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【TORAO29】福岡大会で畠山隆称戦、泰斗─02─「打撃もグラップリングもやる気満々です」

【写真】本田良介のスタイルで、打撃を織り交ぜることができれば──それはも北米スタイル(C)MMAPLANET

28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、畠山隆称と対戦する泰斗のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

プロデビューから3連勝。順調にキャリアを重ねていたと思われたが、昨年12月、田上こゆるに敗れた泰斗は敗戦から何を感じたのか。畠山との福岡×ルーキー対決、泰斗は「フルラウンド動き続ける」と断言した。

<泰斗インタビューPart.01はコチラから>


――目標である本田選手がDEEPフライ級GPの決勝まで進んだことは、どのように捉えていますか。

「本当に凄かったし、嬉しかったです。決勝は残念な結果に終わって、良介君も少し落ち込んでいました。でも僕も含めて練習仲間の試合が続々と決まっているので、今は前を向いて一緒に練習していますね。良介君だけでなく、僕たち全員が」

――その本田選手と同じようにフルラウンド動き続けることができるようになったのは、レンジャーズジムに入ってどれくらい時間が掛かりましたか。

「まずレンジャーズジムに入って1年で、修斗でプロデビューすることができました。ジムに入る前から、同じ階級の中ではフィジカルが強かったほうだと思います。あとは技術を覚えることを意識していて。その結果、自分の得意な形が見えてきました。自分の得意なところを見つけることができたというのが一番良かったですね」

――現在のスタイルを考えると、ジムにフルケージが設置されている環境も影響したのではないでしょうか。

「僕がジムに入った頃は、まだケージがなくて。プロデビューする頃にはケージが入ったので、それは大きいです。ケージがあることについては皆さんから言われるし、本当に良い環境で練習させてもらっています」

――レンジャーズジムでは田中半蔵選手も練習しているのですよね。

「はい。階級が違うのでスパーとかで絡むことは少ないんですけど、福岡にある宝満山という山で一緒に走ったりしています。結構高い山(※標高約830メートル)で、傾斜もキツイですけど道がしっかりしているので、良いトレーニング場所なんですよ。

そういったトレーニングのおかげで、プロデビューしてからもフィジカルでは相手より上だと感じていました。体つきは、もともと筋肉質だと思いますけど――あまり筋トレをしなくても筋肉が付きやすいですね」

――今回はZOOMのインタビューですが、画面で見える姿が試合時のゴツい体とは違っていて、別人かと思いました(笑)。

「アハハハ、着痩せするタイプなんですよ」

――なるほど。その結果プロデビューから3連勝を収めましたが、昨年12月に田上こゆる戦で初黒星を喫しました。田上戦の感想を教えてください。

「試合が決まった時は嬉しかったです。田上選手はずっと有名で、僕も試合を見ていた選手でしたから。こんなに早いタイミングで試合できるのか、と思いました。正直、自分のスタイルとハマるんじゃないかと考えていて。打撃についても、田上選手とやり合えたら自分にとっても自信になる。ここで勝ったらランキング入りできる。強敵やけど、やるしかない。そう覚悟を決めて挑みました。

でも試合をしてみると、田上選手もフィジカルが強くて。自分の中ではテイクダウンで背中を着けさせるイメージが出来上がっていたんですが、相手も対策ができていて、しっかり倒すことができませんでした。特に、組んでいる時のヒジがポイントだったと思います。相手がヒジを打ってくることを想定していなかったわけじゃないですけど、田上選手の良いところにハマッてしまったと思います。

ただ、良い経験をさせてもらいました。3Rフルで戦えたこと。最後にバックを奪った時も、体力は切れていなくて。しかも、そこまで力を使うこともなかったです。3Rでもスタミナが切れることなく、力を出せたことは良かったですね」

――まさに本田良介スタイルですね。

「それはもう――良介君がバテたところを見たことがないです(笑)」

――アハハハ。そんな田上戦から5カ月、この期間に新しく取り組んだことはありますか。

「何かコレといった、新しいものはないですね。日々、全面的にレベルアップさせていくことが大事だと思っています。もちろん対戦相手が決まったら対策は立てますけど、今回は普段から練習量をアップさせてきました。今後は良介君の真似をするだけじゃなく、どんどん自分の色も出していく。もっと自分なりの打撃を出したりしていきたいです」

――では次の対戦相手、畠山隆称選手の印象を教えてください。

「まだキャリアが浅い選手同士の潰し合いですよね。すごく楽しみです。畠山選手は何でもできるタイプで、際の部分もしっかりしているし、気が抜けない相手だと思います。僕も全面的に戦いたいですね。体格的には畠山選手のほうが大きいと思いますが、僕も大きな選手と試合するのは慣れています。試合でも常に相手のほうが大きいですし。自分にとっても大きな相手のほうが戦いやすいです」

――テイクダウンで動き続ける泰斗選手と、グラウンドで動き続ける畠山選手の対戦は、とてもタフな試合になると思います。そこで組みの展開以外、打撃面はどう考えますか。

「打撃もグラップリングもやる気満々です。畠山選手が相手なら、絶対にどちらの展開もあると思うので。良介君もそうだし、デメトリウス・ジョンソンのようにフルラウンド動き続けるスタイルが理想なんです。それがMMAだと考えています。そうなるためには、もっともっとキツい練習が待っていますけど(苦笑)」

――確かにそうですね。最後に、今後MMAを続けていくうえでの目標を教えてください。

「ベルトを獲りたいし、ONEなど世界で戦いたいです。そして将来は自分のジムを持ちたいと考えています。もともと格闘技でメシを食うつもりはなかったし、趣味でMMAを始めた人間です。でもレンジャーズジムに入って、気持ちが変わりました。『自分には格闘技しかない』と。外で遊ぶよりも練習や指導しているほうが楽しくて、もうMMAこそが自分の人生だと思っていますよ」

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

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