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【Shooto2023#05】7年4カ月振りの修斗公式戦出場、竹中大地─01─「俺はもっとできるのに――と」

【写真】日本での試合は2021年10月のRoad to ONE05以来、実戦もその時の和田竜光戦以来となる(C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#05で、竹中大地が藤井伸樹と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

竹中は2016年3月に修斗環太平洋フェザー級(現バンタム級)王座を獲得し、VTJ出場を経て2018年からONEに戦いの場を移していた。その竹中が国内戦線に復帰し、かつて自身が保持していたベルトを現在巻いている藤井と対戦することに。ONEとの契約と試合をしていない期間について訊いていくと、改めて藤井戦への気持ちの高さが見えてきた。


――試合を1週間後に控え(※取材は7月16日に行われた)、すでに追い込みの練習は終えている時期でしょうか。

「そうですね。対人練習は昨日で終えて、あと一週間は調整のみという感じです」

――2021年はONEでバンタム級からフライ級に落としました。ONEフライ級と修斗バンタム級は同じリミットですが、減量は大きく変わってきますか。

「同じリミットでも、今回のほうがメチャクチャ楽ですね。ONEは水抜き禁止なので、どうしても減量というよりダイエットに近くなってしまう部分があります。修斗では水抜きができるので、別モノだと感じています」

――国内復帰にあたって修斗のフライ級に落とそうとは思わなかったのですね(笑)。

「アハハハ、それは難しいです。良いパフォーマンスを出すためには、しっかり食べて、しっかり練習する。バンタム級だと、それができる。もちろんオファーがあれば、フライ級で戦う可能性はゼロじゃないです。それがメリットのある試合というか――やっぱり自分にとって良いパフォーマンスができるバンタム級で、藤井伸樹選手と戦えるのは一番大きいですね」

――直近の試合は2021年10月に行われた、Road to ONEの和田竜光戦です。あれから1年半以上、試合を行っていなかった理由は何だったのでしょうか。

「マッチメイクがうまく嚙み合わなかった――という表現が、一番合っている気がします。僕は試合がしたかったし、ONEからも『試合があるかも』という連絡をもらいながら、結局は実現しなかった。そういう状態が続いてしまっていました」

――コロナ禍の影響もあったかとは思いますが、ONEからオファーがなかったわけではないのですね。

「はい。その間に僕もチョコチョコと怪我をしてしまったりして、うまく噛み合いませんでした。いま考えると、MMAの試合がない時にグラップリングや柔術の試合に出ていても良かったのかな、とは思います。でもそれは結果論であって。

ひとつ言えるのは、よくONEの契約解除期間がどうとか聞きますけど――そういう契約の縛りで試合ができていなかったわけではないです。実際、あと1試合の契約が残っていて、ONEも試合を組んでくれようとしていましたから」

――結果、1試合を残して円満リリースとなったと。ONEではONE Friday Fights(以下、ONE FF)という新ブランド大会が開催されています。試合が組まれるのならば、ルンピニースタジアムのリングでも試合はしたかったですか。

「話を頂ければ、僕はやりたかったです。でもONE FFのオファーはなかったですね。いずれにしても、とにかく僕は2年近く試合をしていないという事実があるだけで」

――その期間は、海外あるいは国内の試合をどのように見ていたのでしょうか。

「俺はもっとできるのに――という気持ちは大きかったです。そもそも2019年11月のユーサップ・サーディラエフ戦(判定負け)から、次のイヴァニウド・デルフィーノ戦(2021年1月、RNCで一本勝ち)まで1年以上空いていて。2020年からここまで2試合しか戦うことができていないんですよね」

――確かにトータルで考えると、3年半で2試合というのは……。

「僕の中でも焦りがありました。選手は試合をしてナンボであって。試合をしないと強くもなれない。試合をしないと、自分の強さや存在を証明できない。そういう焦りはずっと感じています」

――ちょうどその期間に30歳を過ぎました。

「今年で33歳になりましたけど、おかげさまで体は元気です。ダメージが溜まっているわけではないので。めっちゃ心もフレッシュですし、チャンスがもらえるなら――自分より若い選手とも、どんどん戦っていきたいですね」

――試合がなかった期間は、どのように過ごしていたのでしょうか。試合に向けての練習と、普段行う練習は違うものではないかと思います。

「そこが一番難しかったです。どれだけ普段から意識を高く持っていたとしても、普段の練習と、『試合が決まった!』と始める練習は違いますし。今回、藤井選手との試合が決まってから試合に向けた練習を始めると、やっぱり集中力も違いますね。何て言うんやろう……『俺、格闘技やっているな』っていう充実感があります」

――一方、普段の練習で新しく取り組んだことはありますか。

「たくさんあります。この期間に引き出しは増えたと思いますよ。増えた引き出しを、試合で使えるかどうかは、まだ実際にやってみないと分からないです。でも新しいことを試してみるチャンスは多くて。試合前に具体的にどんな技かは言えないですが、それは次の試合を楽しみにしてもらいたいですね」

――繰り返しになってしまうかもしれないですが、それだけ引き出しが増えているからこそ、試合がない期間はモヤモヤしていたのでしょうね。

「モヤモヤしていましたよ。何より現在の自分の実力がどれぐらいなのかが分からなくて。それが今回試合をすることで、今の自分の力がハッキリします。ただ、以前の自分が100やとしたら、今は120や130になっていると思います。2021年の僕と比べても、練習では確実に良くなってきていますから。実戦でどれくらい出せるのか、自分でも楽しみです」

<この項、続く>

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