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【Pancrase333】パンクラスへのリベンジ=井村塁戦。石井逸人「舐めてはいけないけど、俺の方が強い」

【写真】練習で唇を擦り、リップを塗っているようなくっきり具合。歌舞伎役者のような面妖の石井だった (C)MMAPLANET

30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333に石井逸人が3年振りに参戦し、井村塁と対戦する。

石井逸人in パンクラスといえば、2019年10月の瀧澤謙太戦だ。自信しかない状況で敵地の乗り込み、跳びヒザで敗れた。直接のリベンジではないが、パンクラスという場には喉元に何が引っ掛かったままだ。

2022年版、修斗の激闘王が改めて乗り込むパンクラスでの戦いはズバリ──激闘にならないこと。そんな石井に話を訊いた。


──日曜日に3年半振りのパンクラス出場、井村塁選手との試合が迫ってきました(※取材は27日に行われた)。もう、随分と締まっていますね。

「水抜きも計量当日の朝にするぐらいで。ほんと水抜きしないで済むぐらいまで落ちています」

──と同時に髪型も仕上がって見えます。相当に刈り上がっていますが、やはり髪型を整えることでスイッチが入るモノなのでしょうか。

「ファイト仕様ですね。試合前のルーティーンになっていて。正直、評判はあまり良くないですけど自分が好きにやっているので(笑)」

──このタイミングで、パンクラスで戦うことになったのは?

「修斗では一回りしました。戦いたい相手がいないから、それだけです。環太平洋のチャンピオンになって、防衛戦で落とした。いうと縛りがなくなったので、この機会で外に出たいという風にも想っていました。修斗の世界のベルトを絶対に巻きたいという気持ちがあったわけじゃないし、強いヤツと戦えるなら戦う場所は拘っていないです。

もちろん藤井伸樹には負けたので、ダイレクトリマッチがあるなら戦いたいです。ただ、その試合よりも先にパンクラスで戦うことが決まったので。今回の試合もサステイン経由で話をもらって……これは修斗を背負って戦ってこいという激励なのか、厄介者払いなのか(笑)。そういう場所を創ってもらったので、ここで戦います」

──本来は海外志向だったかと。

「ハイ。でも、あそこで負けていますし。今年1年、しっかりと実現を積んで目に留まるようにして海外に行きたいと思っています。ただ、先のことを考えると目の前の試合を落としてしまうので、そこは今は考えないようにしています」

──強い相手と戦いたい。そのなかでキャリア的にも少ない井村選手は、石井選手にとって強い相手に当てはまるのでしょうか。

「フィニッシュが多いですし、パンクラスのランキング1位ですから。若いですし、対戦相手として魅力のある選手です。本音を言えば、試合が決まるまで注意していた選手ではないですが、極めるべき時に極める力を持っていると思います。フィニッシュ力があるので、気を抜くことはできないです」

──気が抜けないという見方は──。

「そりゃあ俺の方が強いに決まっています。でも、そんな風に上から見ているとクソみたいな試合になるから。しっかりと殺しにいくので。舐めてはいけないけど、俺の方が強いというマインドではあります」

──パンクラスで、絶対の自信を持って──それを口にして戦う。3年半前を思い出すのは、自分だけではないかと思います。

「そうッスね。3年半前に瀧澤に負けて、そこはまだ引っ掛かったままです。未だにあのヒザ蹴りのシーンが使われているし。あの借りがあるので、ここでちゃんと勝ってあの時に言いたかったことを口にしたいと思っています」

──パンクラスへのリベンジのためのワンオフ参戦なのか。それとも、ここからパンクラス王座を目指すのか。どちらを考えているのでしょうか。

「ちゃんと今回勝って、タイトルマッチをやらせてもらえるならベルトが欲しいという想いもあるし、この試合の勝ち方次第。どうなるかは分からないですが、流れに身を任せていきます」

──では同じ大会のコメインで組まれたタイトル戦は気になっていますか。

「普通に気にはなっています。まぁ、中島選手が勝つだろうと思っていますけど」

──その故は?

「経験の差と穴がないので、お互いが得意なところを出し合うと中島選手の方が武器が多い。それが中島選手だと思う理由です。何より戦いたいのは田嶋より、中島選手だし」

──他の選手は呼び捨てなのに、中島選手だけ選手という敬称をつけて呼んでいますね(笑)。

「ロータスで練習したり、シンガポールのイヴォルブMMAのトライアウトの時も一緒で面識があるので」

──あぁ、あの今や業界の黒歴史のシンガポールの日々ですね(笑)。まぁ、私以外の人間にあれを笑い話にはさせないですけど。

「スミマセン(苦笑)。あの時のメンバーなので、中島選手のことは意識しています。中島選手がケガをしていて、肌を合わせたのは数回ぐらいだったのですが、あの状況でMMAファイター人生を打開しようとチャレンジしている姿を見ていますし。中島選手のことは試合が決まるまで尊敬しています。ただ尊敬はしているけど、俺の方が強いという想いでいます」

──押忍。2022年の石井選手は2勝1敗、全てが競り合りのなかでこれまでなら気持ちが強く持てていなかったというところで、踏ん張れた。そういう印象があります。

「あ……、ありがとうございます。もっと一人前になっているところを今回の試合で見せることがデキると思います。同時に良い試合という評価には特に何も思わないです。次の試合がショボかったら、たまたまになりますし。それでも去年の3試合をしたことで自分も何かを掴めていると思っているところがあるので。自分の理想のファイトスタイルまでもうチョイなんです。そこを掴むための練習の日々になっています。

その成果が出て『コイツ、強いな』と思われるのが今回の試合かもしれないし、その次かもしれない。いつか分からないけど、確実に前に進んでいます。その成長を見てもらうためにも、激闘とか言われてもそれはシーソーゲームになっているということなので圧倒的に自分のしたいことをだけをやりぬく。そういう試合にしたいです」

■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT

■対戦カード

<ライト級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 久米鷹介(日本)
[暫定王者] アキラ(日本)

<バンタム級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 中島太一(日本)
[暫定王者] 田嶋椋(日本)

<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] KAREN(日本)
[挑戦者]ソルト(日本)

<フライ級QOPC/5分5R>
[王者] 端貴代(日本)
[挑戦者] NØRI(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
石井逸人(日本)

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<バンタム級/5分3R>
田中路教(日本)
笹晋久(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
エジナ・トラキナス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
ヌルジャノフ・ルスタムベック(キルギス)

<フライ級/5分3R>
有川直毅(日本)
コルトン・キエルバサ(米国)

<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
葛西和希(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
岡野裕城(日本)

<バンタム級/5分3R>
ジェイク・ムラタ(日本)
矢澤諒(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
高本千代(日本)
重田ホノカ(日本)

<フェザー級/5分3R>
渡辺謙明(日本)
平田直樹(日本)

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