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【RIZIN LANDMARK05】V.V Mei戦へ、浅倉カンナ─02─「この試合だけは絶対に勝つ」

【写真】何があっても練習だけをしてきた。逆に試合がない状態での練習により、技量が上がっているという見方は十分にできる(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、V.V Meiと対戦する浅倉カンナ・インタビュー後編。

突き抜けられない現状との戦いに、自信を失う場面もあった浅倉だが、ヴァレンチーナ・シェフチェンコとの出会いと、V.V Meiという対戦相手を得たことで──再び戦いの場に戻る。

これがキャリアの剣が峰、乗り越えることで大きなステップとなる一戦へ、その覚悟と不安と自信の程とは。

<浅倉カンナ・インタビューPart.01はコチラから>


──それはかけがえのない経験となりましたね。

「プレイベートはジムのパーティで一緒したぐらいなんですけど、練習中の行い、雰囲気から本当に人として尊敬できて。全く偉ぶったことがないし」

──カンナ選手に関しては、RIZINで活躍をしてきたのですが、海外に行きたいという気持ちがないのかと疑問に感じていました。世界を目指す人がジムに多いですし。ヴァレンチーナと触れ合って、海外で戦うということを再考するきっかけにはならなかったですか。

「う~ん、本当の本当、正直に言って良いですか」

──もちろんです。

「こんなに強い人が世の中にいるのかって思いました。世界って広くて、厳しいと。練習を見てもらったので分かると思いますが、本当に何もできずぶっ飛ばされていたじゃないですか(苦笑)」

──まぁ2階級違いますし。

「それはそうなのですが……気持ち良いぐらい吹っ飛ばされたので、世界の厳しさを感じて……。目指そうっていうよりも、『こんなに強い人がいっぱいいるんだ』という感覚になって。同じ場所に行きたいという想いにはならなかったです。本当に今、自分は自信がなくて。試合までに自信をつけないといけないんです」

──RIZINにもパク・シウ、伊澤星花という選手がいます。強いです。

「強いですね。ただMei選手と試合をするということは、そこまでいくという覚悟をして決めたことなので。後のことは分からないですけど、この試合だけは絶対に勝つ。この試合の結果で、自分の今後が変わる気がします。周りもそうなんですけど、自分の気持ちがそうなると思います。

また『無理なのか』って思うことになるのと、勝って上を目指すことができるのでは大分違ってくると思うので。それぐらいの覚悟をして、臨みたいです」

──対戦相手としてMei選手のことを、どのように捉えていますか。

「Meiさんは打撃も寝技もできるし、経験が凄い。国内のトップファイターで、海外でもタイトル戦まで行った。なので簡単な相手ではないです」

──とはいえ2度に渡るアンジェラ・リー戦の頃と、ONEの終盤ではパフォーマンスは違う……下がったという印象は拭えないです。

「そうですかねぇ……MeiさんがMMAを余り戦えていないのが、関係しているのか。ただ、自分はアンジェラ・リー戦の印象が強いです。絶対に諦めないし、『Meiさん、凄い』って思っていました。自分より前に女子格闘技を盛り上げてくれていた選手と戦うことが、凄く嬉しいです。

もちろん、若くて力をつけてきた選手との戦いも自分にとって良い経験になるのですが、嬉しさでいうとMeiさんと戦える方が大きいです。実際、練習もしたことがあるし、やっぱりそういう過去とも関係してきます。戦わせてもらえるなら上の世代の選手とも戦っていきたいです」

──今日は対戦相手のMei選手と顔を合わせて、いかがでしたか。

「ちょっと気まずかったです(笑)。試合が決まってからは、当然練習をすることもないですし、連絡とかも取り合わないですけど。Meiさんを目の当たりにすると気まずさもありつつ、やっぱり気合いも入ります。もうやるしかないので、自分は会見があるとよりスイッチが入ります」

──自分のなかで、ここは譲りたくないという部分はありますか。

「試合が決まっていない時の練習って楽しいです。自由に色々と試すことができて。そういう期間が長かったので、何かその自分をケージのなかで出すことができれば、結構良い動きができるという気持ちでいます。そういう部分には自信があって──どうなんですかね、一本取れると思っています」

──これだけ自信がないと連呼して、結果的に自信はあると(笑)。カンナ選手、食えないですね(笑)。ところで今回は世代が上のトップ選手と戦いますが、今、DEEP JEWELSを見ていると過去2年ぐらいでデビューした選手が、キャリア10戦以上の選手を越えていく勢いを見せています。この現状はどのように見ていますか。

「刺激になります。凄く勢いがあります。そこに怖いモノしらずっていう部分もあるので。まだ何か怖くなる壁に当たっていない。だから本当に勢いがあります。万智ちゃんが柏に練習に来てくれていて、めちゃくちゃ強いです。万智ちゃんとスパーリングをしていると、負けたくないっていう想いになりますし、そこが良い刺激になっていますね。

何か昔の自分を思い出します。『こういう時、自分も凄く楽しかったな』って(笑)。そういう感覚で見つつも、自分はもうその場所にいない。違うところで、前に進んでいくしかないので」

──リングでなくケージです。ケージの方がカンナ選手は自分に粘りがあるし、相手の嫌なことも数多く仕掛けることができるように感じます。

「ハイ(笑)。あると思います。自分の中ではリングもケージも変わらないと思っているのですが、ケージで戦うとやりやすさは感じます。ケージ際の攻防は、リングと全然違うのでそこは強味になってきます」

──では、最後にファンにどのような自分を見て欲しいですか。

「負けて……この葛藤って人には伝わらない部分があると思います。悩みではないのですが、この感情が皆に伝わっていないだろうし、いい加減ファンの人たちには呆れられていると思っています。なので、ケージでしっかりと良い勝ち方をして──自分のなかで、今いる状況、立ち位置を全て変えていきたい。ケージの中で暴れている自分の試合を楽しんでほしいです」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

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