトを巻いた川原は「UFCにストロー級王座を創る」ことを堂々と宣言した。この夢物語と捉えられがちな考えに至ったのは、絶望を経験したから。そしてユライア・フェイバーという心の支えがあったから。

同タイトル戦前にインタビューを申し込むと「試合前に色々と語って記事にしてもらって凄く有難いんですけど、勝たないと何の意味もないんで。僕、勝ってないので……話して記事にしてもらいたくないっていうのが本心なんです」と話した川原は、「結果を残した時だけ記事にしてください」と言葉を続け、その心境を話し始めた。


「ずっとONE世界ストロー級王者になることを目標し、そこをモチベーションにやってきました。そのためにも1月の日本大会出場を目指していて、去年の9月ぐらいに『出られるだろう』という話だったのでお金を集めて、アルファメールで練習を続けていました。

それ以前からビザを取って、米国で生活するために車を買ったのもONEの世界ストロー級チャンピオンになるためでした。でも結局、日本大会には出られなかったばかりか、契約が切れていたことが分かって……。その時は、全てに絶望をしてしまいました。なんで、契約が切れていることを出場の交渉をしてもらう時に言ってくれないのか。どんな扱いやねんって。

でもチャンスを貰って、結果を残せなかったのは事実で。同時に僕もこれ以上、試合がない状況が続くのは避けたかった。だからONEとは更新という話もあったけど、せずにA1 Combatで戦うことを決めたんです。

そもそも僕がONEで戦いたかったのは、ストロー級の世界一の王座があるから。世界で一番になること。それが目標なのは今も変わっていないです。だからRIZINで戦おうとも思っていないです。とにかく、これまでやってきたことを諦めたくない。諦めないといけない瞬間を食らったからこそ、そこを諦めたくない。そんな僕が辿り着いた結論は、UFCにストロー級ができるよう頑張ることだったんです。

ユライアってフェザー級とバンタム級のパイオニアじゃないですか。僕はユライアの率いるチーム・アルファメールの一員で、ユライアに相談をしたら『UFCにストロー級を創ろうぜ』と言ってくれて。で、A1 Combatでストロー級王座が創設された。これは北米で最初の男子ストロー級王座なんです。115ポンドの王座ってないんです。ONEのストロー級だって、実際には水抜き無しを条件にした125ポンドなので。

ここが新たな一歩です。UFCにストロー級を創るのは、僕にしかできないことで。だからこそ、今回の試合は勝たないといけない。僕のパフォーマンス次第です。A1 Combatはダナ・ホワイトも視るやろうし、ユライアはショーン・シェルビーとも話すと言ってくれています。ただ、3年はかかるでしょうね。その3年、全てを格闘技に賭けて生きていきます。この7ケ月間がそうであったように。

僕はONEで負けて、クビになった。だから、ここに辿り着くことができました。そうですね……ONEに対する想いっていうのは、これからの自分次第。自分が結果を残すことで、もっと感謝の気持ちを持てることになるはずです。ONEに限らず、心の底からこれまでサポートしてくれた人に『ありがとうございました』と言えるようになるためにも、頑張るしかない。そして、ここにはユライアがいてくれる。

フライアがパイオニアとしてやってきたことを見てきて、傍にいてくれて話ができる。そして『お前ならできる』と本気で言ってくれた。アルファメールの人間は『本当に凄いアイデアを思い付いたな』って言ってくれるんです。日本だと『無理やろ』っていう空気にしからないUFCストロー級の設立に関して、皆が『やろうぜ』って言ってくれます。今回のA1Combatストロー級王座決定戦が、歴史を創る一歩になります。ストロー級は明るい未来しかない。

でも、そんな言葉を試合前に記事にしてもらっても何もならない。パフォーマンスを魅せ、結果を残すこと。結果を残した時だけ記事にしてください」

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