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【Combate Global】ずんぐりマッチョ=ラテン体形のヴェレンズエラ戦へ、安西信昌「生命力で勝負する」

【写真】絵面が、MMA版弥次喜多道中&黒ひげ危機一髪(笑)(C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)にフロリダ州マイアミのユニビジョン・スタジオで開催されるCombate Global「Mexico vs Japan」に2019年末のBellator JapanにおけるMVP戦以来の実戦復帰となる安西信昌が、澤田千優&エフェヴィガ雄志ら師匠と揃ってABEMA海外修行プロジェクト出場組と出場し、ヴィクトル・ヴァレンズエラと対戦する。

9勝3敗のチリ人ファイター=ヴァレンズエラは、肩幅が広く胸板が厚く背が決して高くない。それでいてストライカーという日本で余り見られない体躯を誇るMMAファイターだ。3名出場とはいえ日本人初参戦、他の両者と違いファイトウィークに米国&現地入りした安西にMVP戦以降と、今回の試合に対してインタビューを行った。


──安西選手、本当にお久しぶりです。

「もう初めましてっていうレベルですね(笑)」

──2019年の年末にベラトール日本大会でマイケル・ペイジと戦い、敗北。あの時、複数契約ですから──あの試合の結果はさておき、次戦からが本当の勝負だと勝手ながら思っていました。

「自分は勿論、どの試合も勝つつもりでいます。最初から負けるつもりで戦うファイターはいません。ただ、大方の人がそういう風に見ていたと思います。あの後、ベラトールで戦うつもりでしたが、コロナになって機会を失う状況になりました。同時に僕のコンディションがすこぶる悪くて。ヘルニアになり、良くなって練習するとまた悪くなる。この繰り返しで、試合ができるような状況にならなかったです。これを本当に長い間繰り返してきて、僕の方から『試合がしたい』と言える状況ではなかったです。

スパーリング以外でもやれることはあり、ドリルやフィジカルはできていました。自分の練習できなくても、スパーリングを見ることもできますし。ただ試合に向けての練習は、約3年間できなかったといっても良いぐらいです。ようやく、こういう感じで練習できるようになったのは昨年の後半からですね。少し長く練習できる状態に続くようになったのは」

──どこか爆弾を抱えている感覚なのですか。

「そうですね。その爆弾というのは、今も変わらない状態です」

──……。そして試合ができるようになった時、ベラトールではなくコンバテになったというのは?

「試合ができる状態になったので、そのことを伝えてもベラトールでの試合が決まらなかったです。そうなると、自分がいつまで良い状態でいられるのか分からないので、ベラトールに拘るよりも、まずケージに入って戦うことを優先しました。それがファイターの務めですし、今年になって契約を解除してもらって」

──国内での試合というのは頭になかったですか。

「それはなかったです。やっぱり元々、海外でやりたいっていう気持ちを持って始めたので。まだ海外でできるチャンスがあるのであれば、海外で戦いたいというのは変わらなかったです。今回はコンバテでの試合ですけど、北米に拘ったわけではなかったですし。アジアでもヨーロッパでも。ロシアでも南米でも、どこでも良いです。僕はどっちかというと何も知らないところに飛び込んでいくのが好きなんで」

──素敵ですね。キルギスに取材に行った時、選手は自分たちでバンテージを巻いてチェックもない。だからテーピングでガチガチに拳を固くして、持参のグローブで試合をしていました。これならコインを握ったり、何でもできるじゃないかと驚きました(笑)。

「それが良いんですよ(笑)。何が出てくるのか、分からない。世界にはそういうところがある。日本にいると文化の違いを感じることもできないです。練習でやってきたことを、いかにケージの中で出すのか。そこをしっかりやれるのかということになります。そういうのは自分でも、全てが想像の範囲内です。でも、『なんだこれは?』っていうなかでやっていきたい。だから楽しい。そういうものじゃないですか!!」

──コンバテも十分に日本人選手にとっては未知ですね。

「分からないからこそ、自分の持っているモノを試せる試合になります。自分が持っている対応力、生命力で勝負する。そこをフルに使って立ち向かっていくという……良い場だと思います。

もう今回もちゃんとモントリオール経由で来たのですが……」

──モントリオール経由!! フロリダに入るのにカナダ経由だったのですか!! それがなぜ、ちゃんとなのかは分かりませんが(笑)。

「あっ、『ちゃんと』をつける場所を間違っていました(笑)。モントリオール経由だったのですが、ちゃんとトラブルがありました──でした。飛行機が遅延して、乗り換えに間に合わなくて、草MAXさんとモントリオールで一泊したんです」

──カナダの空気も吸えたわけですね。それにしても安西選手と草MAX選手の2人だと、それだけで珍道中っぽいです。

「だからモントリオールで1泊しないといけなかったのかもしれないです。まぁ、泊っただけで何も見てないですし、何もしていないですけどね(笑)。あと試合前日には濱村(健)さんも来てくれます」

──そうなると珍道中どころか、珍々道中ですね(笑)。

「ホント、試合の前の日に眠ることができるか。『スミマセン、寝かしてください』って言わないと話し続けているかもしれないです(笑)」

──アハハハハ。そんな長旅を経てフロリダにきて、睡眠不足で戦うかもしれない相手は未知のチリ人。ヴァレンズエラも情報がほとんどない選手です。映像をチェックしようにも、髭の有無もあって彼なのか、違うのかも分からないという状態でした。

「同じ名前の人がゴロゴロいましたね(笑)。南米ではメジャーな名前なんでしょうね」

──MMAでなく、キックボクシングの試合もあって。

「恐らく、その選手だと思います。自分もキックの試合も視ました。これまでやってきた相手と比較すると背が低いです。戦ったことがないほどで。だから、普段からやっていることと手順が変わるかと思います。それにタフでパワフルですよね。ただ、全てに対応できているようでもない。そこを見極めて、戦っていければと思います」

──粗くてパワーがある感じがしました。

「そうですね、思い切りが良いです。そういう相手を思い切りぶん殴ります。マイケル・ペイジとの試合もそうでしたが、どんな相手でも一発ぶん殴ってやろうと思っていますからね。格闘技はダメージだと思うので、ぶん殴ってダメージを与えないといけないです」

──ようやく戻ってきた戦いのフィールド。最後に意気込みをお願いします。

「本当にお久しぶり過ぎて、『初めまして』という格闘技ファンの人もいると思います。僕も大分ベテランになってしまいましたけど、こういう場でインパクトを残してしっかりと勝てる選手がいる──殴り合って、いや殴って勝てる選手がいる。MMAで勝てる選手が、日本にいるということを見せつけたいです!!」

■視聴方法(予定)
5月14日(日・日本時間)、
午後1時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ Combate Global対戦カード

<女子アトム級/5分3R>
アナ・パラシコス(メキシコ)
澤田千優(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィクトル・ヴァレンズエラ(チリ)
安西信昌(日本)

<女子アトム級/5分3R>
ケイティ・ペレス(米国)
エステファニー・イロルソ(メキシコ)

<160ポンド契約/5分3R>
ジェラルベルト・カスティーリョ(米国)
エフェヴィガ雄志(日本)

<フェザー級/5分3R>
ラミロ・ヒメネス(メキシコ)
ニコラス・バルナ(ウルグアイ)

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