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【Road FC64】グローバル63キロT出場、キム・スーチョル「優勝して大晦日にRIZINで戦いたいです」

【写真】サウナを出て、冷水。そしてサウナに戻る前のスーチョル。「ほかの人がいるので」と時折り、携帯の画面がオフになるリモート取材だった(C)MMAPLANET

24日(土・現地時間)、韓国はウォンジュのウォンジュ総合体育館でRoad FC64が開催される。同大会では63キロと70キロで8人制のグローバル・トーナメント準々決勝が実施され、63キロTにキム・スーチョルが出場してアレクセイ・インデンコと対戦する。

昨年は扇久保博正を下し、大晦日はRIZIN代表としてBellatorとの対抗戦に出場。フアン・アルチュレタと戦い、1-2で敗れたがキム・スーチョル株が下落することはなかった。

しかし、スーチョル自身の自己評価は違った。結果、RIZIN継続参戦でなく予てから実現が噂されていたRoad FCのトーナメント出場を決めた。インデンコ戦4日前、キム・スーチョルの声をサウナから届けたい。


──ファイトウィークのお忙しいなか、インタビューを受けてもらいありがとうございます。

「いえ、記者さんにインタビューをされることはいつも嬉しいです。こちらこそ、ありがとうございます」

──とはいえ、サウナでインタビューを受けてもらうなど私の記者人生で初めてです。

「光栄です(笑)」

──今回のトーナメントは63キロ契約ですが、既にサウナに入る必要があるのかと心配になってきますが……。

「実は昨日の練習で疲労が溜まっていたので、疲労回復のために冷温交代浴をしているんです。サウナに入り、冷温に浸かる。これを繰り返すことで、疲れがとれ何よりもぐっすり眠れるので」

──なるほど、そういうことでしたか。

「試合前に選手が眠れないということは、自分もよく聞いていますし、自分もそうでした。でも、これを始めてからよく眠れるようになっているので凄く満足しています」

──とはいえ、土曜日が試合で火曜日まで追い込み練習をしているのですね(※取材は21日に行われた)。

「打撃とグラウンドのスパーリング、それとミット打ちをミックスした追い込みを10Rやりました(笑)。ジョン・ムンホン代表の目が光っているので、一切手を抜くことはできないです。本当に疲れます。このスパーが最後の仕上げですね」

──今回のRoad FCグローバルT、日本のファンは引き続きRIZINでスーチョルの雄姿を見続けたかったところですが、やはり母国──しかもRoad FCのトーナメントに穴を空けることはできないですね。

「日本のファンが自分を応援してくれる気持ちは、本当に分かっているつもりです。いつも感謝しています。自分はSNSを頻繁にする方ではないのですが、インスタへのメッセージは全てが日本のファンからのモノです。実は父親が、こないだ日本を旅行をしたんです。父は歴史問題もあって、日本のことを長く良く想っていなかった人間なんです。その父が今では『日本は本当に皆が親切な国だ』と、いつも言うようになりました(笑)。そこも含めて、日本の皆さんには感謝の気持ちしかありません。

今回、RIZINでなくRoad FCで戦うことを決めたのは、昨年の大晦日にフアン・アルチュレタと戦った時に『このままRIZINやBellatorで戦っていても、チャンピオンになることはできない』と感じたからなんです。色々と学ぶことができる試合でした。もっともっと自分は変わらないといけないと、思い知らされました。だから、また一からやり直そうとRoad FCで戦うことを決めたんです」

──あれだけの試合をしてきて、どこを変えないといけないと思ったのでしょうか。

「試合前は絶対に勝てるという自信を持っていました。それなのにいざ試合が始まると、自分が上回っているところがどこもなかったです。なにより、怖いと感じてしまいました。そんな風に思った自分がショックで、これまでやってきたことを誇る想いが揺るいでしまいました。

