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【ONE FN19】猿田洋祐と対戦、マラチェフ「サルタがケガなく、リングから下りられることを願っている」

【写真】まるで装飾されていない言葉を続ける。そこが強く感じられたマラチェフだ(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19「Haggaerty vs Lobo」でマンスール・マラチェフが猿田洋祐と対戦する。
Text by Manabu Takashima

約1年10カ月ぶりの復帰戦となる元世界チャンピオン猿田に対し、マラチェフはキャリア初黒星を喫したジョシュア・パシオ戦以来の再起戦となる。とはいえマラチェフは、パシオ戦は自らの敗北と認めていない。確かに首を傾げたくなる裁定だったことも確かだ。

その上でONE独自の裁定基準を学んだマラチェフは、これ以上ない強敵となって猿田の前に立ちはだかる。そんなオーラをリモート取材でも醸し出していた。


──1週間後に猿田選手と戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は10日に行われた)。

「しっかりと準備ができた。今は減量の時期に入っていて、今朝もしぼれてきたと実感している。とにかく良い試合ができるよう頑張るよ」

──ところでバンコクは常夏ですが、今ダゲスタンはどのような気候なのでしょうか。

「今は摂氏1度だ。でも大して寒くないし、もちろん暖かくもない。ごくごく普通だよ。タイで戦うのは3度目だけど、現地入りもファイトの直前だから向うで調整する時間はない。それもストレスにならないし、これまでも問題はなかった」

──今回が初インタビューとなるのですが、生まれも育ちもダゲスタン、マンスールもレスリングからMMAに転じたのでしょうか。

「そうだね、他の多くのMMAファイターと同じようにフリースタイルレスリングがベースでMMAに転向した。レスリングはダゲスタンの国技だからね。正直、レスリングでは望んだ結果を手にできなかった。同時にレスリングをやっている間もMMAをフォローしていたし、練習もしたことがった。そして、2013年になって本格的にMMAを始めるようになったんだ。次のステップに進む必要があると感じていたから。自分のレスリング力を生かして、より大きな夢を持つようになった。今のゴールはONE世界ストロー級王座を獲得することだよ」

──そのMMAで目覚ましい結果を残し、8連勝目にEagle FCのバンタム級王者に。そして9連勝目に同プロモーションのフライ級王座を獲得しています。北米メジャーへの登竜門であるEagle FCで二階級を制しながらアジアが拠点のONEと契約をしたのは?

「Eagle FCのベルトを2つ取った時、当然のようにステップアップを考えた。ONEは世界中で知られるオーガニゼーションだ。世界のベストで、タフな相手が揃っている。より優れた相手と戦うために、ONEと契約した。アスリートとして、それが一番成長に繋がるからね。ONEの一員になれて、ハッピーだ」

──ONEのハイドレーションが含まれた計量に関しては、戸惑うことはなかったですか。

「ONEストロー級の56キロは、Eagle FCのフライ級と同じ体重だ。ハイドレーション・テストがあるので、計量へのプロセスは違ってくる。ただし、それも2度経験した。今回はさらに上手くいく。元々、この階級では大きい方じゃないし、懸命に体重を落とす必要もない。この計量方法も凄く合っているよ」

──ではONEの裁定方法については、どうでしょうか。特に10月のパシオ戦は不満が残ったのではないでしょうか。あれだけドミネイトして、ギロチンのキャッチで敗れたような気もしました。

「前回の試合は15分の間、10分間はグラウンドでコントロールしていた。対して、スタンドでは彼は私の足を蹴ってきた。それが彼のやった全てだ。負けたとは思っていない。でも、ジャッジの見方は違ったということだ。まぁ、次の試合はフィニッシュする。そうすればこんな問題も起きないだろう。

同時にあの試合から、学ぶべきことを学んだ。だから、今回の試合は全く抜かりはない。コントロール中にパウンドを効果的に使い、ジャッジがおかしな裁定をしないように戦う」

──猿田選手の印象は?

「サルタはオールラウンダーで、経験豊かな元世界王者だ。既にその実力を見せてきた。前回戦ったジョシュア・パシオも元チャンピオンだったけど、ストライカーだった。対してサルタはレスリングを得意としている。でも私のレスリング能力の方が高い。打撃のあとに組み勝つ。それができるかが、この試合の鍵を握ってくるだろう。

再び元世界チャンピオンと戦えるということは、ONEが最高の相手を用意してくれたということだ。まさに自分が願った通りのことをONEはしてくれている。元世界チャンピオンに対して、私が何をできるのか。それを証明する試合になる。ファンに退屈な想いはさせない。サルタがケガなく、リングが下りられることを願っている」

──ところで3月1日にはジャレッド・ブルックス✖ジョシュア・パシオの世界ストロー級選手権が行われます。勝利者予想をしてもらえないでしょうか。

「6-4でブルックスだ。そしてサルタをKOかサブミットし、私が次期挑戦者になる」

──では日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンにも、この試合をしっかりと見て欲しい。そして私もサルタもケガをすることなく、試合を終えられることを願って欲しい」

■放送予定
2月17日(土・日本時間)
午前9時45分~午前9時45分~U-NEXT

■ONE FN19対戦カード

<ONEムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ジョナサン・ハガティー(英国)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ダニエル・ウィリアムス(豪州)
リト・アディワン(フィリピン)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
リアム・ノーラン(英国)
ナウゼット・トルヒーリョ(スペイン)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ(米国)
エディ・アバソロ(米国)

<ミックスルール女子ストロー級(※56.7キロ)/3分3R>
ワンダーガール・ナット・ジャルンサック(タイ)
ダヤニ・カルドゾ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
マンスール・マラチェフ(ロシア)
猿田洋祐(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マーク・アベラルド(ニュージーランド)
イブラヒム・ダウエフ(ロシア)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PKセンチャイ(タイ)
ティムール・チュイコフ(キルギス)

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