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【PFL2023#08】女子F級準決へ、モフナトキナ「レギュラーSとプレーオフは戦いのアプローチが違う」

【写真】アスリートとして一流然とした空気を纏っているモフナトキナ (C)PFL

18日(金・現地時間)にニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデン内ザ・シアターでPFL2023#08が開催される。
Text by Manabu Takashima

ヘビー級と女子フェア―級の準決勝が行われる今大会、その女子フェザー級セミファイナルでマリーナ・モフナトキナがアンバー・レイブロックと対戦する。レギュラーシーズン初戦で東よう子に勝利したモフナトキナは、スポーツサンボの世界王者からMMAに転向し、強くなるなめに単身渡米。コロナ期間にATTに入門ならず、女子禁制のサンフォードMMA(現キルクリフFC)に唯一例外として在籍が認めらた。

そのモフナトキナ、レイブロック戦を前に取材すると、この1年で大きく人生が変わっていた。


──昨年8月にキルクリフFCでマリーナにインタビューを受けてもらったのですが、あれから随分と練習、そして生活環境にも変化があったようですね。

「PFLの去年のシーズンが終わってロシアに戻り、今年のシーズン前に米国に戻ってきたの。でも、今はキルクリフFCでなくてラスベガスのシンジゲートMMAで練習しているわ。そう、本当に色々とあって。この間にUFCを契約したミハイル・モクナトキンと結婚をして……」

──それはおめでとうございます。

「ありがとう(笑)。彼の試合も9月のにあるのよ。そう、あなたとフロリダで会ってから本当に色々なことが起こったわ(笑)」

──キルクリフFC唯一の女子ファイターでしたが、シンジゲートでは同性の練習相手もたくさんできたのではないですか。

「正直、男の選手だけと練習をしていたから、フロリダにいる時はケガが絶えなかったわ。なんせ、体が違うから。でもベガスではたくさん女子選手がいて、練習環境が良くなっているのは確かね」

──2週間後にはPFL準決勝でアンバー・レイブロックと戦います(※取材は3日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「良い感じよ。MMAの戦績的には似通っているけど、彼女と比べると私の格闘技経験の方が厳しい環境にあっった。サンボ、MMAをこれまでの生涯をかけてやってきたから。その違いを彼女は知ることになると思う。これまでの戦ってきた相手も違うし、そういう点においても私の方が彼女をリードしているわね」

──PFLはポイント制を敷いていて、彼女は初戦のクイックシックスが効いてプレーオフ進出を果たした感があります。2戦目のパチェコ戦は逆に初回、僅か45秒でKO負けを喫しましたし。レイブロックの実力をどのように評価していますか。

「レギュラーシーズンとプレーオフでは、戦いのアプローチの仕方が違ってくるわ。ファイナル進出に向けて、前の2試合のように勝負を急ぐ必要がない。レギュラーシーズは2試合で少しでもボーナスが必要だから、皆ミスをしようがラッシュして戦う。対して今回の試合は時間を掛けることができるし、レスリングやグラップリングのテクニックを十分に駆使することができるはず。そしてミスを減らして、しっかりと勝利を目指すわ。そういう戦いができるように練習をしてきたし、グッドシェイプを保ってきたから」

──ところで今年は日本の東陽子選手、そしてPFLからの期待が高かった。エヴリン・マルチンスを下しての準決勝になります。

「どちらの試合も凄く良い経験になったわ。PFLは短期間で集中して試合があるから、試合と試合の合間も気を抜くことはできないし。そうやって勝ち続ける必要がある状況が、私を成長させてくれた。ヨーコとエブリンと戦うことでは、私はさらに強くなれた」

──では、もう一つの準決勝ラリッサ・パチェコ×オレナ・コレスニクの予想と、ファイナルでどちらと戦いたいかを教えてもらえますか。

「ラリッサの方が経験豊かで、彼女がファイナルに上がってくると思うわ。過去に2度もオレナに勝っているし。オレナ・コレスニクは細かい戦術を持ってラリッサに挑むだろうけど、単にラリッサの方が実力が上で。だから彼女はチャンピオンなわけだし、いずれにしても私はラリッサ・パチェコと決勝で戦うことになるはずよ」

──もちろん準決勝に集中しないといけないですが、100万ドルを手にする自信のほどは?

「私のモチベーションは100万ドルの獲得が第一。それは全ての選手にも共通することのはず。多くの努力と犠牲の上に、戦うことができているから。賞金を手にするために、努力を続けているわけだしね。100万ドルを得られるだけのことはやってきたわ」

──ところでPFLがBellatorを買収したという話が、半ば事実のように伝わっています。そのようにモノゴトが進展した場合、Bellatorがどうなるのかは分からないですが、仮に女子フェザー級戦線にはクリス・サイボーグ、キャット・ジンガーノら強豪選手が所属しています。彼女達がPFL女子フェザー級のロースターに加わると、一気に戦局は変化するかと。

「そういうことは気にしないようにしているから、あまりどういう状況かは分かっていないの。でも、キャリアのためにも試合機会が継続して訪れ、その間も集中してトレーニングできることは絶対にポジティブなことで。それだけ成長できるから。試合が私を強くしてくれるので」

──マリーナ、今日はありがとうございました。では日本のファンにメッセージをお願いします。

「ありがとう。PFLがアジア、日本で大会を開く日が来ることを願っているわ。その時は絶対に日本に行きたいと思っている。ずっとTVで日本の美しいところを視てきたから」

■視聴方法(予定)
8月19 日(土・日本時間)
午前8 時00分~DAZN

■ PFL2023#08対戦カード

<ヘビー級準決勝/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
モーリス・グリーン(米国)

<女子フェザー級準決勝/5分3R>
ラリッサ・パチェコ(ブラジル)
オレナ・コレスニク(ウクライナ)

<ヘビー級準決勝/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
ジョーダン・ヘイダーマン(米国)

<女子フェザー級準決勝/5分3R>
マリーナ・モフナトキナ(ロシア)
アンバー・レイブロック(米国)

<フェザー級/5分3R>
ネイト・ケリー(米国)
デイモン・ネルソン(米国)

<ライト級/5分3R>
クリス・ミクサン(米国)
エディ・ジョージ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ダニーロ・マルケス(ブラジル)
石井慧(クロアチア)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・ニール(米国)
マイラ・マザール(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ルイ・サザーランド(英国)
ダイクワン・バックリー(米国)

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