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【Gladiator CS01】Road to RTU=パン・ジェヒョクに挑戦、河名マスト「結局、恐怖って自分で創るモノ」

【写真】練習とキッズの指導の合間、バッテラと団子でエネルギー補給をしていた河名 (C)MMAPLANET

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」。そのメインで河名マストが、パン・ジェヒョクの持つGLADIATORフェザー級のベルトに挑戦する。
Text by Manabu Takashima

昨年6月に同王座決定トーナメント準決勝で一度は敗れた相手に、再び挑む。この8月の間に河名はどれだけ成長できているのか。もちろん、当日のコンディションは試合を左右する。そこを踏まえて、この試合はこの8カ月間の成長合戦だ。9月のユン・ダウォン戦、12月のチハヤフル・ズッキーニョス戦と実戦を重ねてきた河名は、あれからどれだ強くなっているのか。

UFCという目標を目指し、Road to UFC出場を狙う河名にとって、もう絶対に負けられない一戦に向けて──の心境を尋ねた。


──2月16日にパン・ジェヒョクとの再戦、タイトル挑戦が決まりました。オファーがあった時はどのような気持ちでしたか。

「即、やりたいと返事しました。やっぱり3月、4月にRoad to UFCのメンバーが決まる。その前にベルトを獲るチャンスがあるのは、僕にとって最高にラッキーだと思いました」

──つまりは誰と戦うというよりは、ベルトが大切だと。

「そうですね。僕にとってはベルトが懸かった試合ということが大切です」

──そうなると、もっと獲りやすいベルトもあったかと思います。ベルトの価値云々でなく、日本の団体のベルトなら、チャンピオンがパン・ジェヒョクより獲りやすい相手もいるだろうと。

「そこはやっぱりGLADIATORの王座決定トーナメントでベルトを獲ってから、臨む。そういう気持ちだったのが夢破れて、そこで終わったと思ったら、また拾い上げてもらった。あの借りはしっかりと返さないとなって思います」

──拾い上げてもらった……2度目のチャンスを手にできるための9月、そして12月のマッチメイクだったというのが偽らざる想いです(笑)。

「ハイ(笑)。9月は自分でもタイトルマッチとは言い切れなかったですけど、12月はしっかりと勝って逆に僕以外にタイトルに挑戦できる選手はいないというのは自分のなかにありました」

──ではGLADIATORのナンバーシリーズだと3月3日でしたが、CHALLENGER SERIESという新たな大会がスタートしたことで3週間弱早く挑戦できる。ここはどのように捉えていますか。

「時期は決められたところで戦うものなので、変わりはないです。ただ2週間早くベルトを獲る。そのことがRoad to UFCに出ることで優位に働くかもしれないので、早く決まるなら決まった方が良いです」

──6月から8カ月、一度敗れた相手と戦うことに向けて、この間にどれだけ成長できたと感じ取れる部分がありますか。

「多分……テクニックとかフィジカルは大して変わっていないと思います。パン・ジェヒョク戦とユン・ダウォン戦は自分のなかで1Rは相手の怖さを払拭するためのラウンドでした。パン・ジェヒョク戦は相手のパンチがどれだけ効くのか、自分のテイクダウンがどれだけできるのか──みたいなのがあって、1Rからいくことができなかったです。怖くていけなかった。そういう部分もあったので。

ユン・ダウォン戦は、組んでからの相手の極めという違った恐怖がありました。だから最初はいけなかった。2Rもいき切れてないです。そんな試合を勝てたことは大きかったのですが、恐怖を抱えていました。そこは12月のチハヤフル・ズッキーニョス戦で、怖い自分、恐怖する自分に克つ。最初からどんどん行こうという気持ちでいけたので、その試合の流れでガンガン初回からいければと思っています」

──ズッキーニョス戦でデキたことは、パン・ジェヒョクにもできる?

「もちろん、できないです。それに、エラーが起きるかもしれない。前回は1Rの最初のテイクダウンの攻防でエラーが起きて、打撃のやり取りになったら自分も死にはしないけど、かといっていく勇気もない。心が右往左往していたのが、チハヤフル戦で迷わずにいくしかないでしょっていう気持ちで自分を律することができた。そこは今回の試合でも出せるかと思います」

──初回をマスト選手が怖がっているとは思っていなかったです。それは怖いままで終わらずに挽回していったからです。初回で怖かったことが、2Rから変わることができるメンタルというのも凄まじいと思います。

「このパンチだったら死なない。KOされないと1Rで感じる。それを見ちゃうからいけないというのもあれば、そこで安心できるから2、3Rでいけるというのはありますね」

──このパンチだと死んでしまう……そういうパンチだったら、どうなるのでしょうか。

「その時は、その時です。アハハハハハハ」

──そこですね。マスト選手は中村倫也選手の自然児振りと比較すると、至極真っ当な人間かと思っていたら──なんのそのというところがあります(笑)。レスリング時代もそのような性格だったのですか。

「レスリングの時は社会人になってU23で世界一に一度なれました。どっちかというと追われる立場で。もちろん自分も追わないといけない立場だけど、大学生や若い選手が出てくるなかでポイントを取られると、そこをビビっちゃうというか……会社に所属しているから、会社の人間としてどうにかしないといけない。そういう変な、抱えないで良いプレッシャーを感じていました。

MMAになってからは、そこを気にせず。自分が生活していくためにやらないといけないし、自分自身のために戦うということをより感じるようになったというのはあります」

──それで割り切れるということなら、根本として強い人間ではないかと。

「そうですね、LFAで(アライジャ)ジョンズと戦った時もやられて怖いけど、死なないから1Rでケージに吹っ飛ばされた時も『こんなことするために日本から来たんじゃねぇ』と思っていけた。そういうところは、あると思います(笑)」

