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【NAIZA FC55】エレンガイポフ、TD&組みとパンチの融合で福田に圧勝。水車落とし&ジャーマンまで決める

<NAIZA FCフライ級選手権試合/5分5R>
ジアス・エレンガイポフ(カザフスタン)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45
福田龍彌(日本)

ワセリンを塗られている時も笑顔でカメラ目線の福田、しっかりとファイトを楽しめる精神状態にあるようだ。ジアス・チャントの館内で、福田がジャブを伸ばしボディを打つ。エレンガイポフは左を振るってダブルレッグへ。福田をケージに押し込み、肩に担いでスラムを決める。ハーフから足を戻し、一瞬ハイガードを取った福田はパンチのエレンガイポフを三角に捉える。しっかりと入ったように見えた三角絞めを担いでパスをしたエレンガイポフが、サイドで抑える。

下手にスクランブルに行くよりも、サイドで抑えられる方が良いと思われる福田は、骨盤にヒザを受けるが、左腕を差して足を戻しハーフに。福田はケージ際に移動し、頭を起こしたエレンガイポフが左エルボーを打っていく。ケージを背負って立ち上がった福田に対し、エレンガイポフは体を沈めてダブルからバック。さらにスナップバックでいなして、サイドで抑える。ニーインベリーでパンチ、エルボーのエレンガイポフが立ち上がろうとする福田をバックコントロールに捕え強烈な左を打って時間となった。

2R、やや遠目の距離に立つエレンガイポフが左を当てる。福田は左ロー、そこから左へ。見たエレンガイポフのロングをかわした福田が、ジャブを連続で打ち込む。エレンガイポフは左オーバーハンドを入れ、左右に動きつつ右ハイへ。ブロックした福田は左にダブルレッグを合わされる。倒された福田はクローズドガードに取り、下からエルボーを打っていく。巧みに腰を押し、左足を抜いたエレンガイポフは足を戻されると左エルボー。オープン、腰を蹴る福田に対し、エレンガイポフが大きな踏込みからパウンド──その勢いでパスを決めた。

ここも骨盤にヒザを入れるエレンガイポフは右ヒジを落とし、マウントへ。即座に反応した福田はハーフに取る。構わずヒザのパンチを入れるエレンガイポフが、上体を起こしてエルボーを打ちつける。福田は背中をつけたまま2Rも落とした。

3R、やや近めの距離から離れたエレンガイポフが左。福田も右を被せていく。エレンガイポフは左オーバーハンド、さらに右を当てる。前に出る福田が右ボディ、ジャブを伸ばす。エレンガイポフは左をヒットさせると、距離を取り直して再び左を振りながら組んでいく。ここはケージを背負って耐えた福田は、切って流れを掴みたいところだ。

左を差しレベルチェンジからダブルレッグでバックに回ったエレンガイポフは、正対した福田をボディロロックで抱え上げてスラムを決める。直ぐに立った福田が懸命にクラッチを剥がして正対しようとするが、小外で尻もちをつかされる。ケージを背負う福田の左足を取って立たせない王者は、ボディにヒザを入れる。小技もきかせるエレンガイポフは、立ち上がった福田を担いで何と後方にフリップ。そのまま後方回転して上を取ったエレンガイポフが、この回も取った。

4R、ジャブの相打ちからボディを伸ばす福田。続いて左を顔面に入れる。さらに右ロングアッパーの福田だが、エレンガイポフもパンチを返すと左フックにダブルレッグを決める。福田はケージを背負って立ち上がり肩パンチ、ヒザをボディに入れる。直後に離れたエレンガイポフに左を伸ばした福田が、ダブルを切る。距離を詰めて左、ジャブを打った福田がケージにエレンガイポフを追い込む。ここでエレンガイポフはシングルレッグからバックに回り、スナップバックでテイクダウンを奪う。サイドで抑えられた福田に肩固めの圧を掛けるエレンガイポフ。福田は鉄槌、エルボーを受けてマウントを取られる。懸命に暴れる福田は直後に時間のホーンを聞いた。

最終回、福田がジャブを伸ばし、右アッパーを狙う。ワンツーで前に出た福田が左を伸ばす。しかし、右フックに組んだエレンガイポフがボディロックで福田を抱え、櫓投げようにテイクダウンを決める。福田の右足を腿の上に乗せて立たせなかったエレンガイポフがバックへ。正面を向いたところで、ボディロック&パンチのエレンガイポフが盤石の試合運びを見せる。

立ち上がって離れた両者、シングルを切り切れない福田が担がれ尻もちをつかされる。続いて後ろに回ったエレンガイポフがヒザを腿に入れ、正対した福田に思い切り肩を押し込みシングルからバックへ。残り30秒、エレンガイポフは自ら祝砲を挙げるように後方に豪快なバックスープレックスを決め、25分の戦いを締めた。

結果は当然のようにフルマークでエレンガイポフに凱歌が挙がり、日本のトップと中央アジアのトップの間には組み技と打の融合という部分で差があることが明白となった。そして「完全に実力不足です。ジアス選手、強かった。ちょっとちゃんと自分の実力不足に向き合って。強くなって戻って来たいと思います」と話した福田にカザフスタンのファンは拍手を送った。


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