【UFC299】グラブチェックが潮目を変えた?! 初回を落としたヤンがヤードンから逆転判定勝ち
<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ソン・ヤードン(中国)
まず右カードを蹴ったヤードンが、ヤンの右ローに右を合わせる。ヤードンはシングルのフェイク、ヤンは反応したあとでローを蹴る。左フックで飛び込んだヤードンが、圧を掛ける。ヤンはジャブを放つが、慎重な姿勢は崩さない。テイクダウンと見せ、左を入れたヤードン。ヤンはボディショットを返す。ヤードンは蹴りにパンチを合わせる動きを続け、スピニングバックキックを繰り出す。
ヤードンは自身の間で戦い、ミドルをキャッチしてパンチを打ちつつテイクダウンからトップを取る。スクランブルでシングルのヤードンがバックへ。ヤンの前転にもトップをキープし、バックに回ってパンチを顔面に打っていく。自らヤンをリリースしたヤードンが、シングルを見せる。逆にシングルから、レッグリフト&パンチを振るったヤンだが初回を失った。
2R、ヤードンが左ミドルハイ。ガードをしたヤンに、シングルレッグを仕掛ける。ニータップの要領で距離を詰め、ショートで右を当てたヤードンがダブルレッグへ。頭を上げ、エルボーを打ち込んで離れたヤードンの攻勢が続く。ヤンはテイクダウンにアッパーを合わせようとするが、右オーバーハンドを受ける。シングルのフェイクを見せ、打撃と思いきや直後にダブルからバックに回ったヤードンに対し、ヤンは後方へのエルボーを見せる。ヤンが正対すると離れたヤードンが、右から左フックを被弾。それでもジャブを伸ばして、前に出る。
残り半分、ヤンのグローブに不具合が見つかり試合が中断。すぐに再開し、前に出たヤンがテイクダウンを仕掛け、反応したヤードンに左ミドルを蹴り込む。直後にシングルからレッグリフトのヤードンだったが、足を抜いたヤンがミドルを入れる。間がヤンになりつつあるなかで、アッパーを被弾したヤードンが前に出る。ボディ&フックと左のコンビを繰り出したヤンの右アッパーが決める。ボディを返したヤードンは右を当てる。ヤンが右アッパー後にダブルレッグで見事なテイクダウンを決める。残り20秒、ガードの中からパンチ、エルボー、鉄槌を見せたヤンがブレイク後に流れを掴んだ5分となった。
最終回、ヤンの右オーバーハンドをダックで外したヤードンが、ワンツーから左ミドルを蹴る、ヤンもミドルを返し、右アッパーから飛び込んでイマナリ・ロールのような動きを見せる。クレイドルのヤードンに対し、シングルで立ち上がったヤンがエルボーを打たれる。打撃の間合いに戻り、ヤードンがジャブを連続で振るい、スピニングバックキック。ならばとヤンがスピニングバックヒールキックを繰り出す。またも回転系の後ろ回し蹴りを見せたヤードンだが、やや体の軸が乱れるようになってきたか。
テイクダウンを織り交ぜ、アッパーを入れたヤンが左の相打ち後にボディを打つ。ヤードンは頭を振ると体の軸が乱れ、シングルレッグも足を抜かれる。ヤンのスピニングバックフィストをかわしたヤードンは、左ハイを受けそうになるがジャブを続ける。ボディにスピニングバックエルボーを繰り出したヤンが、左を被弾。直後に組まれたが、ヒジを入れると体を入れ替えてダブルレッグでテイクダウンを決める。
残り1分、質量で上回るヤンがガードのなかから鉄槌を落とす。ヤードンはパスを許し、サイドで抑えられヒジを落とされる。敢えてスペースを与え、最後にダースを仕掛けたヤンが時間とともに勝利を確信したように手を挙げた。
初回の攻勢。2R序盤も優勢だったヤードンだが、ヤンが2R途中から形勢逆転。3Rは完全にヤンのラウンドに。2Rをジャッジがどのように判断するか、結果はジャッジ3者とも29-28でヤンを支持。「ハロー・マイアミ。応援ありがとう。1年間試合をせず、ここにいて勝ててハッピーだ。この試合はとても重要だった。俺は戻ってきた。誰が相手でも戦う。皆、ありがとう」と英語でヤンはコメントした。