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【Bellator302】PFL傘下Bellatorが北アイルランドでテイクオフ!! メインは世界LH戦=アンダーソン✖ムーア

【写真】チャンピオン対決後だけに、ちょっと地味なリスタートに(C)Bellator

5 日(月・現地時間)、PFLより3月22日(金・同)に英国は北アイルランドのベルファーストにあるSSEアリーナでBellator302「Anderson vs Moore」を開催することを発表した。
Text by Manabu Takashima

Bellator Champion Seriesの第一弾となる同大会、先月24日に行われたPFL vs Bellatorの会見でピーター・マリーCEOが明言していたように新しいBellatorはベルファーストからスタートを切ることとなった。

メインはワジム・ネムコフが返上したBellator世界ライトヘビー級王座を賭けてコーリー・アンダーソンとカール・ムーアが対戦する。またコメインでリア・マコート✖シネード・カヴァナウの女子フェザー級マッチが組まれることも合わせて明らかとされている。


Bellatorは欧州中心、アジアと米国2大会という当初のプラン通り北アイルランドから戦いが再開される。また、Bellatorを買収を発表した際に毎大会2つのチャンピオンシップを組むという話もあったが、コメインが世界戦でないことから、この辺りは軌道修正が加えられたか。

アンダーソンはBellatorライトヘビー級ワールドGPファイナルで前王者ネムコフとNC、仕切り直しの王座挑戦では有利と見られるなかで判定負けを喫した。その後、昨年6月にフィル・デイヴィスをスプリット判定で下し、今大会で3度目の正直を誓う。

対するカール・ムーアはお隣アイルランドのファイターで、Cage Warriorsライトヘビー級王者からBellatorにステップアップし、ここまで4連勝中で初めて世界のベルトに挑む。

EU離脱後、英国では欧州との貿易に関税が掛かるようになっていたが、アイルランドと地続きの北アイルランドでは従来通り物流がキープされ、逆に英国本土との間で通関検査が必要となっていた。

もととも日本でイギリスと呼ばれる国はグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国という正式名称を持ち、北アイルランド、ウェールズ、スコットランド、そしてイングランドの4つの国から成り立っている単一主権国家だ。

対してアイルランドは英国とは別の独立国家だが、同じ島であり両者の結びつきは強い。スポーツにおいてもサッカーはアイルランドと北アイルランドが別々のリーグを持つが、ラグビーは統一リーグとなっている。

加えてご存知のように宗教上もプロテスタント……なかでもイギリス国教会信者が多数を占める北アイルランドと、カトリックのアイルランドの宗教上の争いを絶えなかった。

特に北アイルランド国内ではユニオニスト、過激派のロイヤリストというプロテスタントと、ナショナリストと過激派のリパブリカンというカトリック信者の間で対立形式が存在していた時期もあり、IRA闘争など血生臭い時代も長く続いた。

EU発足後、欧州内の国境の意味合いが薄まることで両国の関係も急速に和平に向かい現在に至るが、日本からすると政治&経済と共に宗教、さらにスポーツとイメージし辛い状況にある。

ような北アイルランドのファンは、アイルランド人のムーアの世界王座奪取を後押しするのか。その空気がどうなるのかが気になるのは、コメインの女子ファザー級戦が北アイルランド✖アイルランドの対抗戦となっているからだ。

マコートはベルファーストから15キロ南下したセイントフィールド出身のご当地ファイターながら、アイルランドのチャールズタウンにあるSBGチャールズタウンで練習していた時期がある。

対してカヴァナウはアイルランド人で、SBGの本部に籍を持つファイターだ。

Bellator在籍が8年目を迎えたカヴァナウは、38歳。マコートは5年目の31歳で、前者がサークルケージで6勝6敗なのに対し、後者は7勝2敗と勢いがある。とはいえ、2年前の2月に両者は対戦しており、カヴァナウが判定勝ちを収めている。

このようにアイルランド及び北アイルランド色の強い上位カードを採用したPLF版Bellatorだが、米国在住ファイターの出場はどれだけあるのか。世界を転戦するスタイルを採用し、これまでのように米国の比重が高くないBellator Champion Seriesだけに、どのようなラインナップが揃うのか。どれだけ半年前までのBellatorを連想させるイベントになるのかは、非常に気になるところだ。

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