──2度目の対戦だから、パンチの威力は知っている。だから初回からいけるのか、ズッキーニョス戦でいけたからいけるのか。どちらでしょうか。

「両方です。何も知らない状態で打撃の交換を前回はしました。今回はこういう感じで来るということは想定できます。逆に自分のテイクダウンをどれだけ切ることができるのかも想定できるから、そこはある種怖さでもあります。そこが自分のなかで整理ができているので、加えてチハヤフル戦でいけたことが自信になっている。その2つを合わせて1Rからドンドンいけるんじゃないかというのはあります」

──では改めてパン・ジェヒョクの一番の強味はどこだと捉えていますか。

「とにかくアウトができることです。当てて離れて、当てて離れてを繰り返してポイントで勝ち切れる。その強さと、同時にポイントゲームで勝とうとするから拮抗した試合になるという脆さもあります。でも、そこで勝ち切れる強さを持っています」

──そんなパン・ジェヒョクを切り崩すポイントというのは?

「前回は1と2を取られて、3からいけた。それを1からいければ、1と2でも1と3でも取れれば良いし、あわよくば自分の形に持っていってフィニッシュする。それができれば相手のポイント計算が崩れるというのがあります。

結局、恐怖って自分で創るモノじゃないですか。ああされたらどうしよう、こうされたらどうしようと思うことで。そこを払拭する。チハヤフル戦では最初に右ミドルをバチンと蹴ることができたことで僕のなかの恐怖が払拭されました。そこが一つ。組む前に僕のなかで壁が一つ乗り越えることができたので、今回は自分が恐怖を感じるどの壁を乗り越えないといけないとのかという部分を、映像を視て設定していく必要があります」

──6、9、12、2月と試合が続く。これだけ試合が続いて、対策練習ではなく個として強くなれる部分はどれだけ積み上げることができたと思いますか。

「やっていることは、そんなに変わっていないと思います。そのなかでEXFIGHTの髙谷(裕之)さんと倫也のセコンドに就くことで繋がらせてもらって。『結局、MMAは最初は絶対に打撃をやらないといけないから、その覚悟を持って構えないといけない』と言ってもらえて。そういう部分が摂取できたのは、自分のなかで大きいです。髙谷さんとの打撃練習は対策練習ではなかったですし。

それに僕は何もないところからMMAを始めたので、何をやっても積み上げ練習になります。クラスに出て会員さんとの練習で引き込んで返す。それだけも自分の底上げになっていると思います」

──ロータスで一般クラスを請け負っている北岡選手のクラスに出ることも、底上げになるわけですね。

「もちろんです。それこそ寝技という部分では、細かい部分の修得度が低いです。MMAだと組手の途中でレスリングにしてしまえば良いから……見慣れている景色にすれば良いです。でも、そうならない時とか……そうするまでの流れのなかで、見慣れていない景色も見ないといけない。そういう意味では、テクニックだとか寝技でいう基本の部分はできていないと思っています。

だからこそ北岡さんのクラスで一般会員さんと一緒に習っていることが、僕にとって底上げになっています。やっぱり、中身のない引き出しは出せないと思うので。いつ開けることができるかは別として、引き出しはたくさん用意しておく方が良いと思っています」

──少し話が違いますが、最近では打撃のトップ選手がMMAに転じることが増えました。彼らはMMAをやり過ぎると、本来の打撃が弱くなるという話もしています。その点、レスリングに関してはMMAをやり込むと本来持つレスリングが弱くなることはあるのでしょうか。

「僕は、それはないと思っています。どっちも強くなる。やっぱり性質が違いますし。レスリングは倒した時点で攻め手と守りが確定して、そこから攻防が始まります。MMAはそうじゃない。流れが途切れないので、グラップリングやMMAの距離感で大学のレスリング部で練習をすると『やり辛くなった』と言われることもあります。

ザ・ピュアレスの組手を大学で摂取してMMAに戻ったら、見慣れている景色をもう一度確認してきたので、打撃とどういう風に組み合わせようかと組み立てることができます。打撃が入る角度が、テイクダウンに入る角度と同じだとか、リンクする部分は本当にあります」

──次の試合、ケージの直径は6.15メートル。従来は7メートルなのか。この85センチの違い、どのように影響を与えると思いますか。

「ケージレスリングは確実にやりやすくなります。自分が壁に押し込もうとしているのをパン・ジェヒョクがどうカットしてくるのか。そこはアドリブの部分なので、試合にならないと分からないです。その時はその時です。アハハハハハ」

──やはり、そこですね(笑)。ところで、まだRoad to UFCの決勝が終わっていないからか(※取材は1月16日に行われた)、次回Road to UFCの話が伝わってこないです。

「僕の耳にも入ってこないです。でも、そこもなるようにしかならない。僕がどうにかできるものではないので。ここに勝っても絶対ではない。とはいえ勝たないと話にならない。まずは勝つために自分のやれることをやらないといけない。そう簡単にフィニッシュさせてくれる選手ではないので、そこの我慢比べは……ケージが小さくなったからこそ互いの我慢比べの度合が大きくなると思います。だから絶対に退かない。休憩させない。諦めるまで追い続けられればなと思います」

──その覚悟でデキているということですね。今日はありがとうございました。では最後に意気込みの方を宜しくお願いします。

「UFCに行くために絶対に勝ちます。僕のRoad to Road to UFCは終わっていません。No UFC、No MMA──です」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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