試合後、アルチュレタと話をすると『俺も怖かったよ。でも、楽しめた。楽しかったよ』と言っていて。自分も彼のようにならないといけないと思いました。そういう気持ちで戦えるようになるために、もっと経験を積まないといけないです」

──以前は地元のウォンジュで戦うことは、知り合いが多くてプレッシャーになると言っていましたが今回は楽しめていますか。

「プレッシャーは感じています。ただし、試合ができること自体を楽しめています。それに今は妻が支えてくれているので、その安心感が以前とは全く違います」

──スーチョルは付き合っている頃から、常に奥さんへの感謝の気持ちを口にしていて。本当に愛妻家で素晴らしいです。そんななか、今回のトーナメントですが……出場選手の名前を見てピンとくる選手はいないです。それだけにロシア、ブラジル、キルギス、そして補欠戦のモンゴル人ファイターとどうなるか分からない怖い選手を集めたと感心させられました。

「出場選手を決めるのはジョン・ムンホン代表の仕事です。自分がやることは、当てられた相手を倒すこと。それしか考えていないです」

──では対戦相手のアレクセイ・インデンコに対して、どのような印象を持っていますか。

「簡単ではない相手です。背が高くて、パンチ力がある。ドナルド・セラーニのような感じですね。絶対にイージーに勝てることはないはずです」

──リーチも長く、やや遠い距離で戦いながらダブルレッグに入れる。その辺が厄介に感じました。

「そこも踏まえて、準備してきました。セコンドともしっかりとやるべきことを共有して、試合のパターンを1から6まで立てました」

──6つの試合パターンを!!

「ハイ。そこまで準備しているので、それほど心配はしていないです。ただ緊張はしています(苦笑)」

──なるほど、スーチョルらしいです。今回のトーナメント、正式な日程は出ていないですが8月、そして10月と2カ月のスパンで進むと聞いています。やはり気を付けるべきはケガをしないことかと。

「ケガをしないように作戦を立てました。ただ、もうここまで来ると何があろうが戦い抜く。前に進むということだけを考えています」

──ここで勝つと、準決勝はパク・ヘギュン✖ブルーノ・アゼベドの勝者と戦うトーナメント枠になっているようですが、その辺りはどのように考えていますか。

「トーナメント枠がどうか、それもジョン・ムンホン代表がやることで自分は気にしないようにしています」

──では参加選手で、インデンコ以外にマークしている選手はいますか。

「ヤン・ジヨンと戦うキルギスのラザバリ・シェイドゥラエフが昨日、チームで練習するためにジムにやってきました。タフそうで、あの選手は強いと思います。ただ8月も10月も自分が勝ち、優勝して大晦日にRIZINで戦いたいです。可能なら、タイトル戦をしたいですね。とにかく今回のトーナメント、日本のファンの皆さんが応援してくれる声に応えるために頑張ります。優勝することが恩返しだと思っています」

■ Road FC64対戦カード

<Road FC グローバル63キロT準々決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
アレクセイ・インデンコ(ロシア)

<Road FC グローバル63キロT準々決勝/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスウ・ナンディンエルデン(モンゴル)
フィリッピ・ジェズウス(ブラジル)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
パク・ヘジン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<Road FC グローバル63キロT準々決勝/5分3R>
ヤン・ジヨン(韓国)
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ユン・テヨン(韓国)
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)

<Road FC グローバル63キロT準々決勝/5分3R>
パク・ヘギュン(韓国)
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ハン・サングォン(韓国)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<Road FC グローバル63キロT補欠戦/5分3R>
チャ・ミンヒョク(韓国)
ガントグトフ・バートルチョローン(モンゴル)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
ヨ・チェウ(韓国)
シン・ドングク(韓国)

<50キロ契約/5分3R>
パク・ソヨン(韓国)
ペク・ヒョンジュ(韓国)

<70キロ契約/5分3R>
パク・ソヨン(韓国)
パク・ヒョンビン(韓国)

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